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哲学エンターテイメントな英語ボイスドラマ〜ソクラちっくEnglish〜第4話:時は金なり?

ソクラちっくEnglish。それは、日常に潜む小さなトピックを考え、哲学しつつ、イケボなソクラテスの声でリスニング力を鍛える、意識高い系にはたまらない、新感覚ボイスドラマ!楽しさ満点、知識満載、まさに英語学習の革新!これが真のエンターテインメント学習法、ソクラちっくEnglishです!あなたのまだ知らない、英語の新たな世界を堪能しよう!

今回のエピソードでは、「時は金なり」そう考えるビジネスマンの前にソクラテスが忍び寄る…ことわざや名言って意味は知っているけど、あまり深く考えたことがない。「時は金なり」よく聞く言葉ですが、それを深く考えると、新しいものの見方や自分なりの価値基準とは何かが見えてくることもあるかもしれません。

それでは、ソクラちっくEnglish「第4話:時は金なり?」お楽しみください!
(今回はちょっと難しいテーマかも。スクリプトに解説をつけました。)

Inside his luxurious penthouse, a self-made billionaire and the CEO of 'Time is Gold' Inc., Richard Brisk, ponders over his company's tagline - "Time is Money". He stares thoughtfully at his gold-plated wall clock ticking away, representing every passing second as potential dollars slipping through his fingers.
高級ペントハウスの中で、自力で大成した億万長者であり「Time is Gold」社のCEO、リチャード・ブリスクは、自社のキャッチフレーズ「時間はお金」を考え込んでいます。彼は考えながら金メッキの壁掛け時計を見つめ、過ぎ去る一秒一秒が指をすり抜ける潜在的なドルとして表現されるのを見つめています。

Sighing, Richard mutters to himself, "Every second counts. Time waits for no man...or his wallet."
深く息を吸い込み、リチャードはつぶやきます、「一秒一秒が大切だ。時間は誰も待ってくれない・・・財布もだ。」

そこに、砂時計を持ったソクラテスが現れた!

Suddenly, a strange figure materializes in the room, clad in ancient Greek robes, beard all bushy, and carrying a large, conspicuous hourglass. "That's a nifty phrase, Richard," says Socrates, as he dusts off some nonexistent ancient Greek dust from his toga.
突如、部屋に奇妙な人物が現れます。古代ギリシャのローブを身にまとい、ボーボーの髭をたくわえ、大きな砂時計を持っています。「リチャード、それは面白いフレーズだね」とソクラテスは言いながら、自身のトーガからありもしない古代ギリシャの埃を払っています。

"Whoa! Who are you, and how did you get past my biometric security?" Richard exclaims, clearly startled.
「おい!お前は誰だ、どうやって私の生体認証セキュリティを突破したんだ?」とリチャードはとても驚き、叫びます。

Socrates winks, "Oh, those Greeks are crafty, but tell me Richard, why do you believe time is equivalent to money?"
ソクラテスはウインクしながら、「ギリシャ人は賢いんだよ。でもリチャード、なぜ時間とお金が等価だと思うのか教えてくれ」

Gathering his wits, Richard replies, "Because every moment spent can be used to make money. Wasted time is wasted money."
リチャードは冷静を取り戻し、「だって、過ごした時間を使ってお金を稼ぐことができるからさ。無駄にした時間は無駄にしたお金だ」と答えます。

Socrates scratches his beard thoughtfully, then asks, "Interesting. And what, dear Richard, is money?"
ソクラテスは髭を掻きながら考え込み、そして尋ねます、「それは興味深いね。で、リチャード、お金とは何だ?」

With a slightly exasperated look, Richard retorts, "Money is a currency, a medium of exchange, a store of value. It’s...well, it's money!"
ちょっと苛立ちを感じながらリチャードは返します、「お金は通貨、交換手段、価値の保存手段さ。つまり…それはお金だよ!」

Socrates, appearing utterly unfazed by Richard's words, presses further. "Alright, then what is time?"
ソクラテスは、まったくリチャードの言葉に動じることなく、さらに追及します。「それなら、時間とは何だ?」

"Time? Time is...time! It’s the continuous progress of existence," Richard replies, his annoyance making his tone sharper.
「時間?時間は…時間だよ!それは存在の連続的な進行だ」と、リチャードは声色を鋭くしながら答えます。

何やってんだソクラテス…

"Ah, so you trade the continuous progress of your existence for a medium of exchange?" Socrates asks, trying unsuccessfully to balance the hourglass on his head, like a circus performer.
「ああ、では、自身の存在の連続的な進行を交換手段に取引すると言うことかね?」ソクラテスが尋ねる一方で、彼はサーカスのパフォーマーのように頭の上で砂時計をバランス取ろうと無駄に努力しています。

With a resigned sigh, Richard says, "Well, when you put it like that, it sounds bad, but it's the reality of life."
リチャードはため息をつきながら、「そう言われてみると、それは悪く聞こえるけど、それが人生の現実さ」と言います。

Seemingly triumphant, Socrates replies, "But Richard, my good man, should the reality of life be spent trading existence for a handful of shiny trinkets?" He gestures dramatically, scattering a few ancient Greek coins across the room.
ソクラテスは勝利した様子で答えます、「しかしリチャード、良き友よ、人生の現実とは、本当に自身の存在を一握りの輝く装飾品と交換することに使うべきなのかな?」彼は大げさなジェスチャーで部屋中に古代ギリシャのコインを散らかします。
解説:ソクラテスは「時間はお金」という考え方を深く探求し、その本質的な意味を問い掛け、人間の存在や時間そのものを「一握りの輝く装飾品」、つまりお金と交換できると考えることの是非を問い掛けています。私たちが生活を送る上で時間をお金と等価に見ることがあります。しかし、ソクラテスは、時間という限りある資源を物質的な富、すなわちお金と直接交換できると考える思考は、価値、特に人生の真価を考える上で正しいことなのか、と問いかけているのです。】

コインを散らかすソクラテス

Richard pauses, taken aback, "Well, I...I've never quite thought about it that way."
リチャードは止まり、驚きの表情を浮かべます、「ええと…それについては、まだ考えたことがないよ」

Nodding sagely, Socrates says, "A lesson for you, Richard. Time and money may seem interchangeable, but remember, all the money in the world cannot purchase a moment lost." He then disappears, leaving a confounded Richard and a room full of ancient Greek coins.
ソクラテスは賢明に頷きながら、「君にとっての教訓だよ、リチャード。時間とお金は交換可能に思えるかもしれないが、世界中の全てのお金でさえ、失われた瞬間を買い戻すことはできないということを覚えておいてね」と言って、彼は消えてしまいます。
解説:哲学ではよく、概念を比べて、その違いを明確化するということが行われます。このセリフは、まさにそれを行っており、時間とお金の質的な違いを明確に指摘しています。時間という資源は一度使われたら二度と戻らない、という不可逆性を持つ一方で、お金は稼ぎ出すことができ、失ったお金は再度得ることが可能でであること。この質的な違いを提示して、時=金の等式を崩し、思考を見直すきっかけを提供しているのです。】

"Well, that was...enlightening. But who's going to clean up these coins?" Richard grumbles, gazing at the mess left behind by the enigmatic philosopher.
「それは…啓発的だ。でもこのコインの掃除は誰がするんだ?」リチャードはグチャグチャになった部屋を見つめながらぼやきます、彼は不可解な哲学者によって残された状況に戸惑っています。
【解説:時が重要なことを説く一方で、最後に部屋を散らかして、時間をかけて掃除する手間を残していくことが、「ソクラちっくEnglish」ver. ソクラテスのチャーミングなポイントです。】

最後まで、読んでくれた方、聞いてくれた方、ありがとうございました!

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