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【読書記録】#11 教えない教え 権藤博著 ~あまりにも時代を先取りした方針で横浜を優勝に導いた監督~

はじめに

権藤博さんにハマっている。なぜか、、それは横浜ベイスターズを優勝に導き、その方針が驚くほど時代を先取りしていたからだ。

バント多用作戦の否定、中継ぎローテーションの確立などの采配だけでなく、自分を監督と呼ばせないルール、求められるまでアドバイスをしないことや全体ミーティングは行わずに1対1でのコミュニケーションを重視するなどの方針はどれを取っても時代の先を行っている。

2023年の現在ですらバントを多用するチームがあったり、中継ぎの選手寿命の短さ、やかましく選手を指導する監督など時代遅れのチームはたくさんある。一番驚くのはこの方針を取り横浜で優勝したのは1998年ということだ。そんな権藤さんの"教え"を吸収していく。

3つの気づき

1.放任ではなく"奔放"

監督当時放任主義と言われていた権藤氏だが、本書では放任ではなく「奔放主義」だと語られている。

奔放の意味について調べてみると、「伝統や慣習にとらわれず、思うままに振る舞うこと」とある。なんていい言葉なんだろうか。権藤氏の意図は部下たちが「何をすべきなのか」をそれぞれ考えられるようになることにあった。

伝統や慣習に従わないことがすべていいことではないかもしれない。しかし、伝統や慣習にとらわれてしまうと自分で考える意思を失う。そうなると周りに流され自分の人生を生きていくことができないし、主体性を持って行動できないのですべての行動が受け身になり、能力も上がりにくい。この事を踏まえると「奔放主義」こそこれから生き残るカギかもしれないと思った。

2.自分を知ることの大切さ

人と比べないことは幸せに生きる上で大事である。しかし、自分を知るために人を見て自分に足りないものは何なのか。主体性を持ってライバルを見つけることの重要性を権藤氏は指摘する。さらに素直な気持ちで相手を見ること、素直に相手の話を聞くことも重要であるそうだ。

雲の上の存在と自分を比較するのは馬鹿げている。そんなことをしてもやる気は削がれるだけで一生幸せにはなれないだろう。その上で身の丈にあったプライドを持ち、他者を見ながら自分の足りないもの、長けているものを見ていく。この「身の丈に合った」というのが難しいが、こうしていけば自己成長のスピードを早めることができるかもしれない。

3.真似上手こそ伸びる

自分の目指すスタイルに近い人物の全体を眺める。全体を俯瞰してなんとなく真似るところから始める。また、理想の人物そのものになる必要はなく、学ぶべき点を1つずつ取り入れていけば、新たに見えてくるものがある。

私がTwitterで出会った言葉にこんなものがある。貫成人先生の言葉らしい。

この言葉は「今やってることは正しいんだ!」と勇気をくれた。私は面白い、参考にしたいと思った人物の本を読み漁る方針で本を選ぶ。その本1冊から3つ学ぶべき点を見つけ、行動に移していく。真のオリジナリティは相当難しいが、自分が選んだ10人から得られた気づきを取り入れていけばそれはもう自分のオリジナリティである。

3つのToDo

1.反面教師から「べからず集」を収集する

権藤氏が時代を先取りした監督方針を確立できたのは、選手、コーチ時代に「これだけはやらんぞ」「こんな監督にはならんぞ」という反面教師的な監督像を溜めに溜め込んできたからだそうだ。
認めがたい部分をたくさん持った教師や上司と出会っても悲観することはないと権藤氏は語る。

特に野球界では昭和的な指導が根強い。しかし現在野球の指導をされている方たちは自分の選手時代理不尽で非合理な指導に苦労してきたはずだ。それでも苦労してきた経験を活かせずにそれを自分の部下たちにも苦しい思いを押し付けてしまっている。
権藤氏のすごいところは選手時代に酷使されてしまった経験から、中継ぎローテーションという采配を取り、投手を大事に使ったり、徹底的に管理する方針ではなく、選手の自主性を重視して強いチームを作り上げた。

権藤氏はおかしいと思ったことを「それは違う」と監督に噛みつき、「べからず集」として収集したからこそ先進的な方針で日本一の監督になれた。ぶれない心の軸を持ち、違うと思ったことを議論したり、メモを取ったりして頭に残すことを心掛けたい。

2.放任ではなく、"奔放"

気づきでも言及したが、慣習、常識を疑い、自分で考える力を養っていきたい。

3.迷ったときは"攻め"姿勢をとる

「失敗したっていいや、死にゃしない」と開き直り、どんどん失敗していきたい。守りの姿勢で失敗するのが一番恥ずかしいことかもしれない。



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