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HERMES-ミラノサローネ2022


競技場のようなだだっ広い空間に4つの巨大な構造体によるインスタレーションが展開されていて、入ってまずそのスケール感に圧倒されました。給水塔にインスパイアされたというこれらの構造体は、木枠に和紙のような紙が貼られた障子のような造りとなっています。しっかりとした木組の躯体にもかかわらず、紙から漏れ出る柔らかい光のおかげで、バルーンのような軽快ささえ感じました。
 


中では、和紙のような紙の台座の上に作品が展示されていました。アームチェアOria(Rafael Moneo)、スツール(Alvaro Siza)、カシミアのテキスタイル、太陽をモチーフにしたイエローの磁器のテーブルウェア、照明など。


こちらのテーブルウェアのモチーフは、展示会場前の広場にもアウトドア用のイスやテーブルとして使用されており、外の爽やかなイタリア初夏の気候と、会場内の幻想的な雰囲気との対比が面白かったです。
 


特に美しいと思ったのが、幾何学形態を組み合わせた照明。Tomas Alonsoによるもので、こちらも日本の行燈のように、光源を直接見せず、反射させることで幻想的なあたたかさを演出していました。
 


台座として使用されている紙は、すべてリサイクルペーパーだそう。展示が終わると、また戻して、資源の無駄にならないようにするそうです。今年度のテーマに「サステイナブル」が掲げられている中、パッと見ただけでは、短期間で解体されるインスタレーションに多くの資源を使用しているようにも思えました。実際には、細部まで考え抜いた展示構成にされているようです。
 




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