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伝えられないありがとうをここで

私には子どもが三人いる。
ということは、私は三回お産を経験しているのだが、その度に妊娠出産は奇跡で、助産師という仕事の素晴らしさ、凄さ、ありがたさを実感する。

私の母は看護師をしており、小さい頃から母について病院に出入りすることもあった。そんな母の姿を見て、私は絶対に看護師にはなりたくなかった。人の命を扱う責任の重さ、夜通し働く大変さ、母の仕事を見ていて、看護師がいいと思うことはなかった。母が看護師をしていたら、憧れて看護師を目指す子が多いのに…と何回母に言われたことか。

そんな私は、仕事に責任を持って働くものの、命に関わるような職にはついたことがない。

しかし、自分が出産を経験し、その想いは変化した。人の命を守る仕事ってなんて素晴らしい仕事なんだろう。この人がいなかったら子どもは無事に産まれなかったかもしれない、この人だったから私は安心してお産に臨めた、など感謝の気持ちが尽きることはない。
悲しいことに、入院期間を終えたらもう助産師さんたちに会うことはない。だが、この感謝は一生消えることはない。私の胸に残り続ける。
そんな尊い仕事だったのだと、恥ずかしながら自分がお世話になってから気付いた。

私の人生経験で、小さい時にそのような場面に出会えていたら考え方が変わっていたかもしれないが、もういい年の大人になってしまった私には、その世界に挑む勇気はない。

だからこそ、医療業界で働いてる方には本当に感謝の気持ちが尽きない。

私の命を守ってくれてありがとう。
子どもの命を守ってくれてありがとう。
その気持ちをいつまでも大切にしていきたい。

お世話になった方に直接お礼を言える機会はなかなかないと思うので、ここで言わせていただきました。本当にありがとうございました。

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