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テキトー漫画レビュー①【チ。/鬼滅/呪術/推しの子/ブルーロック/Dr.STONEなど】

ということで、始まりました。
人気コーナー「テキトー漫画レビュー」のお時間です。


はい。
まあ、私は何かしら作品のレビューとか感想とかを書こうとすると、一作品に5000字は軽く使ってしまいます。故に全然書く気にならないので、それはよくないと。

ある程度他人に分かってもらえるくらいの客観的な言語化をしつつ、また新しい作品を読み始めることを習慣づけるためにも、この企画を始めることにしました。

既刊分は全部読むとかいう制限もなく、とにかく緩くやっていくつもりですので、どうか何卒。
批評家っぽくて嫌なんですが、とりあえずストーリー、画力、キャラ、総合の4点で一応、評価づけもしてみることにします。(特に作画はまだ言語化出来るほど詳しくないので、途中でやめるかも)

では、早速、最近読んだマンガを中心に紹介していきたいと思います。
(以下、ネタバレには全く配慮しませんのでご了承ください)

1.チ。-地球の運動について- / 魚豊 

既刊7巻読了(最終巻8巻分は未読)時点

ストーリー 9/10
作画 7/10
キャラ 6/10
総合 ★★★★★

☆5は「文句なく面白い」といったところですかね。
マンガ大賞2021の第2位でしたもんね。

とはいえ、これ、かなりマンガの王道やお約束からは外れていて
それでこれだけ売れたのだから凄いなと。
今の「キャラクター消費」の潮流に真っ向から逆らう、この主人公交代制。というより、誰かも言っていましたがこの作品における主人公は「地動説」そのものです。

真実を求めた人々がか細く、しかし確かに、「地動説」をノアの箱舟に載せて後世に運んでいく。その様を描くストーリーを書こうと思う、その発想がまずすごいと素直に思います。

以前誰かのnoteで「我々は地動説が真実だと分かっていて、安全圏から過去の過ちを信じる宗教を叩くのを楽しんでいる」という批判を見ました。
確かに、それも一理あると思います。このマンガが面白いポイントの一つには、最終的に「誰もが地動説を信じてやまない世界に塗り替わる」という最高のカタルシスが待っていると私たちが確信しているところにあります。

しかし、そういったことを汲んでも、歴史改変なども含めて、今の読者の心を掴んでいるのは確かで、それは私も御多分に漏れずなので、評価したいと思いました。

最後にどうでもいいですが、作画やキャラの得点がやや低めなのにそれが総合評価にあまり影響していないのは、この作品の魅力はそこに左右されないと思っているからです。
(もちろん、絵のうまさというか、構図の壮大さなど、評価すべきところもたくさんあるのは当然分かっているうえで、です)
それくらい、この漫画はエポックメイキングだなと思います。発明。

2.魔人探偵脳噛ネウロ / 松井優征

全23巻うち1巻読了時点
ストーリー 6/10
作画 5/10
キャラ 4/10
総合 ★☆☆☆☆

テキトーと言っておいて「チ。」で語りすぎた気がします。もっと楽にラフに雑にいきましょう。

何を隠そう、ネウロの作者はあの「暗殺教室」も書いています。
なのできっと前作のこれも好きなはず~と思って読みました。

1巻でギブでした。

ミステリとか私、好きなんですけどね。なぜでしょう。
絵柄も癖が強くて、読みにくいというのも確かにあります。
でもそれ以上に、「キャラ」が致命的に受け付けませんでした。

まず、1話。
主人公の家族が亡くなる事件をネウロが解決するところから、主人公の女の子とネウロが一緒に行動するようになるんですが。

「家族死んだのに、まあまあすぐ立ち直って、明らかに人間じゃない怪物と一緒に居ようって思うか?」という疑問が頭から離れませんでした。

ネウロが何を考えているかわからないのは、まだいいんです。
こういうキャラは無鉄砲だったり無神経だったり、理解できないからこその魅力がありますし、それは物語が進むにつれ、だんだん明かされるのが常です。
しかし、その「無理解なキャラ」とセットで読者に寄り添うはずのキャラクター、この作品で言えば主人公が「共感しにくい」となると、話は別。

そして、この二人の関係性にも特に魅力がないので、1巻は苦痛でした。2巻もちらっと読んだところメインキャラが増える感じではなかったので残念ながらリタイアと。

しかし、中には暗殺教室より好きな人もいるようなので、時間があれば続きも読んで、レビューを更新したいなと思います。

3.鬼滅の刃 / 吾峠呼世晴

全23巻うち4巻読了時点
ストーリー 7/10
作画 6/10
キャラ 8/10
総合 ★★★☆☆

さて、大人気の鬼滅ですが。これは総合☆3つ。
といっても、私は4巻までしか読んでおらず、本当に「こっから物語始まるぜ!」って感じのところだったので、まだまだここから面白くなるだろうなとは分かってはいるんですが。

やはり、私はマンガにとって、特に週刊連載にとって、1話(及び1巻)の重要性はとても大きいと思っています。

そういった意味で、鬼滅の1話及び序盤はあまり好きではなかった。
もちろん「主人公の目的やキャラ、そして世界観がそれとなく明示される」という最低限の条件はクリアしている。
しかし、とても気になったのはあまりに主人公にとって重い序盤であるということだ。

「重い」というのは厳しいという意味に書き換えて差し支えないが、ここではあえて「重い」という言葉を使った。

家族が亡くなる、という設定にとやかく言いたい訳では全くない。そういう厳しい話は、主人公に駆動力を与えやすい、ドラマも生みやすい。問題は、設定が厳しいことじゃない。

その厳しい状況を主人公が真っ正面からシリアスに受け止め、かつ周りの人間にはそれでも「お前は甘い」と叱られ続ける序盤。

これが私は「いや…どうなんだ?」と思った。
もちろん、家族を殺されて「やっべー、ぜってぇ仇討つぞー」的なノリで旅が始まったらいくらなんでも興ざめなのだけれど。

例えば名作「ONE PIECE」だと、1話で幼いルフィは自分のせいでシャンクスの腕を犠牲にしてしまい、号泣する。
そしてシャンクスの船出を見送ったあと、話は一気に10年くらい飛び、そしてルフィも大海へ飛び立つというのが流れである。

大事なのは、この10年の「時系列の省略」だ。
これのおかげで、シリアスな事象でキャラや物語に深みをもたせつつ、そのシリアスを必要以上に引きずらないようにしている。
また、バトルもの特有の話だが、この間に「特訓」というフェーズをすっとばせるのもいい。

主人公が特別な強さを持つことを正当化する為に、普通は並々ならぬ努力のシーンが要るが、そういった地味で読者にストレスのかかるシーンは週刊連載の序盤とは相性が悪いのである。
(なので、多くの名作はこのあたりの兼ね合いをかなり上手くつけている。)

鬼滅は特訓シーンも長い。
しかも、時系列は前後するが、家族が殺されたばかりなのに「生殺与奪の権を他人に握らせるな」やら「判断が遅い」やらと罵られる。

読者と自分を切り離して読める成人読者はまだしも、主人公に同一視している子供たちにとってはストレスの多い序盤だな、と感じた。

とはいえ、現状は子供に大人気なので、この長文は全部戯言となる。
(もちろんこういう分析を言語化しておくことが大事なのであって、「鬼滅がこんなに売れてるのはおかしい」とか言いたい意図は毛頭ない)

また、9点をつけたように、キャラの配置は上手だと思う。
4巻冒頭で、ようやく伊之助、善逸というキャラが味方に加わり、会話に面白みと、いい意味での「緩和」が生まれた。

これを読んでいた2月は死ぬほど忙しかったので、また読みたいと思っている。

4.呪術廻戦 / 芥見下々

既刊19巻うち2巻読了時点
ストーリー 5/10
作画 8/10
キャラ 5/10
総合 ★★☆☆☆

まずい、さっきは話し過ぎた。どうやっても話したいことが多すぎた。

えー、呪術も鬼滅に次いで人気の作品だ。だから読んだ。
しかし、2巻でギブった。
これも単純で、主人公に対する共感が全くできない

なんなら、主人公の目的も、動機というか原動力もよくわかんない。祖父の教えだけでそこまで命張れる?みたいな気持ちにずっとなってた。以上。

まあでも、人外系が苦手という自分の好みも多分にあるとは思うが。

5.あやかしトライアングル / 矢吹健太朗

既刊8巻うち4巻読了時点
ストーリー 8/10
作画 9/10
キャラ 7/10 
総合★★★★☆

この人、話書けたんだ……ってなった(急な語彙欠乏)
というか「ToLOVEる」よりちゃんとストーリーマンガしてて面白くない?
お色気はもちろんあるけど、それがなくても全然面白い。

ジャンプに性転換ネタを持ち込んだのも面白いし、主人公がここまで可愛いのも新しいな、と。そして、ヒロインがただのヒロインじゃないのがとても時代に沿ってて良いなと思った。
むしろヒロインの方がどっちかというと能動的に話に参加してきてて、しかも結局「凄い力の持ち主」である、つまり戦いの当事者だったっていう。

とはいえ、プラスに移籍になりましたけど()
ま、でも確かにこれはもっと上の年齢層向けではあると思うし、それこそジャンプというよりもっとオタクの層にも刺さる題材ではあるからね。

4巻の段階では、普通にフラットにラブコメありのバトルものとしてまぁまぁ面白いなーという感覚です。ヒロインと主人公以外はまだあんまりって感じだけど。
でもまぁ、何より、絵が上手いので。。

6. Dr.STONE / Boichi・稲垣理一郎

既刊25巻読了(最終巻26巻分未読)時点
ストーリー 9/10
作画 6/10
キャラ 8/10
総合 ★★★★★

7月に最終巻が発売されるそうですね。コミックス派なので、どう物語が完結したのか全く知らないんですけど。
死ぬほど気になる

いや、個人的これが今一番アツい作品なんですよね。
乗り遅れてますね。

でも、これ本当に話が良くできてて。
特に5巻くらいから最後までずっと面白い。

話の壮大さに1話では度肝を抜かれましたね。このスケールになると、「完結まで見たい」という気になりやすい。なにせ謎が大きいから。

「全人類が突然、謎の光によって石になる」
「それから数千年経って文明は全て滅びる」(壮大なアクシデント)
  ↓
「科学で一から謎を解いて、全人類を復活させる」(壮大な目的)

この組み合わせが完璧すぎる。
何より、「素材を集めて、モノを作る」という工程。これにワクワクしない少年がどこにいるんだという話よ。マインクラフトの流行から見ても明らかだけどさ。
こういうのは燃えるよね。

一方で、全人類というスケールを使った「哲学」という要素も入ってくる。
「本当に全人類を復活させていいのか?」「また元の地球に戻っていいのか?」「復活させるべき人間は最低限でいいのでは?」みたいな。

まあ、思想としては幼稚かもしれませんが、しかし少年誌なのだからこれくらいピュアでいいんです。こういう要素がちょっとでもあると、大人も楽しめていいです。

そして、文明のないストーンワールドで「ええ!ケータイ作っちゃうの!?」「ええ!ステルス船作っちゃうの!?」「ええ!ロケット作っちゃうの!?」という、この人類の科学史を三段飛ばしでステップしていく驚きと爽快感。

最終的には、今当たり前にある文明が、とても素晴らしいものに見えてきます。まるで奇跡の上に立っているかのような感覚に襲われます。

いやあ、いい話ですね(雑)
科学ガチ勢からしたら厳密なところで色々言いたくなるのかもしれませんが、それは追求しすぎてもキリがないし、何より週刊でこのクオリティ、どれだけ勉強しているか……って感慨で私はもう前が見えません。

7.ブルーロック/ 金城宗幸・ノ村優介

既刊19巻読了時点
ストーリー 8/10
作画 9/10
キャラ 8/10
総合 ★★★★☆

これは、すごい。
今、週マガこれしか読んでないんだけど、これがめちゃ面白い。
ノ村先生は元々デスゲームものを書いてて(私は大嫌いだった(のに全部読んだ))、また嫌いなやつかな~と思っていたら、全然違くて。

いや、デスゲーム的な要素はあります。「スポ根にデスゲームって何?」って感じかもしれませんが、まさにこの作品はスポ根×デスゲームのいいとこどりなんですよね。

まず、この話の面白い所はとにかくアツいところ。スポ根ですよね。
でも、そのアツさを生み出してるのは強烈な生存欲求、作品でエゴと呼ばれているものです。これがデスゲームっぽいのはなんとなく分かりますかね。

で、ステージが何個かに分かれてて、一定期間密室空間に隔離されて。みたいな。そういうガワのデスゲームっぽさもあります。その面白さもありますが。
弱き者は強制退場。サッカー界からの追放。レギュラーからの失脚。それは選手、彼らにとっては「死」と同じです。これが、アツい。

登場人物全員が「生きるのに必死」という状況を作り出しつつ、かつ「死」を軽く下品に扱うこともない。デスゲームのいい部分だけを抽出してる訳です。これは新しいし、面白い。実際女性人気も高いそうです。

まあ、世界編に入ってから正直中だるみというか、「今何してるんだっけ?」みたいになってきてはいますが。
それは長期連載の宿命ですね。序盤が上手く描けたら次はこれをどう乗り切るか。ここが作家及び編集の腕の見せ所だなと思います。

8.アオのハコ / 三浦糀

既刊4巻読了時点
ストーリー 6/10
作画 9/10
キャラ 7/10
総合★★★☆☆

今のジャンプ唯一の純愛枠ですね。
こんなに爽やかな恋愛ものは久々。+ですが「青のフラッグ」とかを彷彿とさせる雰囲気です。うん、雰囲気はすっごくエモい。常にエモい。

それは多分、絵柄の影響も強いです。ヒロインの表情もめちゃめちゃ可愛く描ける方ですが、なんというか空気感の表現が上手い気がします。

でも、個人的にはちょっと薄味
「これどうなるんだろう!?」っていうストーリーを追いたいと思えるフックがあまりない感じ。ストーリー的にはよく言えば繊細で、悪く言えば地味。
なので、これは人によって評価が分かれると思う。

「とりあえず部活頑張りながら、先輩に振り向いてもらえたらいいな~」ってバラバラな感じがして。あまりスポーツと恋愛が結びついてないのも、う~んポイント。
ある意味リアルではあるんだけど、物語だとすごく散漫に見えるかもなとは思いました。

とはいえ貴重な恋愛枠なので頑張ってほしい。

9.SPY×FAMILY / 遠藤達哉

既刊9巻分読了時点
ストーリー 8/10
作画 8/10
キャラ 9/10
総合 ★★★★★

はい、売れに売れてますね。+の看板です。
アニメ化前にミリオン売り上げるという鬼作品。そらアニメにあんなに金かけるわ。

いや、正直これは言わせていただきたいんですけど。

「1話見た時から絶対売れると思ってた」

いや、古参アピとかそんなんじゃなくて。本当に。
だってこれが売れなきゃダメでしょっていうくらい、全てが模範解答
全てが教科書通り

設定やキャラ配置に無駄がない。隙が無い。毒がない。
老若男女誰にでも受けるマンガ。

それがSPY×FAMILY。

昨今、特にこういうキャラの二面性というかギャップみたいなものは流行としてありますよね。
魅力にももちろん直結するし、なにより「笑い」になる。これが大きい。

でも、最近やってた豪華客船編はちょっと長すぎて「なんだっけ?」ってなりました。アプリで毎週追ってるからで、一気に読んだら気にならないかもだけど。

ま、でもアニメやるところは全部面白いので、暫くは安泰でしょう。
でもこれ、ちゃんとストーリーとしての結末考えてるのかなあ。。

10.【推しの子】 /横槍メンゴ・赤坂アカ

既刊7巻分(+YJ最新話まで)読了時点
ストーリー 9/10
作画 9/10
キャラ 9/10
総合 ★★★★★★

はい、出ました。☆6つ。限界突破。
日本で一番これが面白い(個人の見解です)。

もう8巻にもなるのに、最近毎週面白いからね。
もしかしたらもう終盤なのかもしれないけど。

とにかくストーリー構成が本当に巧い
「今、何の話?」ってなることが1秒もない。本当に読者に親切。

そして、キャラ配置が完璧
男女関係なく、どの関係性も全部エモい。なにそれ。
そして、赤坂アカは主要キャラだけじゃなくモブのおっさんにも物語を持たせるのが凄い。全ての人間が主役なんだなーって気にさせる。

あと、時事を取り込むのが上手い。

あと、ギャグとシリアスの塩梅が絶妙

あと……いや、もう駄目だ。やめておこう。7000字越えそうになっててびびった。おかしいな、こんなはずでは。。


とにかく、【推しの子】めちゃくちゃ面白いので見てください。
以上で今週の「テキトー漫画レビュー」は終わりです!


それではまた来週~!(これは週刊連載とは言ってない)


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