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#235 優秀な女性のポテンシャル

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

社会課題と言うと大袈裟に聞こえるようなものも含めて、自分が「こういうことが必要だ」とか「こういうことが自分は得意である」と感じるテーマに対して直向きに取り組んでいる女性の姿を最近立て続けに知る機会がありました。

スタエフでも、ぼんやり感じていたことをまずは話してみたのですが、文章でも、長年感じている考えを整理しておきたいので、記事にします。

「優秀な女性のポテンシャル」というテーマで書く前提として、以下3点をはじめに述べておきます。

・ジェンダー論を語りたいわけではない
・「優秀さ」の定義は時代に応じて変わる。各時代において、全体の供給量よりも需要が多いものは希少価値が上がるため「優秀」と評価されるはず
・「優秀さ」は、性差ではなく個体差による違いであり、性別関係なく優秀な人は優秀

関連するテーマとして、過去にこちらの記事も書いているので、ぜひご覧ください!

それでは、早速本題に入ります。


社会全体の潮流

まず、2024年現代において、多くの企業が目指す潮流として「社会課題解決と経済活動の両立」が当たり前になりつつあるのを感じます。
つまり、企業がビジネスとして社会課題解決に取り組むことで、売上と利益を追求していくという流れです。

これまでは、高度成長期における公害被害の拡大に代表されるように、企業が自社の利潤を追求することと、社会課題解決はリンクしないもの、むしろ環境保全に悪影響をもたらすもの、という考え方が一般的でした。

CSR(Corporate Social Responsibility)も、企業の本丸の事業活動と交わることは少なく、「このような社会のための取り組みもやってますよ」というアドオン的な要素が多かったと思います。

「衣食住」に関する一定の不安や不満が解決され、モノが飽和する時代となり、比較的若い世代を中心に「無限に売上を追い求めるのは無理がある」「社会に悪影響を与えてまで自社の利益を追求するのはダサい」「地球や人類の持続性が重要」という価値観が広まってきて、ビジネスの本丸として「社会課題解決」や「地球環境の保護」を持ってくる企業が増えてきています。

もちろん、共感されやすいビジョンを「課題」設定して、世界的な潮流を作るのが得意な海外諸国の影響を受けている部分もあるでしょう。

いずれにせよ、これまで困難で両立できないものと考えられていた「社会課題解決と経済活動の両立」が各企業や地域に求められ、そこに情熱を注ぐことができる人、そのようなアイデアを構想できる人の価値が高まっていることを感じます。

まだ少ないものの、増加傾向にある女性経営者

帝国データバンクの調査によると、2023年の女性社長比率は全体の8.3%、資本金が1,000万円以下の小規模事業者では9.2%となっており、全体の10%に満たない状況を考えるとまだまだ少ないものの、確実に増加傾向にはあります。

2023年11月29日 帝国データバンクのプレスリリースより
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000778.000043465.html
ソースは同上

この傾向は、全体として女性の社会進出が進んでいる面もあるのでしょうが、「女性の方が自分の信念を信じたり、この事業はきっと他の人にとっても良いものだから取り組むべきであるという使命感や熱意を感じて、自ら事業を興す人が多くなってきているのでは?」という仮説を持っています。

そしてズバリそういう人の方が、「社会課題解決と経済活動の両立」が求められる時代において、より存在価値が高いと考えています。

女性活躍は、「量」の話でなく「質」の話

よく労働人口問題の論点は、全体の人的供給制約の解決を図るために、現在仕事を継続することができていなかったり、時間制約がある女性の労働力をどう活用するかという「量」の議論になりがちですが、私はこれは女性に対して大変失礼な話だと感じています。

女性活躍の論点は「質」にフォーカスされるべきであり、それは「女性ならではの視点・感性」という話ともちょっと違うのかなと考えています。

では何なのか?というと、これまでの日本の産業界の構造が生み出している、個人の「社会性」という視点の有無です。

社会課題解決と経済活動の両立との親和性

日本の産業界においては、特に高度成長期に「やればやるほど成長する」という状況が生み出した「24時間働けますか?」精神により、女性が企業のメインストリームど真ん中で活躍する、というのがやりにくい環境が長く続いてきました。

「結婚」や「出産」といったライフステージの変化をきっかけにして、一度企業活動から離れる人がどうしても女性側に多くなりがちです。しかし、企業活動から離れた女性は、育児で保育園を利用するためのやり取り等を通じて地域や行政との関わりが発生するため「社会」に対してアンテナが立ちやすいと考えています。

また、「会社」というある意味狭い価値観から一度解放されているので、また「仕事」の場に戻ってきた時に、より社会通念や会社の理論に囚われない大胆な発想を持ちやすいと感じています。

以前の職場で、産休・育休から復帰した先輩社員が物凄くパワーアップされていたことがあり「全く予想ができない2歳児の相手をしているよりも、部長の相手をしている方がよっぽど楽」と笑いながら言っていたのが非常に印象的でした。

現在の日本をマクロで見れば、まだまだ男性の方が会社人間が多く、今のメインストリームにいる人たちが仕事の前線から離れた経験が多いかと言われるとそうではないですよね。
会社のために何十年も献身してきた人が多いので、男性の方が社内のしがらみや忖度に囚われて、自由さを失いがちと感じます。

このように一般的には、女性のほうが一度職場から離れて行政や地域と関わりを持つことが多く、またマイノリティが故に感じる苦しみや生きづらさに直面する機会が多いと考えています。また、再び仕事を始めた時に、「組織のしがらみ」から解放され、より大胆に動くことができる。

このあたりが「社会課題解決と経済活動の両立」という、新しいテーマに対して親和性が高いと感じているのです。
そして、社会課題解決に必要なイノベーションの幅を広げるためには、社会のど真ん中の常識に囚われていない人のビジネスの総量をいかに増やせるか、にかかっています。

育児と仕事の両立は、途轍もないことを実現している

育児と仕事の両立に必要なエネルギーは凄まじく、物理的に限られた時間の中で成果を出さないといけないし、仕事が終わっても家事と育児で休む暇もないので、明らかに毎日の生産性が高いと思ってます。「定時までの時間で終わらなかったら、1〜2時間残業してカバーすればいいや」というのが本気で通用しない世界で日々闘っています。
共働きで、育児をしながら仕事をしているという事実だけでも、毎日奇跡を繰り返していると言っても過言ではありません。

最近の20〜30代くらいの世代であれば、自らも家事・育児を行う男性も増えてきています(少なくとも、自分の周囲ではそう)し、結婚しない・子どもを持たない選択をする人も増えてきてますから、性差によるこのような傾向は縮まりつつあるとは思います。

それでも、まだまだ人口のマジョリティはそうではない側面も多いので、今この瞬間を切り取って観察すると、「社会のメインストリームでないところの課題に気付いており、会社の中の価値観から解放されて自分の信念ドリブンで動いており、既に高生産性を実現している」女性は、非常に優秀な方が多いと感じている、という私見でした。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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