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セメントのお手伝い

今日は、北海道から帰る前日だ。

今日の昼間は祖母のお手伝い時間だった。畑の土を耕すことや、祖母の家の玄関のコンクリートの割れ目を埋めることをした。

玄関横には車庫があるのだけど、その辺りもひびわれていたから、その部分も補修した。補修はセメントでやる。

日常生活で、なかなかセメントに触れる機会はない。泥のようなのに、乾くと固まるのだから驚きだ。ひび割れを埋めて段差を無くすように、ヘラとかスコップを使った。

すると、祖母の向かいの家の人が話しかけてきた。祖母の友だちのようで、祖母は仲良く話していた。

そもそも、祖母はかなりおしゃべりだし、コミュニケーション能力が高い。すぐに友達ができていたりする。

ぼくも、向かいの家の人から話しかけられた。父と二人でせっせと、セメントを埋めて、ならして、をやっていると「えらいねぇ」なんて言って、笑っていた。

そんなセメント作業だけど、マンション暮しをしているとなかなか縁のない作業だからか、楽しかった。

申し訳なかったのは、ゾウリムシたちだ。埋まっていくコンクリの周りをウロチョロしていて、家が埋まっていっているのを見ている感覚なのかもしれないと、勝手に想像した。

暮らすためとはいえ、住処となるコンクリの隙間を埋めていくことに、申し訳なさを感じた。

とはいえ、どうしたら限りあるセメントでうまく穴を埋めていくかを考えるのは楽しかったし、手を動かして作業するのも面白かった。

普段やらないからこそ、楽しめる作業。それが、セメント塗りなのだと思う。

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