見出し画像

【10分で読める】 -施工計画の原理原則- 現場監督・施工管理者のための基礎知識 施工計画の組立て方

-施工計画の原理原則- 現場監督・施工管理者のための基礎知識 施工計画の組立て方


閲覧ありがとうございます。
今回は現場監督・施工管理者がまず頭を抱える、施工計画の組立て方について解説します。
私は建築現場しか経験していませんが、現場のことであれば怖いものはないと思っています。理由は簡単です。施工計画の原理原則を心得ているからです。
現場によって作業や環境の条件は当然異なりますが、何を知る必要があるのか、何を準備すれば良いのか、押さえる要点を理解していれば難しくありません
この記事を読んでインプットが出来たら、ぜひ実務でアウトプットしてください。
それでは解説に移ろうと思いますが、、、
その前に!
この記事を読もうと思ったそこの貴方!
このような記事を読む貴方はかなりの変わり者か、同業者で悩みを抱えているのではないでしょうか。
私は本業と同時進行で記事を書いているため、貴方のほしい情報が投稿されるまで時間がかかるかもしれません。
待つのは時間がもったいないので、
貴方の欲しい情報が何かをこの記事でコメントをするか、
私のX(旧:Twitter)のDMで気軽に問い合わせをしてください!

すみません、脱線してしまいました。
それでは、解説に移ります。
解説内容は以下の4ステップとなります。


建築業は運搬業である

建設業は運搬業である
この言葉は私がとても尊敬する前に勤めていた会社の所長のものです。
この意味は

「工事を進めるためには、第一に、人と物を作業場所に送り届けることから始まる

ということです。
現場は人だけいても、物だけあっても形になりません。
作業場所に両方が揃って初めて形になっていきます
つまり、人と物の動線を考えることが最も大事ということです。
人の動線については、大きく分けて下記4点です。
・駐車場の場所を把握する
・駐車場から現場までのルートを決める
・現場入場ゲートから休憩所までの安全通路を確保する
・休憩所から作業場所までの安全通路を確保する

物の動線については、大きく分けて下記2点です。
・扱う物の大きさや荷姿を確認し、
製造場所から仮置き場所、現場までの運搬経路を明確にする
・現場入場ゲートから作業場所までの搬入経路を明確にする

動線を考える上で、一番検討が必要な内容が太字にした項目です。
なぜかというと、他の項目はあまり変化が起きないのに対し、
太字の項目は現場の状況に合わせて調整が必要になるからです。

例えば地下躯体工事の場合は、
人の動線は、外周部の仮設通路や昇降階段、仮設EVが必要になり、現場の進捗に合わせて昇降階段の盛替えや仮設通路、仮設EVの組立解体を計画します。
物の動線は、揚重や構台、仮設EVが必要になり、現場の工程を考えて組立解体を計画します。

地上躯体、内外装工事の場合は、
人の動線は、本設階段や外部足場、昇降階段、仮設EVを利用します。
物の動線は、揚重や外部足場の荷取りステージ、仮設EVを利用します。

上記の内容を大枠で決めるために総合工程表(マスター工程表とも呼びます)を作成し、人と物をどのように送り届けるかを検討します。
大枠が決まれば詳細を詰めていき、どのタイミングで新しい動線を作り、いつ動線を切り替えるか、解体をするか日程を明確にしていきます。
さらに、期中の進捗を管理することで実際の動線づくりの日付が確定できます
担当者レベルではこの太字部分がしっかりと検討するべき内容になります。

動線づくりの手法は様々なものがあります。
これらの手法をどのタイミングで取り入れて計画するかが施工管理者の腕の見せ所です。
この計画が現場の運営を良いものにするか悪いものにするか左右すると言っても過言ではないです。

各工事の状況をできる限り解像度を上げてイメージし計画することで
より良い現場運営が実現できると断言します。

工事の作業手順の基本を理解する

運搬方法がイメージできた次は、作業手順を確認します。
作業手順がわからないと、工事着手前の準備が何もできません
職人さんが来てから、「どうやって作業する?」なんて聞いていたら作業が全く進みません。
まずは、職人さんの作業内容と工程を理解することが最優先です。
職人さんが普段どのような作業姿勢で、環境で、流れで作業しているかを把握してください。
この時に貴方は、脳内で実際に作業をする職人さんにならないといけません。
職人さんと同じ気持ちにならないといけません。

作業手順の基本を把握することでどのように作業をするか職人さんと同じ目線で考えられるようになります。
そうなれば貴方は、作業で必要となる仮設材や工具、安全施設の整備方法、最適な作業床、資材の搬出入のタイミング等まで想像を膨らませることができます。
あとは、施工管理者として作業計画するだけです。
例えば作業床を作るとします。
それがローリング足場だったり、高所作業車だったりと言っても、
大きさ、高さ、重量、安全施設等、気にする項目が多々あります。
これらを1つずつ仮設定し、検討して、職長さんと打合せしながら確定していくことで、作業変更のないスムーズな作業計画が出来上がります。
このような着実な取り組みが、最善の段取りへの近道です。


作業場所の条件を洗い出す

作業手順がわかって作業計画ができたとしても、どこかにイレギュラーな作業条件が隠れているものです
条件によっては、基本とは逸脱した方法で作業をしなければいけないかもしれません。
このイレギュラーが潜んでいないか事前に洗い出すことが非常に重要です。
洗い出しができていないと、急に作業が止まる、段取り替えが発生するようなロスが生まれてしまいます。
事前に職長さんとイレギュラー部分について、どのような対応をするかまで打合せが出来ると、もう怖いことはありません。
あとは、打合せ通りに準備しておけば勝手に現場が進んでいきます

人員配置や物の搬入時期を考える

これまでの内容が明確になれば、職人さんが何人必要なのか、資材や仮設材等の物の搬入はいつがベストなのか、などが見えるようになります
見えてきたことに対して職長さんとよく会話し、精度を高めることができれば、どのような人員配置が良いのか、物を入れるタイミングは朝一が良いのか、午後中で搬入すればいいのか、がわかってきます。

わかっていない施工管理者がよく言うことが
「何人くらいいればこの工程を完了させることができますか?」
「いつ物を搬入すればいいですか?」
などの相手に考えてもらって答えを求める発言です。
(※相手がちゃんと考えているか確認するために、あえてこのような質問をする場合はあります)
このような発言しかできないようでは、まだ施工管理者ではありません。
ただの便利屋です

わかっている施工管理者は
「○人いれば工程通り進められると思うのですがどうですか?」
「○月○日の朝一に搬入を予定しようと思うのですがいいですか?」
などの、自分で考えて根拠を持って、納期を考慮して、事前に確認を取ります
この際に歩掛りを把握できれば完璧です。
※歩掛り:作業にかかる手間の度合い ex:10m2/人

これができれば、工程表が作成できる状態になっています。
工程表の具体的な作成方法、考え方については次回の記事で解説します。
ちなみに、
「最低○人は必要なので準備できますか?」
と言えるようになれば、1人前の施工管理者です。
なぜなら、歩掛りを理解しているからです。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。今回の記事では、施工計画の組み立て方を解説しました。聞きなれない『建設業は運搬業である』という言葉から始めましたが、いかがだったでしょうか。

人と物の動線を作り
→作業手順を理解し
 →作業場所のイレギュラーを事前に解決し
  →自ら人員配置と物の搬入時期を考える

上記ができれば、怖いものはありません。
1つの工種で実践できれば、同じように繰り返すだけなので、
毛色が違う工種の担当になってもすることは変わりません。
是非、全ての工種で実践し、素晴らしい現場監督・施工管理者になってください!
次回は工程管理について、主に工程表の作成方法、考え方を解説します!

記事は以上になります。
少しでも参考になった方はハートボタンをお願いします。
こちらの記事でわからないこと、深掘りしてほしいことがありましたら、
コメントをお願いします。100%返信します。
また、無料で個別相談・サポートを受け付けています。
X(旧:Twitter)のDMで気軽にお問合せください。
ご連絡お待ちしております。
こちらの記事が少しでも貴方の救いになれば幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?