即位礼正殿の儀での陛下のお言葉について深読みしてみた

 今日は即位礼正殿の儀ということで祝日、家でゆっくり過ごしているものの、なんとなくではあるがやはり日本人、日本国民として、やはり新たな天皇陛下の即位という日本で非常に大きなイベントである。
昼前に起きて、後追いでだが経緯や内容を確認していた。

 さて、その中で陛下のお言葉を聞いていて、テレビでもコメンテータが触れていたが最後の一文に触れたいと思う。
以下が全文だ。

 さきに、日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明いたします。

 上皇陛下が30年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御(み)心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。

 国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。

天皇とは

 天皇陛下は日本国民の象徴であり、上皇陛下を実際に目にした方々はその存在に温かさや優しさなど、分かりやすい言葉で言えば「オーラ」を感じると言うし、今後の天皇陛下もそういう存在であり続けるのだろうと思う。

 そもそも皇室および天皇というのは、701年に大宝律令が定まり始まったとされている。
 祀っているのは天照大神(アマテラスオオミカミ)であり、三種の神器「天叢雲剣」「八咫鏡」「八尺瓊勾玉」は天照大神から授けられ皇室が継承してきたことで有名な話だ。

 このあたりは日本神話や古事記を調べてみて欲しい、聴いたことのあるの名前と、淡路島・出雲大社・熱田神宮・伊勢神宮といった有名な場所が出てくる。
 また、神話の世界構成は北欧神話に非常に似ている。色々面白いので興味を持たれたのならWikipediaを読むだけでも十分なボリュームだ。

 しかしながら、神話も絡む皇室の歴史が1500年弱続いていることは世界史の中では非常に稀なため、世界からの目は非常に興味深いといったところにあるのは今日の参列者の多さからも見て取れるところである。

一文について

 さて、話が逸れたが、天皇陛下のお言葉の最後の一文についてだ。

国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。

 叡智とは、優れた知恵のこと言い、正しく物事を判断し、それを重ねて洗練されたものだ。
 正しく物事を判断し、間違った道を歩まず、その努力を続けることで世界の人々を支える国となれ、という意味ともとれる。

 そこを前提として話をしたい。

陛下のお言葉とは

 国、というと規模が大きいので少し縮小して会社にしてみよう。
 組織は規模こそ違えど、縮小、拡大が家庭や人単位まで、大きくは世界単位まで可能だ。
 天皇陛下は日本国という会社の社長だ、そしてリーダーだ。
 国会は役員会、首相はいわば執行役員であり、マネージャーだ。
 大臣は役員会に出席する事業部長であり、各省庁は各事業部に値する。

 今回のお言葉は社長挨拶といったもので、言わば会社がどうあるべきか、そして社員は何をすべきか、というものといえば少しは身近に感じられるだろうか。
 といっても、社長の一言、というのは従業員にとって届くものもあれば全く届かないものもある。
 それはその人自身の人望による。
 従業員を駒としか見ていない上役というものは人望がつかないし、普段から優しく接し、時に激励し、支えとなっている人には人望がつく。

 天皇陛下に人望云々を言うのは失礼にあたるので、中身だけ話したい。

自分を取り巻く人同士の関係性

 自分が主に見ているのはTwitterのオタク界隈とエンジニア界隈だが、その中でもちろん政治情報も流れてくるし、業種特有の話題も流れてくる。

 その中で、最近目に付くのは、やはり正しく判断できることの欠如と、たゆみない努力ではなく諦めることへの抵抗感のなさにある。
 それほど、疲弊している光景を目にする。
 それでは当然のように天皇陛下のお言葉を達成するめどは立たない。

 ではそのためには何をすべきだろうか?

 問題点は判断力の欠如、深堀りすると疲弊と混乱、そして経済の悪化による安価・廉価への徹底的なコスト削減とかなり根深い。
 また、人を叩き、貶めることに躍起になる人達の増加と、考えることを辞め、好き勝手生きる生活が、自身の健康を含め他人の迷惑にもつながる。
まずはそうしたところからの脱却だ。

 経済の再生をはじめとした国民が豊かな暮らしを出来る基盤づくり、そして他人を尊び認め合う心の豊かさの醸成が必要となる。

 ただそれらを行う為には、まず個々の企業が、そして個々の経営者が、そして個々の社員が、人格を以て人として正しく日々の生活と仕事をする必要があるがこれは並大抵の努力ではなし得ない。
 また、そんな意識を強く持ち続けることは至難の業だ。
 そんな意識を持ち続けている人たちは、必然的に成功者になっており、またその周囲を引っ張るリーダーとして活躍している。

まとめ

 なので、自身としては普段から愚痴も発したり努力も怠惰もするが、極力こうありたいと思う。
 「他人を蔑まず、周囲が笑顔で居られるために自身が笑顔で居て、他人を助ける意思を失わない」

 まずは笑顔でいる、ということが大事なのであろう。

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