柚人のやってる仕事と人事労務知識
自分の仕事を「わかりやすく」伝える能力、という一節がmotoさんの転職と副業のかけ算という本の中にある。
のでアウトプット練習がてらそれに則り、自身の仕事を伝えてみたいと思う。
まずは現職から。
仕事って何?
人事労務管理システムのプリセールスエンジニア。
ただ事業内容を書き過ぎると身バレは今のところ怖いので伏せておきます。
人事労務管理システムなので、労働基準法に改正が入れば当然プログラム改修をしなければならないし、法律で定まっていないお客さん独自の就業規則の特色などにも対応が必要だったりする。
競合ではWorksAPのCOMPANY、OBICやSAP Hanaなどが居る。(もっと挙げるとまた身バレ以下略)
部署の役割はシステム設計と導入サポート>開発管理>運用調整といったところ。
そんな中でも自分の役割は導入対応およびそれのプロジェクトリーダ。
プリセールスエンジニアという職
今の仕事の名称はプリセールスエンジニア、プリセールスとはシステム導入や販売時に営業などシステムの専門知識がない人の代わりに、技術的な質問や、ITを用いた問題の解決をする、その為の質疑応答や課題の洗い出しをするのが主な仕事だ。
次のキャリアパスとしては営業系に進むならコンサルタント、マネジメント系に進むならプロジェクトマネージャ、技術系に進むならアプリケーションエンジニア、方向転換なら営業またはインフラエンジニアといったところになる。
エンジニアってついてるんだしシステム系だからコード書けるんだよね?
エンジニアとついているが、「技術が分かり、設計出来ることが重要で、コードが書ける必要性はない」のがポイントだ。
使われている言語とその言語で出来ること、していることぐらいは分かっておかないと、お客さんから技術力不足だね、なんて笑われることもある。
少なくとも自分は前職で触ってたVB.NETは使えるけれど、現職のJavaはまったくもって分かってない。サーバー側の動きに関してもほとんどしらない、Linux触れてPostgreSQL使えるぐらいだ。
それでも2年間のヘルプデスク経験とその後の経験から、Webシステムの動作であったり、オブジェクト指向の理解は少なからずあったのでテクニカルサポートは苦労しない。
もともと20年ほど前に趣味でHTML書いてたこともあってフロントエンドの動きは概ね分かっていたので、あまり問題ない。(そもそもお客さん側にしてみればフロントエンド以外基本的に意識することはほぼないに等しい)
尚、現職に就いてコード書いてリリースしたことは「一度もない」
筆者は何のプリセールスなの?
冒頭でも述べたが人事システム。正確にはSaaS型人事労務管理システム。
SaaSとはSoftware as a Serviceを言うが、まぁぶっちゃけクラウドサービスと思ってもらっていい。ユーザーはただ使うだけ、のシステムだ。
つまりそこに対するプログラムの改修であったりはお客さん側で全く出来ないようになっている。
その分、受注する範囲でお客さん側で中身のデータを何かに転用したい等の要望があれば、データ連携機能の開発やバッチ処理、API開発などが必要になるので、そのあたりも要件定義のスコープになることもある。
何が大変?その1:ドメイン知識
人事システムの要件定義なので、人事労務の事を当然知識として持っておかなければならない。
また、人事労務というのは就業規則の整備や組織作り、採用だけでなく社会保険手続きや給与計算、年末調整の対応、労災などの対応に異動手続き、人事考課、昇給など様々ある上に、給与計算などは全て人件費の塊だ。
人件費ということは当然、経費などと同様会計に紐づいていく。
会計は会社にとっての収支をつけるが、そこはかなり細分化されており、給与項目も社会保険の会社負担や本人負担などで、人件費=支出、とはならない。本人の給与から引去っているので、会社にとってみれば支出したうちの一部が返ってきていることになる。
といったように会計にも影響するし、当然給与計算パッケージまで搭載している製品ではないが、給与明細の機能を付けているので明細項目と計算項目は違うなども人事労務管理の上では必要となる。
所以、覚えることは山ほどあって、人事・経理・会計のバックオフィス系知識がドメイン知識となる。
つまり本と法律を読みまくれ、となってくる。
何が大変?その2:開発・課題管理
コードを書くことはほぼないし、書けなくても問題ない、と先述したが、それはコードを書く開発部隊が別で居るから出来る話でもある。
つまりはお客さんの要望を一手に引き受け、それらの課題や進捗を把握し、開発へ正しく伝言する必要がある。
また、自分の担当範囲以外の部分を別のメンバーが聞いてきていたりすると、それらとの調整もある。
また、開発を投げている間は当然他のことが出来る余裕がでるのだけれども、投げたはいいわ全然されていなかった、では話にならないので、そのあたりも責任もって確認する必要はある。
ただまぁここにおいての一番のネックは「開発へ正しく伝える」コミュニケーション能力だ。
何が大変?その3:プロジェクト上の立場
基本的にお客さんへのシステムサービス提供の窓口となるので、導入フェーズではプロマネやプロジェクトリーダとなる可能性は往々にして高い。
つまり、プロジェクトの予実管理や納期交渉などをするケースも十分にあり得る。
なのでまぁプロジェクトマネジメント能力は必然的に求められる。
ただ組織の概念に問題があると、マネジメントするだけのリソースを貰えなかったりして、白目向きそうになる。
まとめ
あんまり長くなりすぎてもあれなので今日のところはざっくりとこんな感じ。
人事労務知識、もちろん海外は評価制度が違ったり流動性が違ったり、そもそも勤怠や会計を日本みたいに「毎月〆る」なんて概念がなかったりするのだが、日本においては労働三法というものに労働者は守られている。
でも実際、その労働法の緩い部分をうまくすり抜けるような捉え方をして適用しているところもあれば、明らか知ってか知らずか違反した扱いをしている会社も多い。
なので、自分の身を守る、正しい保障を受け取る、そういった日本国民として「当然受けられる権利」を知ることは生活の上で必須だし、会社は与えなければならない。
なので、知って置いて損はない。
労働法や給与計算のやり方、社会保険の仕組などはそれぞれ1500円前後で分かりやすくまとめられた本が出ている。
気になる人は本屋で買ってみて、是非とも自分の職場の就業規則が正しいかどうか見比べてみて欲しい。
(ちなみにここも法律で「就業規則及びそれに準ずる届出は、従業員がいかなる場合においても最新のものを確認できる状態にしておかなければならない」と定められているので、見れないといった時点で違法となる。店舗だから置いていない、というのも×だし、要求して出してもらえない、と言ったらもうその時点で労働基準監督署からの是正勧告対象となる。それが続けば立ち入り調査および行政指導、操業停止となるのだが、その場合でも従業員の給料は最低限6割は支払わなければならないので、休まされて金が貰えるのである、戦う以外の道はないと思う)
おしまい
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