可視化の合間に、やっていること
グラフィックレコーダーという可視化な仕事なのに、そういえばこのnoteには可視化している時じゃなく、その合間のことをつらつら書いているなあ。描いている時の姿はそれぞれみてもらえているけれど、その合間…今回は、描き中ではない迷いながら創っているさまを、過去からから拾いつつ書いてみようかと思います。
※こちらは「グラフィックレコーディング Advent Calendar 2020」に参加している記事です。
1.描いては振り返り、振り返っては描く
私は、趣味かと思うくらい描いた後の振り返りが好きです。現場に出たら一人では必須、もしチームで実施したことならチームで振り返りの場は必ず持ちたいのです。
振り返って、まずはひたすら落ち込むのです。仲間の描きの中でいいなと思うところがあれば、悔しくて自分と比べてしまって、さらに落ち込む。現実を見るのは辛いけど、これがたまらなく快感でして。実はこうしないと次の描きへのエネルギーが出ない。
その後、やっと自分の描きに向く。エネルギーがでてくるのです。つくづく自分でも面倒くさいなと思う。
2.感情を可視化するときに、どこに注目するのか
心動くことがあれば、絵に描いてみることもしばしばしてみています。小さな心の動きとか、ふと思ったこととか、なぜだかちっぽけなことがとてもしっくりくる。こうして丁寧に心を見つめてビジュアルにしてみる。これが、仕事でグラフィックに変換するときに効いてきている…と思いたい。
例えば、子どものお客さんの、きらきらな視線で心動いている。これしきのことで。こんなの日常茶飯事かもしれないけど、この子の生き生きした様子はこの一瞬しかないものだから。
日常の人との会話でも心動く。頭でぐるぐる咀嚼することだって、題材になるなと。本当に、ただの日常会話なのに。
時には、趣味な絵本のことでも描きます。るんるんで描いているのが伝わっていたらいいな。ただ好きなことをまとめているだけのものです。
3.考えたり振り返ったりした、その先に
グラレコをネタに、もはやグラレコとか関係なくなってきて、単に自分の場に向かう姿勢を考えている時もあります。自分って何なのとか思っている。これが、現場の描きに効果的かは…不明だけれど、これがあるからぽんと人前に出られているような気もしています。
ストレスを感じることももはやご褒美なのかもしれない。こうやって考えていることが、例えばある日突然降ってくるチャンスに、鈍感にも飛び込めるメンタルにつながっているのかもしれない。
自分らしい世界観ってなんだ?と思うけれど、結局はやってみた後に溢れ出るものなんだろうかとも思っているので、やっぱりひたすら描くしかないのかな。
4.単なる情報から、コンテンツにできるか
そうして飛び込む日々の描きお仕事について。趣味ならいいけれども、お仕事として人に役立つものにするには、カケラを情報として扱うだけにとどまらず、その後にコンテンツにせねばと思うところ。別仕事のNewsPicksというメディアに今はいることもあり、コンテンツって何?と思考することもある。竹村さんのこのメモがまさに、と感じています。届くというより、ここまでしないとという感じ…。
こちら↓はグラレコではなく、じっくり内容を検討してビジュアル化したスケッチノートです。リアルタイムで描いていくグラレコは、コンテンツなのかと悩むところもある。あえて、コンテンツにしていないところがある。スケッチノートは、全体を見た上で必要なところを整理し、ビジュアルにしているのでコンテンツかなと思う。グラレコはグラレコでしかできないことがあるからなあ。またぐるぐる。
描きそのものだけではなく、例えば、ツール…「新しくリリースしたIllustrator iPad版を使って描く」ということ自体をみせることもコンテンツなのだろうか。大舞台のカンファレンスAdobe MAXで6作描いた体験は、なかなかない体験ではあったので震えたけれど。こんな表現もあるのだとお知らせする役割もあったかと思うが、もがいている…。これもコンテンツか?
描きだけでなく、番組のコンテンツ作りを体感したのは、地上波テレビでの場でした。番組中の議論のグラフィックレコーディングもするが、事前の情報整理としてのスケッチノートもしたし、チラシ作りもした。チラシをつくるにあたっては相談時点でもグラレコを活用している。
さんざん手を動かして、実際に放送に使われたのは一部。でもこれは描きだけではなく番組中の他のトークなども同じであること。本当に難しい。様々な要因が絡まる中、それでも活用はかなり検討してくださったのではと思います。
そういえば、どなたか存じ上げずですが、こんなまとめも作ってもらえて、びっくりしたこともありました。テレビってすごい。これはある意味可視化だなと思うわ(違う部分も結構ありましたけれど笑、よくぞここまで私の情報を各地から拾って書いてくださったなと!)ありがとうございます!
5.描いていない時の過ごし方こそ、描くってことなのかも
結局、描くには、さらに貢献できるコンテンツとして描くには、すべては描いている時間よりそれ以外の過ごし方こそ重要だし、育みの時間なんだろうなと思うに至ります。やはり日々、なんなら24時間修行なのだな。
コロナ禍を駆け抜けた1年。リアル場からオンライン描きへ大部分がうつった2020年を経て、もうすぐ2021年へ。私は描きで何の貢献ができるのでしょう。ひとつわかっているのは、変化するニューノーマルな生活が新たに生まれ続ける世界で、これからもずっともがきながら描き続けるのは決まっている。
人をしあわせにする描きをしたい。だから、描いていない合間も、引き続き大事にするぞ、と思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
読んでくださりありがとうございます! サポートいただける方がいらっしゃいましたら、嬉し泣きします。絵を描く材料や道具にあてさせてもらいます。