夫婦の「夫」は工夫の「夫」？
結婚して12年。
夫婦仲はまぁまぁだ。
年々お互いの怒りポイントもわかってきて、
ケンカもしなくなってきた。
例えば私の怒りポイントは、
リビングが破茶滅茶で台所の流しに五重塔のような食器が積み上がっているのにも関わらず、夫が寝転がりながらハーゲンダッツを食べながら、
更に水曜日のダウンタウンに出てくるクロちゃんにうはうは笑っている時。
スーパーサイヤ人になったベジータのように怒りが湧いてくる。
しかし
夫は私の怒りポイントを熟知してきており、そのギリギリラインまでは攻めるが、決定打までは打ってこないという絶妙なやり口を最近になって習得している。
例えば
ある夜はいつものように流しは五重塔、
リビングはぐちゃぐちゃ。
私は末っ子の娘を寝かしつけていた。
ようやく娘がスヤスヤ寝てくれ、
長男次男も寝たため、
ここからが片付けタイム＆自分のうふうふタイム。
片付けタイムが早く終われば自分の時間も長く取れるため、ここはさっさと家事を終わらせたい。そして読みかけのまじかる☆タルるートくんや、こっそり買っておいたモンテールのシュークリームをばくばく食べたい。
なので理想は私が寝かしつけている間に夫が全て終わらせてくれることなのだが、
夫は帰りが遅めなので、
娘の寝かしつけタイムの頃はだいたいお風呂でさだまさしを歌っている。
風呂場と寝室が近いため、私と娘はエコーのかかった、さだまさしを毎晩寝しなに聞いている。
それがたまに玉置浩二になったり、森山直太郎になったり。
機嫌が良い時なのか悪い時なのかはわからないが、たまに永ちゃんにもなる。
夫は私が娘を寝かしつけてリビングのドアを開けたときに、
家事がめちゃめちゃ溜まっている
✖︎
夫がリラックマ並みにリラックスしている
のコラボの構図を見た時に私がキィぃぃぃーー！するのがわかっており、
そのギリギリのやり口として、
「腕まくりをしとく」というやり方を最近実践しているように思える。
夫は台所の流し付近で腕まくりをして立っているのである。
しかし、洗い物は全くしておらず、テレビに夢中になっている。
が、「今からやりますよ〜」と言うサインの象徴として、腕まくりをしているのだ。多分。
しかし、腕まくりから、実際に洗い物を開始するまでが長い。
おい、夫よ。
腕まくりはいいから早く皿を洗ってくれ。
腕まくりって、気合いを入れる寸前にやるものではないのか。
そんな腕まくりアピールはもうやめなさい。
今すぐに。今すぐに皿を洗うのだ！
そして私が
「ねぇ…」
と一言声を発しようとする瞬間に
「ジャーーーー」
と洗い始めるのだった。
なんというギリギリのライン。
私の怒りボルテージが100になった時に夫に怒るとしたら、
夫は99.9の時に家事を始めるのである。
それを察知する能力に非常に長けている。
これが結婚生活12年で得た、最も優れた夫の能力とも言える。
昆虫が敵が来たときに、瞬時に周りの草と同じ色に体を変色させる行為のようではないか。
他にも。
夫はゴルフに行く。
朝早いのでゴルフ仲間のうちに前泊していくのだが、
「ゴルフ」という単語に私がいつもいい顔をしないのがわかっており、
「ゴルフ」という単語を発する前、もしくは直後に私の大好きなハーゲンダッツ抹茶味を買ってきてチラつかせている。
これぞまさしく
「ハーゲンダッツ抹茶味DEゴルフへGO！作戦」だ。
それ以外にも
「佐藤商店のカニクリームコロッケDE1人温泉へGO！作戦」などもある。
書いてみると、私はただの食いしん坊ではないか。
食べ物に釣られて夫の全てを許しているなんて。
悔しい！悔しすぎるぅぅぅ！
と、このようにして夫は私の様々な感情センサーを熟知し生活している。
このセンサーは結婚生活には欠かせないようだ。
このセンサーが壊れてしまったらきっと我が夫婦もすぐに壊れてしまうだろう。
ポキっと
ちなみに夫だけでなく、
私もかなりセンサー感知能力は高いと思う。
それはこちらの記事に書いてあるので良ければ。
こうして我が家はお互いのセンサー感知能力によりなんとか夫婦の危機をすり抜けている。
ふ〜あぶね〜
毎日一緒にいるのだから、
毎日情熱的に話し合う。
なんてことはやってられない。
時にイイカゲンに、時にテキト〜に、
そしてたま〜にマジメに。
そして
料理に塩をひとつまみ、まぶすように、
小さな思いやりをひとつまみだけまぶす。
おしりふき買ってきてくれてありがとう とか
肩揉もうか とか
それだけで案外うまくいく。
正直に言うとうまくいってるのかは不明だが、
夫婦がいい塩梅になってゆく気がするのだ。
夫婦の「夫」はオットでなく、
工夫の「夫」ではないかと思う今日この頃。
今日も思いやりをひとつまみ。
ひとつまみだけで良いので。
おしまい
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