冬の雨の朝
豆腐屋の二階から
もうもうと煙が吐き出され
横断歩道の上を
漂いながら流れていく

全ては煙のようなものだ
かつて確かに存在したものも
過ぎ去ってしまえば、夢のように思える
だんだんと薄らぎ、遠くなってしまう
誰もそれを掴んで止めることはできない

豆腐屋の二階からまた
次々と煙は吐き出されていく
そして、横断歩道で停止している車の上を
ゆっくり漂い、流れていく
ただ静かに、消えていく…


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