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I Don't Want to Miss a Thing

「何一つ見逃したくない」という話をしたいと思います。皆さんは、エアロスミスというアメリカのロックバンドを知っていますか?彼らの代表曲「I Don’t Want to Miss a Thing」。映画「アルマゲドン」の主題歌なので、聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。以下がサビの歌詞で、心を打たれます。

Don’t wanna close my eyes(目を閉じたくない)
I don’t wanna fall asleep (眠りに落ちてしまいたくない)
Cause I’d miss you baby(なぜならあなたが愛しいから)
And I don’t wanna miss a thing(そして何一つ見逃したくないから)

この曲で歌われている「baby」の対象は主に二つ考えられます。一つは恋人、もう一つは子供です。違う人を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、いずれにしても愛しい人であることは間違いありません。

さて、私には二人の娘がいます。長女は5歳で次女は0歳です。先日5歳の娘と藤井風のライブをYouTubeで観ていたら、こんなことを聞かれました。

「ねえパパ、私と藤井風どっちが歌うまい?」

私は自他ともに認める親バカですが、こればかりはさすがに藤井風です。

「う~ん、両方とも上手だけど、やっぱり藤井風の方がちょっとうまいかな?」

と私は答えました。その後すぐに、娘の様子がおかしくなりました。必死に涙をこらえています。

「ねえ、本当はどっちがうまいかな?」と今にも泣きそうになりながら、また聞いてきます。

「もちろん○○ちゃん(娘の名前)だよ!」と私は答えました。

最近このパターンがとても多いです笑

「私と○○ちゃん、どっちがダンス上手?」「私と××くん、どっちが足速い?」「私と△△ちゃん、どっちが絵が上手?」

○○ちゃん or ××くん or △△ちゃんと答えると、同じことが繰り返されるので、最近は「両方ともすごい!」と答えるようにしています。そうすると「どっちが一番すごい?」と聞かれるので、「両方とも一番すごい!」と答えています。なんだそれは笑

娘とそんな話をしながら、私は思いました。「うちの父親は俺のこんな顔を見たことがあるのだろうか?」と。私は三人兄弟の長男で、父親が若い頃に生まれています。まだまだ長時間労働が当たり前の時代でした。父親は私が起きる前に会社に行っていたし、寝た後に帰ってきていました。私の多くの表情や言葉を見逃していたでしょう。そしてそれは父親のせいではなく、当時の社会や、テクノロジーのせいだと思っています。

今私たちは、かつてないほど発展した世界に暮らしています。その発展の大きな理由が、「半導体の進化」です。半導体は電気が流れるもの全てに使われています。あなたがこの記事を読んでいるスマホには、190億個のトランジスタが入っています。PC、イヤホン、スピーカー、クルマ、電車、LED、見渡す限りほぼ全てのものに半導体は入っていて、その半導体は日々小さくなり、高機能になっています。

私はこれからも、娘のすべての顔を見逃したくありません。喜ぶ顔、悔しい顔、泣きそうな顔、誇らしい顔、澄ました顔、最高の笑顔。一つも見逃したくないです。

そして、私は世界中の人も同じであってほしいと思っています。愛する人のすべてを見逃してほしくないのです。それは「トナリ」にいる時間を増やすことで実現できます。だから私は、トナリズムという会社を起業し、半導体ソリューションを軸に世界を進化させたいのです。

自分にとって大切なものを見逃さないように、これからも毎日を大切に生きていきたいと思います。