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『本を灼く』試し読み&編者解説――〈マドンナベリー文庫〉第四回配本について

2024年4月24日配信開始の〈マドンナベリー文庫〉第四弾、六花梨花さん『本を灼く 未亡人は淫雨の雫で濡れている』冒頭の試し読み&編者解説を掲載いたします。

六花梨花×十鳩椋『本を灼く 未亡人は淫雨の雫で濡れている』

『本を灼く 未亡人は淫雨の雫で濡れている』


「波流」
「千百合」
「涼夜乃」
「琥太朗」

「0.origin -終わり故の始まり-」&「1.逢着(ほうちゃく)の夏」冒頭


『本を灼く 未亡人は淫雨の雫で濡れている』本編へ続きます。

編者解説――〈マドンナベリー文庫〉第四回配本について

ゆずはらとしゆき


 官能小説の新しい実験室〈マドンナベリー文庫〉第四回配本、六花梨花さん『本を灼く 未亡人は淫雨の雫で濡れている』をお送りいたします。
 まさか、約30年前……まだ学生だった頃の編者がうっかり二次創作の同人誌を作っていた、名作アダルトゲームのシナリオライターさんに依頼するとは……と、感慨深い気持ちになっております。この話をすると何故か、ゼロ年代以降の知人たちからは「君が?」と怪訝な顔をされますし、完全に若気の至りなのでゲーム名は書きませんが、折り返しの著者紹介文も編者が書いておりますので。

 そう言えば、前回まで男性作家による「おじさん×美少女」年の差もの三連発でしたから、あちこちで「そういうレーベルなのか?」と訊かれておりましたが、本作は一転して、『ふぞろいの林檎たち』や『愛という名のもとに』のような、アラサー世代の男女の燻っていた青春の終わりを描くロマンス官能小説です。
 ご本人はテレビドラマ版の『深夜食堂』と仰っておられましたが、なるほど、〈氷河期世代の等身大な官能小説〉というレーベルコンセプトの解釈がこうなるのか……と、プロットを拝見しつつ面白がっておりました。

 ……とはいえ、これまでの作品とは、物語の方向性もキャラクターもかなり違いますから、誰にイラストレーションをお願いしようか……と、かなり悩んでおりました。
 なので、延々と悩んだ挙げ句、旧知の十鳩椋さんにお願いいたしました。そして、マンガ系のイラストレーションだと微妙に描きづらい20代後半という年齢のキャラクターたちを、しっとりな湿度と妖しい影を帯びた独特の絵柄で表現し、物語を彩っていただきました。
 もともと適当にでっち上げた惹句なんですが、確実に〈官能ライト文芸〉の可能性を広げ、先々に繋がっていく作品になったと思います。有り難うございました。

 かくして、官能小説の新しい実験室〈マドンナベリー文庫〉、第四回配本も無事にお送りできました。
 次回の第五回配本は『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました。』(オシリス文庫)や『ひだまりで彼女はたまに笑う。』(電撃文庫)などの作品で読者の恋愛血糖値を上げまくっていたイチャラブ官能マイスター、高橋徹さんの『JDスナック嬢に身も心も癒されて(仮)』です。更に肉感的でありながら流麗な心友さんのイラストレーションで、よりアダルトなイチャラブ官能の可能性を探求いたします。
 ……それでは、次回も宜しくお願いいたします!


以上、冒頭試し読み&編者解説でした。
いくつかツッコミどころはありますが、そのあたりは悪い大人の事情ですので、スルーしておいていただければ有り難いです。

あと、『JDスナック嬢に身も心も癒されて(仮)』『ほろ酔い優菜と淫蜜純愛性活 JDスナック嬢に身も心も癒されて』というタイトルになりました。

かくして、〈ライト官能文芸〉で〈新しき官能小説と文藝の実験室〉と銘打った〈マドンナベリー文庫〉第四弾、六花梨花×十鳩椋『本を灼く 未亡人は淫雨の雫で濡れている』4月24日から各電子書籍ストアで配信開始です!

……あ、4月10日からDMMブックスで先行配信(実験販売)しますよ。


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