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ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで
東京都現代美術館で開催中の「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」
Jean Prouvé(ジャン・プルーヴェ)は、1901年フランス・パリ生まれ。金工職人としてキャリアをスタートさせます。その後、その知識と経験を椅子、建築へと展開させていきます。特にスチールやアルミといった工業材料に親しみ、家具や建築における新たな可能性を示しました。
ジャン・プルーヴェの仕事を見ていてると、「ものを作る人」という印象を一番に感じます。芸術一家に生まれ育った、という出自もあるのかもしれません。材料の性質を深く理解して、構造をきちっと組み立てて、用途や機能を十分に考慮する、そんなデザインの姿勢を感じます。彼自身、建築家でも技術者でもない、"I'm a factory man(工人)"と自身を表現していたそうです。
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パリのポンピドゥーセンターの設計コンペの審査員長や、大学教授といった多彩な経歴を持っています。加えて、生涯を通して、起業(工場設立)と経営に繰り返し携わり続けた点も、彼の特異な点ではないかと思います。デザインしものを作り出すだけでなく、事業的な視点で自分のつくったものの価値を判断して、顧客を見つけ、取引を成立させる、というビジネスの才能にも長けていたんですね。こうした能力が、のちのモジュール建築の展開にも繋がっていったようです。
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ジャン・プルーヴェの椅子といえば≪スタンダードチェア≫が代表的ですが、重心を後ろに持ってくるこの独自のデザインは、他のタイプの椅子でも共通していることに気づきました。解説によると、ジャン・プルーヴェ自身が、椅子に座る際に重心を後ろに預けて座るのが好きだったため、とのことです。初めは、ジャン・プルーヴェ=合理的なビジネスマン、という印象を持ちましたが、自分好みの座り方をデザインの中心に据え続けているあたりに、彼の人間らしさを感じた気がしました。椅子の変遷だけでなく、アルミのファサードやモジュール建築のモデルも間近で感じることができ、とても面白い展覧会でした。
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