在宅勤務のBCP~停電に見舞われた話~

 こんにちは、柚人です。
 6月後半の水曜日、激しい雷雨が関東地方を襲いましたが、そのあと深夜に自宅(マンション)が一部のみ停電しました
 その後復旧までかかった時間が10時間、という非常に長い時間だったわけですが、このコロナ禍で在宅勤務が主です。
 出社も事前申告制だし、こういうことがあった時、妻には各方面との調整が難しいこともあって家から離れるわけにもいきません。
 そんな中、深夜から停電復旧の対応+仕事をしてたわけですが、情シスSlackで自宅でできるトラブルシューティングって需要ある?って書いたらこんだけ反応あったので書きたいと思います。
 ただ前提にBCPの話をしたいので、BCP十分に理解してる!って人はすっ飛ばして後半から読んでください。


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BCPって何?

 BCPとはBusiness Continuity Plan(事業継続計画)と言われるものです。
簡単に言えば、「備えあれば憂いなし」ということで、災害時やシステム障害発生時、自分たちが提供しているものを「何時間以内に」「どのレベルまで復旧させるか」というサービスレベルと言われるものと、「それをどうやって実現するか」という手順や必要物の準備などを計画しておくことを言います。

 例えばこのnote、Webサービスなわけですが、データやプログラムを保存しているサーバーを置いてある場所が停電したとします。
 そうするとnote使えなくなりますよね。
 そうしたときに、例えば別の地域にサーバーを置いておいて、手動でも切り替えられたら、サービスを再開できます。
 ですが、そういう想定をしていなければ、サーバーを1か所で運用して、停電が治らない限り、どうやっても復旧できない場合もあります。
 すると、サービスを提供できないのでユーザーは困ります。

会社のBCPと自宅のBCP

 BCPと言われるものは、今まで会社の経営層・情報システム・総務や各事業部トップなどが主に検討していましたが、あくまでそれは会社としてやるべきことを基準に考えられています。
 ですが、在宅勤務の人が増えた今、在宅勤務で仕事を出来る環境を揃えることが各個人に望まれ、逆にそれで仕事できないからと休むわけにもいきません。(例:ネット回線の有無などは情シスを悩ませる種です)
 特にインフラ(電気・水道・ガス)整備は自宅を仕事場とした場合でも生活するうえでも一番重要ですよね。

起きたこととトラブルシューティング

 まず、停電したのは深夜2時。寝ていたところを妻に起こされ、ブレーカーは入れ直したという。
 実際試してもダメ。
 ブレーカーは小さいものから落として大きいものを落とす、立ち上げる時は大きいものから順に入れていく、これは過電圧などで機器を壊さないためにあります。

 次に外に出ると、お隣も同様の状況で出てきていました。
 扉前のガスメーター・電気メーターの所を開けると、電気メーターが消えています
 ただ、共用部分の階段の蛍光灯はついていました

 次に外から建物全体を眺めてみると、一部の家は電気がついていて、他の家はついていない。ただ、時間が時間なので寝ているケースもありアテにならない
 一通り確認したところで東京電力へ電話。
 送電網には問題ない事が窓口側でわかるので、上記の確認事項を順に話すと、作業者を派遣してくれるとのこと。
 派遣に1時間はかかるとのことで、待つしかありません。
 到着後、さすがに深夜のため電話がかかってきたので出ると階段のところで待っていてくれたので、状況を説明し、一緒に現状を再確認。(これは時間経過によって問題が解消しているかを確認するためです)

 マンション自体の集中分電盤を確認していくと、ただ一つだけ、蓋がされていて作業員が開けることができない(東電作業員は障害対応の場合、集中分電盤の鍵が複数規格におよぶことから、複数のマスターキーを持ち合わせている)端子ボックスを除いて、正常。

 ここは管理会社側でしか開けられない、ということで管理会社に電話すると、24時間窓口では個人占有部分のトラブル対応はできるが共有部分(階段、ベランダ排水、建物全体など)は対応できない、昼間しか対応していない別会社の管轄だという(なんだそれ・・・)
 ひとまず東電作業員ができることはないので帰ってもらい、24時間窓口の方から共有部分の担当会社に連絡を取ってもらったのが朝6時。
 そこから7時半になっても連絡がこず、結局電話がかかってきたのが9時半。
 「今から向かう」という声に対し、どこからだ、という話をして、到着時刻を想定。
 結局到着時刻想定(12時)から30分後に電気が復旧

 到着していた担当者から事情を聴くと、落雷などでブレーカーが落ちた時のように、過負荷遮断のためレバーが中央になっている状態だったという。
 稀な事象ではあるが、落雷により地中に流れた電気が地下水を媒体に伝播し、地面設置であった当該集中分電盤はそこからショートしたのではないか、という説もあるものの、築30年近いマンションで機器が一回も交換されていなかったので耐用年数的にも問題があった、とのこと(管理会社は今年4月に代わったばかり)。
 ちなみに到着する寸前、ノートPCがバッテリー不足でお仕事おしまい\(^o^)/オワタな状況になってました。

 かれこれ、2時から12時半なので、10時間半停電したことになります。
 幸い冷蔵庫の食料品などはおおむね無事。保冷剤をたくさん作っておいてよかった。

流れのまとめ

・ブレーカーを入れ直す(小さい方から大きい方へ)
・電気メーターを確認する
・共用部分(階段の蛍光灯など)を確認する
・他の家の状況を確認する
・電力会社に電話して、送電網異常を確認してもらう
・各地域管轄にて分電異常を確認してもらう(スマートメーターなら可)
・電力会社が判断してくれるので指示に従う
---ここからはケースバイケース
・状況を確認し、各住民から必要に応じて管理会社に連絡する
(電力会社は大家や管理会社を知らないのが基本で、ここは原則住民から)
・管理会社側で対応する窓口が別途対応する

知っておくとよいこと、あるとよいもの

・メーターがスマートメーター化されているか
・電力会社、水道会社、ガス会社の緊急連絡先
・管理会社側の緊急時の連絡先、連絡経路
・保冷剤、サイリウムや電気ランタンなどの簡易照明
・当面の飲料水
・電気が止まった時に、生活に支障の出るものの把握と対応(例:エアコン・扇風機、給湯器(つまり風呂が沸かせない)など)

まとめ

 南海トラフ地震もくるくると言われながら全然来ないままです。
 日本、特に東日本は2011年の東日本大震災が非常に広範に影響を及ぼしたので地震に対する備えは意識が向いている人が多いと思います。
 しかしながら、こういった身近に起こりうるトラブルから前提知識をつけておくと、地震災害時にも活用できます。
 ちなみに自分は東日本大震災は未経験ですが、阪神大震災の被災者ではあるので、当時小学生でしたが、1週間あまりの水道停止は経験済みです。
水が止まると本当に生活は苦労します、潔癖だとすぐにメンタルやられそうですね・・・。
 災害対応の備品準備や、発生時の対応についてはpdfなどにもされているので、下記からスマホに入れておくとよいかもしれません。


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