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青山剛昌先生か、私か。勇気と根気のウエルカムボード。

嬉しいことがあったので聞いてください。いや、読んでください。

突然ですが、「末次由紀のひみつノート」のトップのイラストをご存知でしょうか。

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これ。

これはもっと大きく表示するとこうなっていて

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2年前私が書いたこのイラストは、結婚式のウエルカムボードでした。

その時の花嫁さんが、出産予定日を一週間後に控えた大きなお腹で会いにきてくれました。

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彼女との出会いは約15年前。前にTwitterで書いたことあると思うんですが、まあまた読んで下さい。

エクセルシオールで今と変わらずネームにうんうんと唸っていたら、「末次由紀さんですか・・・?」と高校生の女の子が声をかけてきてくれました。

そのころ持っていた自分のHPで「エクセルシオールでいつも漫画を描いている」と書いていたので、彼女はエクセルシオールに来る度に「いないかな?」と思って生活していたと言います。

そしたら、いる。なんか、いる。

ノートに漫画を描いてる人がいる。

少しだけ覗き込んだら、知ってる絵。

意を決して話しかけてくれた彼女は、なぜかカバンの中に私の単行本を持っていて、「ファンなんです・・・」と動かしようのない事実を以って(だって普通単行本持ち歩いてないですよね?発売日でもない限り)声をかけてくれて、

色白で細い女の子の目がキラキラしてて、こっちが小さくなっちゃうくらい光ってて。

私が光ってたわけじゃないと思うんですが、彼女の中の私を見る心が光っていたんです。

そこから私たちは友達になりました。

大学生になって、家を出て友達とルームシェアを始めて、会社に就職して、その中でもじわじわ責任のある地位に上がっていく彼女を、漫画を描きながら見ていました。

仕事で疲れながらもいつも綺麗な髪と綺麗な爪で、会うたびに私のアロマオイルでいてくれた彼女。

彼女は立派にオタクで、コナンが大好き。オタク趣味を理解してくれる彼氏を私の家に連れてきてくれた時には固く握手をしました。彼女が彼女のままでいられることを喜んで。

「由紀さん、結婚式をするからウエルカムボードを描いてくれませんか」

くると思ってたよーーーーーーーー!!

逆に、私が描かなかったら私がショックだよーーーーー!!

私の他でウエルカムボード描いていいのは青山剛昌先生だけだよーーーーーー!!!

そんなわけで、描いたんです。架空のコナン100巻を持ったウエルカムボードを。10月27日が挙式の日だったので、その日付も入れて。(青山先生、勝手に描いてしまってすみません)

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そんな彼女がもうすぐママになるんです。すごい。女子高生だったのに。品のいいオタクのまま、ママになっていく。

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友達になったけど、彼女は私の漫画のファンでもい続けていてくれて、いつもちはやふる基金のグッズを買ってくれて、漫画を読む目線は濃いオタクで、でも目の前に座っている時は一人の友達で。

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大好きな渋谷のパーラー大箸の牛タンシチューをダブルで食べて、ワクワクするドキドキするちょっと不安でもある未来の話をしたりして。

漫画を真ん中に置いて出会ったけど、一人の人間として私たちはまたこれからずっと友達でいるんだろうし、生活が大事になったって、漫画を手放さないできっと生きていくんだろうと思ったりしました。


私のマガジンをこれまで読んできてくださってる人は感じるかもしれません。「以前書いてた記事のファンの人との反応の違いは?」


私も今回、なぜ最初は単なるファンだった彼女と友達になれたのかを考えてみました。

その結果見つけた違い。

◆エクセルシオールで出会った後も、HPのメールや掲示板でさりげないレベルで話しかけ続けてくれている

◆コンスタントに、強くないくらいの圧力で長く「好きです」を伝え続けてくれている

ここです。
ここだ。
みんな、テストに出ます。
人生のテストに出るのはここです。

つまり、好きな人と親しくなる方法はここです。

自分の気持ちよりも相手のペースを優先して、「いつでも好きだから、何かあったら声をかけてね」という距離に根気強くいること。無駄かもしれなくても。

彼女には、最初に話しかける勇気と、その後も丁寧に押しすぎずに距離感を保ちつつ声をかけ続ける根気がありました。

出会うことの叶わなかったファンの人のなかにも、おそらくたくさん友達になれたはずの人がいると思うんです。ものすごく思う。「いつでも好き」といい感じの距離で見守ってくれる、お手紙くれたり言葉をかけてくれるたくさんの皆さんのことも、きっと近くで出会えたら友達になれたろう・・・!と思うんです。なんなら今日にでも一緒にランチに行きたい人のアイコンが脳裏に浮かぶくらい。

なのに、みんなと知り合って、ご飯を食べに行くには人生は短い。

悔しい。

だからこそ、せっかく出会えた女の子を大事に思うのかもしれません。

向かい合って「これ美味しすぎますね」と言いながら牛タンシチューを食べて、ママになっていくこれからの話をして、親戚みたいな気持ちになって。

毎年バレンタインに綺麗なチョコレートを持って会いにきてくれる彼女の未来が幸せであるように願うし、幸せでなかったら私が幸せにするくらいの気持ちでいるのです。

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しかし

「4月14日が出産予定日なんですけど、コナンの新作映画公開が4月16日なんですよ。産んだらすぐ行かなきゃ」

さすがだよ。

君も、青山剛昌先生も。


赤ちゃんに会える日が楽しみ。

!!!!!!!!!!!!!!

4/10早朝、お生まれにならはったーーーーすごい。おめでとう😂😂!


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