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ドイツ大学院留学記⑧マルタ島で賃貸詐欺にあった話【△△万円】

みなさんお久しぶりです。前回はノリでマルタ移住をスタートした経緯についてお話させていただきました。その後びっくりするくらい色々な出来事があり、数ヶ月ぶりにやっと心の整理ができたので少しずつ共有させて頂こうと思います。
今日の記事ではバイトで繋いでいる大学生にとって一番辛かった海外賃貸詐欺に遭った経験をシェアさせていただいます。マルタ島に限らず海外移住を考えている方、海外で住居を探している人はぜひ私の失敗談から学んで素敵な海外生活を送っていただければ、この経験も少しは意義のあるものになると願っています。

マルタ島に引っ越したけど… 最初の賃貸が違法だった?!

2024年2月の頭の出発予定だった日がフランクフルト空港のデモと重なり最初からドタバタでスタートしたErasmus留学。元々のスケジュールから1週間ほどずれてマルタ島に到着しました。2023年11月ごろにFlatmates*というサイトから見つけた部屋へスーツケースを抱えていきました。空港からひとりでバスを捕まえて、見知らぬ場所へ向かったのですが、約束していた時間を過ぎても大家さんは来ず。3時間家の前で地べたに座り待っていたらやっと現れて一言「実家でゆっくりしてたらこんなに遅くなった」と。マルタの時間感覚ですね。
(*Flatmatesの使用はオススメしません…その理由は以下のストーリーを続けてお読みください…涙)

とても古い伝統的な一軒家の2階の一部屋を借りており、そもそもあまり期待をしていなかったのですが、案の定予想通りの状態でした。台所の天井には大きな穴が。キッチンらしき場所には簡易ストーブと電子レンジのみ。台所の水道は壁の外から謎のパイプが繋がっており、シャワーとトイレは大家さんともう1人の女性と共同。とりあえず寝るところとシャワーを浴びれる場所があれば良いと決め、他に住むところもお金もたいして持っていなかったのでこちらに住むことにしました。そのまま引越し当日に鍵の引き渡し、1ヶ月分の家賃の支払いをし、契約書を確認してサインをしました。

1ヶ月半ほど経ったある日。


マルタ大学の学生センターより、ドイツのレジデンシーがあってもEUの市民ではないため学生ビザが必要だと連絡を受けました。マルタの学生ビザ申請には、資金証明書、学校の在籍証明書と、住所登録がされた住居の証明が必要ということで、大家さんに住居証明(Housing Approval)をお願いしました。するとなんと。「住居証明は持っていない。持っていると税金を払う必要があるから。」との一言で一掃。そして、私が大学に大家さんが住居証明を持っておらず、代わりに家の契約書で良いかと聞いたことを伝えたら、「税金を払っていないことをバラしてどうするんだ」と大家さんが逆ギレ。
いやいや、違法で賃貸契約書いてるのはお前のせいだろ!と思いつつ、学生ビザの申請ができるよう、しっかり住居証明をとっている場所に引っ越そうと家探しを始めたのです。

しかし、ビザ申請ができる期間があと10日しかなかった

本来なら入国して4週間以内にビザの申請をしなければいけないのですが、こんなことになるとは思わず準備不足だった私は、10日たらずで次の引越し先を見つけなければいけない状況になりました。しかし、マルタ島は観光地のため家賃相場が最低でも500ユーロほど。1Kでも綺麗なアパートは800ユーロくらいはかかりました。必死にオンラインで探し、再度Flatmateで見つけた物件。首都ヴァレッタの端っこに位置しているアパートの2階とあったので、早速メールで連絡をしました。
するとすぐ返事が来て、私も一安心と気を抜いたのです。

メールとWhats Appのやりとりで直接契約書を交わしました。このアパートの持ち主はアムステルダムに住んでおり、亡き父のアパートだという話。早く貸し出したいからすぐに契約書をと、ポンポン話が進みます。
その際、短期間(4ヶ月)だけの間借りということで家賃とデポジット先払いしてくれといわれました。少し疑問に思ったので、まずはヴァレッタへ出向いて建物の確認をしました。心が少しザワザワしていました。
物件自体に特に看板や張り出しはなかったのですが建物はちゃんとあり、2階の部屋も空き部屋っぽかったので、この部屋の契約を進めようと思いました。しかし相手の送ってくる WhatsAppの頻度が高過ぎる&英語の文法があまりにも適当すぎて心の中が不安でザワザワ。勉強にも集中もできず、何人かマルタ島に住んでいる大学の友人に相談しても、一人ひとり住んでいる家を見つけた経緯が違い「なんとも言えないねー」という返事ばかり。やっぱり赤の他人に大金(月500ユーロx4ヶ月+デポジット500 ユーロ= 2500ユーロ)を振り込むのは心が引けたので、身分証明をリクエストしました。

すると、相手が堂々とパスポートの写真を送ってきたのです。
こんな個人情報出しちゃっていいの?!と疑問に思いましたが、信じることにしてオンラインバンクで送金しました。心がもっとザワザワしていました。
この心の声を聞かなかった私。
送金直後、お金と共に相手が消えたのです。

電話、メール、WhatsAppも繋がらなくなった。

“I was ghosted”とはこういう意味かと、心の底から学びました。Erasmusの奨学金は2100ユーロほどだったので消えた金額よりも少なく、マルタ島に来た時より断然マイナスの残高。

残す4ヶ月分のためにとっておいた家賃も全てなくなりました。違法賃貸から引っ越さなければいけない時まであと4日。不安とストレスがピークに達し、思考停止状態。
200名ほどメンバーがいるマルタ大学のErasmusのグループチャットにヘルプのメッセージを送り、次の日ある人からDMが。住んでいるアパートの一部屋が空いていると、家の写真と家賃などを教えてもらいました。連絡が来た当日にバスに乗って内見をしにいきました。大家さんにも会い、きちんと必要書類(住居証明)や家賃(全て込みで月500ユーロ)があるか口頭で確認。しっかりと口頭で合意しました。その二日後にその新しいアパートに引っ越しました。

断崖絶壁のやっと一安心。

、と思いきや。

DMをくれた人(大家さんの弟なる人物)から、仲介手数料を1ヶ月分の家賃をもらうと言われたのです。
「は?そんな話聞いてないけど?」と対抗。「絶対払わないから」と伝え、大家さんとの会話(水道光熱費全て込みで500ユーロ)という話を説明し、相手も渋々理解をしてくれました。
その次の日。大家さんが「やっぱり月500ユーロで、水道光熱費は別途のデポジットで50ユーロ追加する」と意味不明の会話を持ちかけられました。「話と違うでしょ?」といい、激しく口論しましたが大家さんは「550ユーロ+デポジット」の一線をずらさず。対等に会話も進まないエジプト人の大家さんと同じ空気を吸うのさえ耐えられず、「わかった。けどこれ以上適当なこと言われたら許さないから。」と私が伝えて折れました。

その後も…


大家さんが共同のリビングルームや廊下に許可なく監視カメラをつけたり、実際の住居証明書をくれるまで1ヶ月も待たされる(結局送られてきたのはHousing Authorityからのメールのケータイのスクショという…1ヶ月も待たせるなと思いました)、インターネットを引くまで1ヶ月かかる(引く引く詐欺ですね)、掃除とゴミの状態に文句を言われたり(自分は何も貢献していないくせに)、色々面倒なことがありました。

正直、人生でこれほど人を嫌いになったことはありません。
これほど共同生活が耐えられなくなったことはありません。
しかし、これも海外生活の一面です。いい時もあり、素晴らしい人々に出会い、美しい文化に触れることはもちろんあります。でもそれだけじゃない。クソみたいな扱いを受けて、アジア人女性だからと下に見られることも多々あります。人の言葉を聞けない人って、どこにでもいます。
詐欺に遭って資金面の安心がなくなり、人の聞けない大人の対応に心が擦り切れて、愛する友人や家族と離れて暮らすのは正直苦しかったです。

でもこの経験から得た学びを最後にシェアします。

① 世の中には本当に悪い人がいる。
② 人の話を聞けない大人に時間と思考を割くのは勿体無い。
③ 本当に辛い時は、頑張ってその環境に居続けなくてもいい。海外生活をギブアップしたって、私たちの存在意義は無くならない。

結果、予定の1ヶ月前にマルタ島をさりドイツに戻ることにしました。すでにマルタでの家賃は払っていて、帰りの飛行機のチケットもとっていましたが、新しくチケットを買い帰国を決めました。

人の話を全く聞けない大家さんは、いまだに私のデポジットを返してくれていません。正直、心残りなことばかりです。しかし、この経験がなかったら私はキラキラの海外生活の一面しか知らなかったでしょう。そして、自分の心がザワザワしている時、時にやばいシチュエーションにある時に声を聞くことの大切さを学ばなかったでしょう。いつかこの経験で傷ついた心とメンタルが復活して、この経験を思い出して笑い話にできることを信じて次のステップに進もうと思います。

皆さんも気をつけて、海外ライフ楽しんでいきましょう!
次はハッピーな投稿がしたいな〜🎶

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