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異世界転生も妖怪もお化けも、ぜんぶ生が愛しいから


ポロポロと泣きながら2日にいっぺん「死んだらどうなるんだろう」という不安を口にするWちゃん(6歳)。
いろんな物語や考え方に触れ、死んだ後の想像もたくさんしてきたわたしには、その涙が遠く遠くに置いてきたアクアマリン色の裸石に見えました。

「死ぬことが怖い」
「自分がなくなるかもと思うと怖い」

生がありあまるほど溢れている若さがあってなお怖い。
それはとりも直さず「生きたい」というエネルギーに思えて、2日にいっぺんのその涙を受け止めようと必死です。

「もしママと一緒に妖怪になれなかったら、死んだ後の世界がなかったら、どうしよう。私はいつも神様にお願いしてるの。どうかママと私を妖怪にしてくださいって。なんでもいいけど、ママと関係ある妖怪になりたい。」

同時に死ぬくらいのイメージがあるのかなと思ったら、ママのことを忘れるくらい長生きをするつもりもあるWちゃん。
「死」が身近に感じられる幼児期と、体が成長して強くなり「生」に引き寄せられる少女期の、ちょうど真ん中で揺れています。



「ママをぎゅーって抱きしめられないから、手が短くて足りないから、ぬりかべはイヤなんだあ」
「2人でぬりかべになってサンドイッチみたいにくっついてたらいいんじゃないかな」
「それもいいね」

死後の世界があるといいね。生まれ変われるといいね。妖怪になれるといいね。

ぬりかべになれなくても、死後の世界で待ってるから
自分の一番好きな年齢の姿で、一緒に綿菓子を作って食べようね。

このちょっと前の記事を読んで、人は自分を強くするために柔軟にものごとを受け止めるのだ、それでいいのだと思った夜です。


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