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日本中で移住先を検討し、群馬に決めた

日本全国が移住候補地だった。

結論から書くと移住先は群馬に決めた。
決める前は夫の実家がある静岡が第一候補だったし、更に前は日本全国でどこにする?と話し合っていた。
札幌も長野も岐阜も大阪も愛知も候補だった。

今回は、そんな私たち夫婦がなぜ移住先を群馬に決めたのか書こうと思う。

特別なことを始めない移住

移住の目的や重視することは人によって異なるだろう。

カフェを起業する人、農業を始める人、サーフィンやスキーなどの趣味に没頭するために移住する人など様々だと思う。

しかし、私たちには移住して始めたいことが特にない。
強いて言うなら、平屋を建ててゆっくり過ごしたいというのが目的だ。

夫と晩酌をし、猫と戯れ、美味しいパン屋さんを探し、ゲームを楽しむ。
今と大きく変わらない日々を大切にして暮らしたい。

憧れの地がなかったので、探すことにした

日本全国からエリアを絞るのは少々骨の折れる作業だ。

憧れの地があるなら話は早いが、私たちにはそういう場所がない。
旅行をした時に素敵だと感じても「住みたい」とは別の感情だった。

毎日暮らす場所は、スーパーや病院、公共交通機関など現実的なことと向き合わないといけない。
一方、旅行には非日常を求めていたので、住みたい気持ちと一致することはなかったのだ。

眺望が良く、非日常を満喫できた温泉宿。

まずは、ざっくりと絞った

そこで最初はざっくりと以下のポイントで絞ることにした。

  • 災害が少ないこと

  • 気候が良いこと

  • 治安が良いこと

  • 利便性が良いこと

  • 東京や、夫の実家(静岡)への行きやすさ

なぜ東京までの行きやすさも意識したかというと、前回のnoteでも書いたが思い立った時にときどき東京に行きたいと考えているからだ。

絞る中で、災害は特に重視した。
地震、津波、水害、土砂災害、地盤沈下、噴火、台風、雪害、クマによる被害…。
思い浮かんだだけでもたくさんある。

全ての項目で安全な場所を探すのは困難だが、災害が起こる可能性はなるべく低い方がいい。

気候や治安は、スプレッドシートでさまざまな項目をまとめ、比較した。
災害と同様に、全てにおいて安心できるエリアは難しいので、自分たちが優先したいことを見つめ直しながら検討した。
私は特に湿度の低さや日照時間を意識した。

利便性の良い地域に住みたいので、地方都市がいいと考えた。
ライフスタイルを大きく変えたくないのと、私たち夫婦が二人とも地方都市出身だからである。
故郷のような地方都市であれば、実際に移住してからのギャップも少ないだろう。

また、利便性と同時に自治体の将来性や財政力も意識した。
高齢になっても安心して住み続けられるまちで暮らしたいからだ。

それらを引っくるめて考えていくと、自分たちにとって良さそうなエリアが絞れてきた。
悩みに悩んで4県まで絞り、現地へ何度も訪れて最終的に群馬に決まった。

静岡の実家は遠くなるが、車で行けない距離ではないし新幹線もある。

浜松まで土地を見に行ったこともある。
「福みつ」の餃子にハマった。

群馬の魅力に気づいてしまった

群馬では、高崎市と前橋市に絞って検討した。
重視していた利便性が良さそうだったからだ。
何度も通ううちに、非常に魅力的なまちだということも分かってきた。

特に魅力的だと感じたのは次の点だ。

雨の日に県庁の展望台から眺めた前橋市。

・災害の少なさ

群馬の人に聞くと、口を揃えて災害が少ないと言う。
関東近県の中では地震がとても少ないそうだ。
台風も少ないらしい。


とはいえ、気を抜かないようにしようと思った。
過去には令和元年の台風19号の被害や、もっと昔はカスリーン台風や浅間山の大噴火もあったそうだ。
どこに住んでも、防災にはしっかり取り組みたい。

・都心や観光地へのアクセスの良さ

群馬は、東京から100キロメートル圏内だ。

高崎市には新幹線の駅がある
ので、東京方面や軽井沢方面などへのアクセスが良い。

フルリモートワークの夫だが、ときどき出社することもある。
そんな時は公共交通機関を使うことになるのだが、新幹線だと高崎駅から1時間もかからず東京まで行けることや、座って行けることは嬉しいポイントだ。

通勤がある人でも、高崎駅周辺であれば「転職なき移住」が可能かもしれない。

レジャーでは車に乗る予定だ。
車での移動には関越自動車道がある。
車でも各方面へ出るのがとても便利だと感じた。

実際、土地探しのため、毎週のように東京から群馬へ通った時期がある(群馬での土地探しについては、別の機会に詳しく書きたい)。
疲れはしたが、嫌になるほどではなかった。

家を建て始めてからも頻繁に通うことになるだろう。
まだ住む前にも関わらず、既にアクセス面では群馬にして良かったと実感している。

・物価の安さ

群馬県は物価が安いそうだ。

住む前なので、日常生活における物価の安さは分からないが、そんな私も物価の安さを実感したことがある。
それは、土地の価格だ。都内と比べると驚きの安さである。

東京と比較しても…と思われるかもしれない。
しかし、同じ東京でも私が以前住んでいた場所は郊外のベッドタウンだ。
少し車を走らせると畑や野菜の無人販売があったので、地方都市のほうが都会なくらいだ。
そんな東京の郊外と比べても、かなり安く、そして広い。

数年前から住宅費用が高騰しているので、土地が安いのはありがたい。

・日帰り温泉が多い

私は温泉が好きだ。
旅行する時は、温泉宿から行き先を決めるほどだ。
新婚旅行でも客室露天風呂がある旅館にした。

新婚旅行は石川県だった。また泊まりたい。

しかし、今は猫が三匹もいるため、泊まりで出かけることは避けている。
一泊くらいは何とかなるかもしれないが、せっかく高いお金を払って泊まっても心配でたまらない夜を過ごすだろう。

少なくとも末っ子(サイベリアン)が、もう少し大きくなって落ち着くまでは難しい。
そんな私たちも、日帰りなら安心して楽しめる。

群馬は日帰り温泉が多いので、移住後の楽しみのひとつなのだ。

身体は大きいけど、まだ1歳半のわんぱく君。

デメリットもあるにはある

・風が強い(らしい)

デメリットでパッと浮かぶのは、風の強さだろうか。
群馬の人にデメリットを聞くと、「風が強い」と返ってくる。

しかし、そのデメリットを感じる機会がまだない。
この冬は何度も群馬へ行ったが「からっ風」と呼ばれるほどの強風をまだ味わえていないのだ。
住んだら実感する日がくるのだろうか。

住宅街に住むつもりなので影響は少ないのかもしれないが、周りが田んぼに囲まれた土地だと砂埃でサッシなどが汚れることもあるそうだ。

また、赤城山の麓は眺望が最高だが、赤城おろしという風が吹くとのこと。
地元の人によると、大鳥居(とても大きな鳥居がある)より北では雪が積もるし、クマも稀に出るらしい。

同じ市内でも、エリアによって気候や気をつけるポイントが異なることを意識しておこうと思った。

・車社会である

群馬は車社会だ。

群馬じゃなくても、多くの地方では車社会だと思う。高齢者や免許を持っていない人にとっては一大事だろう。

私も人ごとではない。
ペーパードライバーだし、運転が好きではないのだ。一人で運転して出かけるなんて恐怖だ。
このままではスーパーすら一人で行けないので、練習せねば。

しかし、車社会であっても高齢になったら免許を返納するつもりだ。
その時はバスやタクシー、ネットショッピングなどを活用したいと思う。私の祖母は免許を持っていなかったので、バスやタクシーで出かけていた。
車社会とはいえ、無かったら無いで何とかなるのだろうか。

そう思う反面、車の完全自動運転にはものすごーく期待している。
高齢者や運転に自信のない人でも、安全に乗ることができる未来がくると嬉しい。

・空港がない

群馬には空港がない。
人によってはこれがデメリットになるだろう。

試しに乗換案内のアプリで、高崎駅から羽田空港第2ターミナル駅まで行く場合の時間を検索してみた。
全てを網羅したわけではないが、早く着くものの中には1時間33分で行けるものがあった。

今住んでいる場所の最寄駅からだと、運賃こそ安いが時間は10分程度早いだけだ。
たまに旅行で乗るくらいなら、デメリットと言うほどではないかもしれない。

それに、羽田空港アクセス線(仮称)が2031年に開業を目指しているようだ。
スムーズに行けば、あと7年程度。
群馬からのアクセスがどう変わるのか、楽しみにしておこう。

空港といえば、埼玉県と群馬県の10市町が参加する空港整備の構想もあるようだ。
もし実現すれば、羽田空港まで行かなくてもよくなるのかもしれない。

移住希望地ランキングで2位に

メリット・デメリットをいくつか書いたが、魅力はそれだけで表せるものではない。
細かいものを挙げていくとキリがないだろう。

素晴らしさはランキングにも表れていると思う。
なんと、【2023年】窓口相談者が選んだ移住希望地ランキングで2位になったのだ(認定NPO法人 ふるさと回帰支援センターが発表)。

私もふるさと回帰支援センターには何度か相談しに行った。
群馬のイベントは本当に楽しかったし、相談員さんは質問しやすい雰囲気でいろいろ教えていただけた。
なので、ランキングの結果を記事で知った時は本当に嬉しくて、ウキウキしながら夫に報告した。

嬉しい反面、この結果に驚くことはなかった。
なぜって、現に移住したいと思っているのだ。
あちこち検討して決めたのだ。

他の県にもたくさんの魅力はあるが、私は群馬がいい。
もしランキングで1位になったとしても、喜びこそすれ驚くことはないだろう。
すっかり群馬の魅力にハマってしまったようだ。

土地の契約もまだなので、移住するのはだいぶ先になるが、想像してはニヤニヤしてしまう私であった。

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