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SEO記事を書くときの、キーワードの作り方を網羅。14の切り口とキーワード候補ツール、そしてAIの利用について。

コンテンツSEOの中で中核を占める、SEO記事。
自社サイト上にある記事を、適切な形で検索結果の上位に表示させることができれば、集客に大きく貢献してくれます。

しかし最も難しいのは、「どのような記事を配置すれば効果的なのか?」という点です。
昔のように、粗製乱造でGoogleを騙せた時期であればともかく、現在では品質重視、信頼性重視の記事が上位にランクされるため、記事制作のコストは決して安くありません。

したがって「どのような記事を書けばよいのか」については、頭を抱える人も多いのではないかと思います。


また、殆どの場合において、検索の上位はすでに、先行する企業や、ドメインの強い大企業に占められてしまっています。
そういうサイトの記事は、ある意味では極めてクオリティが高いわけではないけれども、「無難」「網羅的」に書かれており、同じようなことをしても、検索上位に自分たちの記事を食い込ませるのはそうかんたんではありません。

ですから、後発で戦いを仕掛けていくには、先行する企業に対して「ちょっと変わった戦い方」を仕掛けていく必要があります。

後発が「競合が強いキーワード」をいきなり狙うのは無謀

実際、様々なサイトの記事を手掛けて特に感じるのは、後発が正攻法によってキーワードツールを頼りに、キーワードを選定し、記事を書いていくのは、かなり無謀な試みだということです。

というのも、キーワードツールに表示されるような、購買に直結するキーワードは競合が多いがゆえに、良い記事をあげてもすぐに真似されてしまいます。
また、すでに先行する記事はかなりのボリュームになっており、読者の利便性などを考えると「これ以上コンテンツを付加する」のが難しいことも多いのです。

例えば、「新卒採用 支援」という、お金になりそうなキーワードを見てみましょう。

月間の検索ボリュームは約50と小さいですが、広告を出した際のクリック単価は1570円です。

問い合わせのコンバージョン率をクリック数の1〜5%としても、問い合わせの獲得単価は15万円〜3万円の間で、結構高く付きますので、できれば、SEO記事をヒットさせたいところです。


そこで、検索をかけてみると、2023年3月8日現在、1位はネオキャリアのサービスページとなっており、これは記事ではありません。

そこで2位に目を向けると、これはwantedlyが運営するメディアの記事で、タイトルは
「新卒採用サービス117選を比較|種類別に特徴・実績・費用感を解説」
となっています。

この記事は完全にSEO対策に特化した記事です。
記事のボリュームがそもそも2万5千字を超えており、かなり大きいので、人が見るためのもの、というよりは完全にGoogleのために書かれた記事だと分かります。

実際、以下のスクリーンショットを見てもわかるように、単にこのページに来た人に対して、右のサイドバーにあるwantedlyの資料ダウンロードを誘引するためだけの記事なのです。

しかし、記事の網羅性や、ドメインの強さからして、このページに勝つSEO記事を作るのはかんたんではありません。

また、3位以降にも、「比較28選」「採用支援とは?」「61選」「11社比較」など、同じようなSEO記事が並んでいます。

なお、検索結果に出てくる記事自体のオリジナリティや、コンテンツの質は、どれも皆、似たりよったりで、それほど高くないですから「新卒採用 支援」というキーワードで上位を取るのは、「質」ではなく、「ドメイン」と「記事のボリューム」の勝負であることがわかります。

後発が「競合が強いキーワード」をいきなり狙うのは無謀だということが、これだけでもよく分かるでしょう。

後発の取るべき、SEOのキーワード戦略とは

したがって、後発の取るべきSEO戦略は、「最初から競合が強い記事で上位を狙う」ではありません。

ではどうするか。

弱者の取るべき戦略は、昔から用兵について言われるように、相手の守りの弱い点(スモールキーワード、ミドルキーワード)をついて周囲から「各個撃破」をし、最後に相手の主力(ビッグキーワード)を包囲殲滅するというものです。


例えば、「新卒採用 支援」という記事を無理に上位表示させようと頑張るよりも、競合が弱い「新卒採用 難しい」という記事を書いて、上位表示させるほうが、遥かに簡単です。

実際、検索してみると、上位には「個人ブログ」「中小企業の記事」が並びますから、競合は「新卒採用 支援」よりも遥かに弱いのです。

しかし一方で、検索ボリューム自体は40もあり、数だけで言えば「新卒採用 支援」に引けを取りません。

このように、少しキーワードで「迂回」して、競合が記事を作っていないゾーンを攻めるだけで、上位表示を狙うことが格段にかんたんになります。

これを繰り返し、「新卒採用」というキーワードの周辺10個、20個、50個と抑えてしまえば、十分ドメインが強くなっていきますから、最終的に「新卒採用 支援」でも、競合と戦える強さが得られる、という具合です。


もちろんこれは、昔から知られていた事実であり、とくに珍しい考え方ではありません。
では、なぜそれをやる企業が少ないのでしょうか。

「キーワードの周辺を取る」には、それなりのアイデアが必要

それは、一言でいうと「キーワードの周辺を取る」には、アイデアが必要だからです。

たとえば上で挙げた「新卒採用」「新卒」の周辺キーワードを50個、具体的に出してください、と言われたとき、それを実行できるか、という話です。

キーワード調査を行い、ターゲットとなるユーザーとその検索意図を組みながら、関連性の高い話題をあげてください、と言われたら、まず「面倒だな」「どうやればいいかな」と思うのではないでしょうか。

そこで、本題です。
「競合が多い分野での、後発が行うべき、具体的なキーワードの設定方法」
とは、具体的に、どのような手順によってなされるのか。
それを、順を追って、以下に説明いたします。


競合が多い分野での、後発が行うべき、具体的なキーワードの設定方法

通常、キーワードの設定は「キーワードの検索回数の調査」から行いますが、後発企業が行うべきは、回数の調査ではありません。

すでに述べたとおり、検索回数の大きなキーワードは、先行している企業があらかた、すでに記事を作ってしまっているからです。

後発企業が狙うべきキーワードは、大きな検索回数を持つキーワードではなく、ロングテールキーワードです。
ロングテールキーワードとは、より長く、より具体的なフレーズで、より短く、より一般的なキーワードよりも競争力が低いキーワードのことです。


なお余談ですが、検索回数や、キーワードで上位を取る難易度を調べなくて良い、というわけではありません。

この手法でも、最終的にはUbersuggestや、キーワードエクスプローラなどのキーワードツールなどを使って、それらの調査を行うことは必須です。
やらないのは「ボリュームからキーワードを考えていく」という順番のことです。

では、どこから手を付けるのでしょう。
ここがアイデアの出しどころですが、まずは、以下に挙げた、14個のキーワードの切り口から手を付けるべきです。

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