Mayu

デザインリサーチャー。人文学修士(美学)→メーカーでインハウスデザイナー→🇫🇮Aalto…

Mayu

デザインリサーチャー。人文学修士(美学)→メーカーでインハウスデザイナー→🇫🇮Aalto大学大学院(IDBM/Design)。デザインという文化そのものに興味があります。記事執筆こちら https://forms.gle/jyTAqfCDoKMotULW7

マガジン

  • フィンランドとデザイン

    フィンランドデザインについての学びや気づき。フィンランドデザインの歴史から、最新のデザインまで幅広く書いています。

  • 【デザイン・美術】展示会の記録

    デザイン、美術関連の展示会の記録です。現在はフィンランド在住なので、フィンランド、ヨーロッパの展示会情報が主です。

  • フィンランドの暮らしと文化

    フィンランド大学院留学生の暮らし。単身フィンランドに渡航して、色々ありますが、なんとか毎日やっている日々の記録です。フィンランドの暮らし、女性一人でフィンランドに住むこと、大学院生の生活に興味がある方はよければご覧ください。

  • Aalto大学大学院でのデザイン学び直し

    Aalto University/ IDBM (International Design Business Management)でデザインを専攻しています。主に大学での学びや、デザインについての学び直しを記録しています。

最近の記事

雪降る日に復活礼拝堂(Erik Bryggman設計)を再訪した

こんにちは、Mayuです。私は今フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています。私のnoteではデザインとフィンランドでの日々について書いています。 先日、トゥルクにある復活礼拝堂(Ylösnousemuskappeli)を訪ねました。8年前にも訪れたことがあるのですが、その時はろくに調べもせずに一人でふらっと行ったため、ちょうどお葬式が行われている最中でした。 遠目に建物の外観だけ見て、帰ろうと思った時に、スタッフのおじさんが声をかけてくれて、入っていいよ

    • フィンランド デザイン・建築博物館のこれまでとこれから

      こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 以前の展覧会記録で少し触れたのですが、フィンランドのデザイン博物館と建築博物館が統合移転されるそうです。現在は最終決定の合意段階で、これから建築コンペが始まるみたいです。(2023年12月現在) この二つの博物館は、Korkeavuorenkatuという地区にあり、二つの建物は今現在もすぐ近く(徒歩30秒)にあります。これらが一つの建物に統合され、運営母体となる新たな会社も設立されるそう

      • Garden Futures展:大好きなデザイン博物館・建築博物館にあと何回いけるのか

        こんにちは、フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 ヘルシンキのデザイン博物館と建築博物館で共同開催中の展示会、Garden Futures: Designing with Nature に行ってきました。 ヴィトラデザインミュージアムがキュレーションした展示会の巡回展になるのですが、デザイン博物館と建築博物館の初の共同開催ということで、けっこう大々的に告知していたので気になっていたんです。 展示の趣旨としては、庭園が人間の活動にどの

        • カイヤ・アーリッカ展:アーリッカの創設者、お茶目で可愛くて子どものような強い人

          こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 先日、ヘルシンキのタイデハッリで開催されていた、カイヤ・アーリッカの展示を見てきました。 カイヤ・アーリッカ(Kaija Aarikka1929-2014)はフィンランドのデザイナーで、アーリッカ社を設立した起業家でもあります。アーリッカと聞いてピンとこずとも、この羊を見たことがある、という方は多いのではないでしょうか。アーリッカはヘルシンキのエスプラナーディ通りにも店舗があり、フィンラ

        雪降る日に復活礼拝堂(Erik Bryggman設計)を再訪した

        • フィンランド デザイン・建築博物館のこれまでとこれから

        • Garden Futures展:大好きなデザイン博物館・建築博物館にあと何回いけるのか

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        記事

          フィンランドの”今”が見つかるデザインギャラリー、LOKAL

          こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 ヘルシンキにはiittala、artek、marimekkoをはじめとしたデザインショップや、セカンドハンドのお店があちこちにあり、街中の至る所でこれらの名作デザインやヴィンテージのプロダクトに出会うことができます。 一方で、フィンランドで今活躍している、注目されているデザイナーは?どこで出会えるんだろう?というと、なかなか見つけるのが難しいんです。 名作デザインだけでなく、「フィンラ

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          【行き方解説付き】パイミオのサナトリウムの当時の暮らし。本当に"機能的"であるということ。

          パイミオのサナトリウムはフィンランドの機能主義建築の代表作として、また建築家アイノ、アルヴァ・アールト夫妻の出世作としてよく知られています。パイミオのサナトリウムが名作と言われる所以は、単にフィンランドに機能主義建築をもたらしたということだけでなく、使う人の気持ちや心地良さを機能主義建築の言語に融合させた「人間的な機能主義」を結実させたことにあります。 ユネスコ世界遺産にも登録されている同建築は、現在パイミオ・サナトリウム財団によって管理運営され、見学ツアーが提供されています

          【行き方解説付き】パイミオのサナトリウムの当時の暮らし。本当に"機能的"であるということ。

          Aalto大学でのデザイン修士を目指される方へ。IDBM(Design)の雰囲気や学んでいること。

          こんにちは、Mayuです。私は今、フィンランド Aalto大学の修士課程、IDBM (International Design Business Management)でデザインを学んでいます。 10月も半ばに差し掛かり、海外大学院の出願準備を進められている方は、モチベーションレターやポートフォリオ作成に本腰を入れられる頃ではないでしょうか。モチベーションレター作成にあたっては、「自分が何を学びたくて、大学では何が学べて、だから私はあなたの大学に行く必要があるんです」という

          Aalto大学でのデザイン修士を目指される方へ。IDBM(Design)の雰囲気や学んでいること。

          フィンランドの食文化について思うこと、ゼロウェイストレストランNollaと学食

          先日、ヘルシンキのゼロウェイストレストラン Nolla(ノッラ)を訪れました。最初はゼロウェイストを実践しているレストランだとは知らなくて、何度か前を通りかかった時に素敵な店内だな、と思って、ずっと気になっていたんです。 一言で言うと、食事は本当に楽しくて最高におすすめのレストランです。期待していた通り、インテリアがまず素敵ですごく居心地が良かった。Nollaは食事だけでなく、ペーパーナプキンやスタッフの方が着用するエプロンなど、細部までゼロウェイストにこだわっているそうで

          フィンランドの食文化について思うこと、ゼロウェイストレストランNollaと学食

          フィンランド最大の家具見本市、Habitare 2023

          Habitare(ハビターレ)はフィンランドで開催される、国内最大規模のインテリア・家具の見本市です。フィンランドのブランドが主ですが、他国のブランドも出展しています。2023年度のテーマはTogether。9/13-9/17まで開催され、41,560人が訪れたそうです。同時期に開催されているヘルシンキデザインウィーク(2023年度の記事はこちら)が「市民を巻き込んでデザインを考える場」であるのに対して、ハビターレの方がショーケース的要素が強いです。ただ、会場で直接購入できる

          フィンランド最大の家具見本市、Habitare 2023

          ヘルシンキデザインウィーク2023

          初めてのヘルシンキデザインウィーク訪問でした。メイン会場での展示に加えて、街中の店舗や施設でも130近くの関連イベントが行われています。 2023年度の全体テーマは Once upon a time(昔々) 2025年のヘルシンキデザインウィーク20周年に向けて、過去から持続可能な未来へのストーリーを語る、というテーマ設定でした。 ヘルシンキデザインウィークは思ったよりこじんまり、していたんですが、市民との距離感をすごく大事にしているというか、日々の生活におけるデザインの

          ヘルシンキデザインウィーク2023

          フィン・ユールとデンマークの椅子展

          東京都美術館で開催中の『フィン・ユールとデンマークの椅子』に行ってきました。タイトルの通り、フィン・ユールの作品だけでなく、デンマークのデザイン史を辿りつつ、その中でフィン・ユールがどのように働き、影響を受け与えたかを知ることができる内容でした。 1930年のストックホルム博覧会、スウェーデンとフィンランドだけでなく、デンマークの名だたるデザイナーたちにも相当な影響を与えたというのがわかり、冒頭から面白かった。コーア・クリントの作風も、その前後で全く違う。流行りが少し変わっ

          フィン・ユールとデンマークの椅子展

          ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで

          東京都現代美術館で開催中の「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」 Jean Prouvé(ジャン・プルーヴェ)は、1901年フランス・パリ生まれ。金工職人としてキャリアをスタートさせます。その後、その知識と経験を椅子、建築へと展開させていきます。特にスチールやアルミといった工業材料に親しみ、家具や建築における新たな可能性を示しました。 ジャン・プルーヴェの仕事を見ていてると、「ものを作る人」という印象を一番に感じます。芸術一家に生まれ育った、という出自もあるのかもしれ

          ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで

          Dimore Gallery-ミラノサローネ2022

          中央駅の西側エリアにある、ディモーレギャラリーの新拠点となるディモーレチェントラーレ。ミラノサローネと直接の関係はないですが、面白かったものです。 元々、このエリアは治安が悪く、地域住民からも改善を求める声が多かったそうです。実際歩いてみると、長く暗いトンネルがあったり、中央駅から離れるにつれ、徐々に不安になる雰囲気はありました。薄暗い高架下は、ギャラリースペースとして開発が進んでおり、ディモーレ以外にも、様々なアーティストやデザイナーが展示しているようで、これからどんどん

          Dimore Gallery-ミラノサローネ2022

          LOUIS VUITTON-ミラノサローネ2022

          ルイ・ヴィトンはサンバビラ駅の近くにて展示。会場は、ジュゼッペ・デ・ミンが1939年に構想したパーキングビルで、現在はショッピングモールとなっているそうです。 オブジェ・ノマドの新作を含むコレクションを展示。パトリシア・ウルキオラ、フェルナンド&ウンベルト・カンパーナ、アトリエ・オイ、ロー・エッジズ、アトリエ・ビアゲッティ、吉岡徳仁、ネンド、バーバー&オスガビー、マルセル・ワンダーススタジオ、、など。14名ものデザイナーによるラインナップを展開しており、とにかく豪華、華や

          LOUIS VUITTON-ミラノサローネ2022

          karimoku case study-ミラノサローネ2022

          カリモク家具のグローバルコレクション、「Karimoku Case Study」は本会場にブースを構えていました。 建築家の芦沢啓治さんがブルーボトルコーヒーのカフェとオフィス向けにデザインしたチェアを新たなラインナップとして発表。ゆったりと座り心地の良いチェアは、無垢材を切り出した背面や、アームレストの曲線など、細部の美しい仕上げが際立っていました。 これまで、カリモク家具としてはミラノサローネに出展していたものの、カリモクケーススタディとしては初めての出展となるそうで

          karimoku case study-ミラノサローネ2022

          ALCOVA-ミラノサローネ2022

          ALCOVAは独立したプラットフォームとして、ミラノ周辺の歴史的な場所や空き地を使いながらデザインの展示、インスタレーション、パフォーマンスを運営させています。本年度は、廃墟となった軍事病院とその敷地一帯を会場に、著名な作家から若手デザイナーまで、またテクノロジー、アート、素材実験など、幅広いジャンルが集っていました。 歴史を感じさせる建物設備、元軍事病院という堅牢で冷たい空間の窓からは鬱蒼と生い茂る緑が見えます。時が止まったような空間の中で、数多くの自由で野心的な展示が展

          ALCOVA-ミラノサローネ2022