マガジンのカバー画像

46
詩のまとめです。
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

冬の雨の朝 豆腐屋の二階から もうもうと煙が吐き出され 横断歩道の上を 漂いながら流れていく…

空の穴

暗い空に 穿たれた 穴のような 月が出ている あの穴に 吸い込まれて この世界はいつか 消えち…

昨日、虹が出た。 一日中、雨が降っていた日の夕方、ほんのわずかな時間だったが、美しい虹が…

凪のようなものだと思う 幸福な時間というのは 不幸な事が起きるまでのわずかな時間、 その時…

何も意味はない

きれいな空も きれいな花も きれいな星も もう何も意味はない 私にはもう何も意味はない いや…

鈍感

お前は鈍感だ 鈍感ゆえに鈍感な言動を繰り返す 鈍感ゆえに人を傷つけたことに気がつかない 鈍…

沈黙

沈黙によって 語るしかなかった 言葉ではもうどのようにも 語ることができなかったから 現在の人々は沈黙から何も聴き取れない 沈黙の中にも語られていることがあるのに 言葉ではないもの、言葉になり得ないもの それらを全く感知できない 何も語らないことで語る もはやそうするしかなかった だから、わたしは沈黙した あなたの沈黙とともに 沈黙の中に語られている声 それは言葉ではない、意味ではない 存在しないが、存在する声 お前はその声を聴け、心を澄まして聴け わたしはまた語り始