見出し画像

瞑想で大事な意識するとは

世の中では、とかく何をするにも「いいか悪いか」で判断されがちです。けれどもこと瞑想に関する限り、いいとか悪いとかいうことはありません。それにはもっともな理由があります。瞑想を別の言葉で説明するなら「意識すること」です。したがって意識していないなら、あなたは「悪い瞑想」をしているのではなく、まったく瞑想していないのです。

著書:頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる

瞑想とは、意識することです。
この意識するとは、感覚のことなので説明が難しいですが、私は「注意を向ける」だと思っています。

例えば、体の痛み、かゆみ、しびれなど感じていることに注意を向ける、注意を向けたら痛みの強さや、変化を感じることができます。
それを意識している状態、だと思っています。

しかし!
しかしですよ!

あえて瞑想なんてしなくても、痛みやかゆみなど体の感覚を感じているのではないでしょうか?
つまり、瞑想なんてしなくても、感覚を感じているので、それは瞑想と同じことなのではないか?

たしかに瞑想をしなくても、感じています。
でも、それと瞑想は違います。


なぜ瞑想をするのか?


体の痛みやかゆみなど感じていれば、意識はできています。
しかし瞑想とは、その意識する強弱を学ぶことです。

これがすごく大事です。
「意識する強弱を学ぶ」

詳しく説明します。


たしかに、瞑想をしなくても体の状態を感じています。
しかしそれは感じているだけで、例えば痛みはどれぐらいなのか?、痛みに変化はあるのか?、どんなときに痛みが現れるのか?
こういったことは、「注意を向け続けていないと感じることはできません。」

ここが大事です!

「注意を向け続けていないとより意識することはできない。」

瞑想をする目的は、この「意識して注意を向け続けられるようになる」ことです。
つまり長い間、意識していられるスタミナをつけるのが、瞑想をする理由で、毎日しなければならない理由です。

なぜ意識することが大事なのか?


それは考えることに自分を乗っ取られないようにするためです。
私たちの頭の中では、つねに考え事をしています。
アメリカで行われた心理学の研究によると、1日に約6万回の思考をしているそうです。
そして、その考えている内容で、感情が大きく変わります。
嫌なこと考えれば憂鬱な気分になり、楽しいことを考えれば良い気分になります。

なので、ポジティブ思考にならなくちゃって思うんですね。
ポジティブ思考なら、こんな嫌な気分にならなくて済むのに!って。
しかし!
どれだけポジティブ思考をしても、嫌なできごとがあったら、ネガティブな事を考えてしまいませんか?
また、嫌なことがなくてもネガティブなことを考えてしまいませんか?
ポジティブ思考になろうと思っても、ネガティブな考えって、でてきちゃいませんか?

そうなんです!
もう、ネガティブなことは考えないぞ!って誓っても、ネガティブな考えは浮かぶんです。
それは、あなたがネガティブ思考の持ち主で、とてもひどい人間だからではないんです。
そんなの関係なく、いろいろな思考が浮かぶんです。
だって、1日に約6万回の思考が浮かぶなら、その中にネガティブな考えだってあって当然じゃないですか。

なので、私たちができることは、ポジティブ思考になることではなく、楽しい考えをしていても、嫌なことを考えていても、その考えに巻き込まれないようにすることしかできないんです。


瞑想で身につくこと


意識するとは、注意を向け続けていることです。
嫌な考えが浮かんだときに、さらに考え続けるか、どんな嫌なことを考えているのか意識するのは、大きく異なります。
でも、思考はしつこいです。
嫌なことを考えていると気づいても、なんでこんな嫌なことを考えるのかと考えれば、同じように思考に巻き込まれます。

瞑想するのは、考えをなくすことでもなく、嫌な考えが浮かばないようにするのでもなく、考えが浮かんでも、ただただ傍観者として眺めていられるようにすることです。


瞑想中は、ただ何かに意識を向けている傍観者として、そして瞑想を続けることで常にその感覚を身につけられるようになります。


なので、
瞑想をすると、思考に巻き込まれず傍観者としての感覚が身につき、感情をコントールできるようになる。
・毎日瞑想するのは、常にその感覚を維持するため。
です。


めっちゃ大事な意識する力


瞑想をするのは、「傍観者としての感覚を身につけ、それを常に維持すること」
これが分かって、ようやく「瞑想で意識する強弱を学ぶ」を説明できます。

瞑想をすれば、思考に巻き込まれず傍観者としての感覚はわかると思います。
瞑想を続けると、どれだけ色々な考えが浮かんでも、呼吸などに意識を向けることで、
・嫌な考えでもそこから離れることができる
・考えが浮かんでも、呼吸に意識を向けることができる
ということが、分かり思考の傍観者でいられます。


しかし、常にその感覚を維持するためには、毎日瞑想が大事です。
それは、意識するスタミナを身につけるためと、もう一つ大事なことがあります。
それが、「意識する強弱」です。


注意を向ける力を強くすれば、長い間意識し続けることはできません。
呼吸に全ての注意を向けて頑張ろうとすると、頭痛がしたり、疲労します。
そんな状態で意識し続けられません。

また逆に、注意を向ける力が弱くなれば、意識ができません。
呼吸に意識を向けることを忘れ、思考に巻き込まれてしまいます。

つまり、ちょうど良い意識の力を知らなければ、思考の傍観者を続けられません。


本当に瞑想が必要なときって・・・


時間をとって、静かな場所で瞑想すれば、思考に巻き込まれずに、注意を向け意識し続けられます。
しかし、心をコントロールしたいときは、そんなリラックスできるような環境ではなく、本当に辛い状況の時ではないでしょうか?
本当に辛い状況のときに心をコントロールできなければ、瞑想をする意味もありません。

瞑想の効果を知ると、辛い時にこそ思考から離れ、瞑想状態になりたいと強く思います。
そんなときに瞑想をすると、どうなると思いますか?
めっちゃ頑張って、呼吸に全ての注意を向けようとします。
力が入りすぎちゃうんです。
でも、瞑想は頑張るほど、いつもの瞑想状態になれなくなるんです。
瞑想をすることで、さらに辛くなるんです。
いつもの瞑想状態になれない!って。


瞑想で大事なのは、辛い思考から頑張って離れることではなく、いつもの瞑想をすることなんです。
リラックスできる環境でする瞑想を、大変な状況でもすることなんです。


いつもの瞑想はリラックスしてる?


頑張ってやるのは、瞑想ではありません。
ちょうどよい瞑想とは、リラックスでき、肩の力が抜けて、色々な考えが浮かんでもそれに巻き込まれず、呼吸に集中できます。

なので、この「ちょうどよい」を見つけるのも、毎日瞑想する理由です。

毎日やれば、リラックスできる瞑想を身につけることができます。
これは、本番でこの状態を発揮するための練習です。
本番とは、本当に辛い状況のときでも、瞑想でリラックスするために普段から練習するんです。

本当に辛い状況のときにするのは、いつもの瞑想です。
普段のリラックスできている瞑想をすることなんです。

スポーツでもよく言うじゃないですか。
本番でもいつもの力を発揮するって。

それは、本番になると不安になったり緊張したりして、力が入りすぎるからです。
頑張るぞ!って気合いを入れると、力が入って空周りしちゃうんです。
だから、本番では練習でできていることを発揮するだけ。

瞑想も同じです。

本当に辛い状況の時に、頑張って瞑想するぞ!って気合い入れると、力が入って空回りします。
本当に辛い状況の時にこそ、いつもの瞑想を思い出し、力を入れすぎず、ちょうどよい瞑想が必要になります。
そのちょうど良いっていうのは、毎日やるから分かります。
毎日瞑想すると、本当に辛い状況の時に、力が入りすぎているのも分かります。

頑張らないのがよい瞑想


瞑想に良いも悪いもないのですが、瞑想しているときの良い状態になるには、頑張っちゃいけないんです。
皮肉にも、真面目に一生懸命に瞑想するほど、瞑想の効果を得られません。

瞑想とか、マインドフルネスの本を読むと、こんなに良い効果があるのか!?と思って、頑張っちゃうじゃないですか。
でも、それで失敗します。

もっと瞑想の効果を得たい、嫌な考えが浮かばないように一生懸命にやろう!とすると、必ず失敗します。
なぜなら、どれだけ瞑想しても、嫌な考えは浮かぶからです。

ある意味瞑想とは、思考はコントロールできないという諦めです。
嫌な考えは浮かんでしまうから、せめてそれに巻き込まれずに、良い気分で生きるための方法です。


瞑想は良いですよ!これは断言できます。
自分を責めることがなくなります。
正直にいうと、瞑想してても、イライラしますし、他人に冷たい態度をとってしまいます。
瞑想する前は、なんであんなことしちゃったんだろう、なんで自分はこんなこと考えるんだろう、あの人が悪いからこんなことしたんだ、って考えてました。
嫌な考えって、とめどなく出てきますからね。

たぶん、こういう考えって、出てくるものなんじゃないですかね。
こうした考えと、うまく付き合う方法が、瞑想だと思っています。
心をコントロールするとは、ポジティブになることではなく、嫌なことを考えてしまっても、悪化させないようにすること。

気づいてなくても、小さな幸せってあると思うんです。
でも、嫌な考えに巻き込まれていると、それが見えなくなるんです。
だから、生え続ける雑草のような考えを取り続けて、小さな幸せを見過ごすことがないように生きれば、少しづつ今の環境が良くなっていくんじゃないかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?