朝の鐘

朝の鐘は鳴る
遠くで、ぼんやりと鳴る
風が吹いている
鐘の音をかき消すように
びゅうびゅう、吹いている

目覚めたばかりの私は、
横になったまましばらく
目を瞑って、その音を聴いている
風にかき消されながらも
確かに聴こえてくる、その音を

鐘の音は何を告げるのか、
 私に何を語ろうとしているのか、
私はあとどれくらい生きるのだろう?
 朝にはこうして目覚め、
 鐘の音を何度聴くだろうか…

朝の鐘は鳴る
遠くで、ぼんやりと鳴る
風が吹いている
鐘の音をかき消すように、冷たく
びゅうびゅう、吹いている

「朝の鐘」詩・山田正史

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