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ふたつの道、ふたつの未来


今日は久しぶりに恋愛のお話。
過去の経験を書くつもり。
今思い返してもなんか心が痛くなる、そんなお話です。



わたしの初恋は小学生のとき。
いくらか恋愛はしてきたし、恋人もいた。
学生ならではの甘酸っぱい感じだったはず。

かわいい恋愛だったと思う。

学年イチのスポーツマン
同じ部活の大人しい男の子
顔が整ったイケメンくん

みんな今でも友だちとして関わってる。



だけど気がついた。

学生の頃の恋愛は、私にとって
所詮流行りに乗っかった程度だった、と。


そう思わされたのは社会人1年目から2年目にかけて。
その時に本気の恋愛をした。

ただ、初めて本気になった恋愛は
どう頑張っても報われることはない形から始まり
そしてそれぞれの道が上手く交わらないように終わったな、と
今だから思う。



職場の先輩を好きになった。
そしてその先輩には彼女がいた。

カミングアウトしてしまえば
わたしは先輩の浮気相手だった。

それでも良い、2番目でもいい、いつか1番目にしてくれるんだから。
そう思って突っ走った恋は、まあそれなりの結果を迎える。



「最近、彼女と上手くいってないんだよね。」


この一言で全て始まった気がする。


それまでは、先輩に彼女がいるのも知っていて
好きな人には幸せになってもらいたいし
好きな人の好きな人だから、もちろん幸せになってもらいたい。

そう思っていたから
わたしの気持ちはずっと見て見ぬふりを続けていた。


でもあの言葉と同時に
私の中で何か崩れた。

やっぱり好きだ、
この思いが強くなってしまった。

でも、まだ自制心もあったし
世間一般に浮気は良くないことだと認識していたから
まだギリギリのところで踏ん張れてた。


そして、そんなときに限って
仕事の関係でその先輩と泊まりがけで勉強会へ行くことになった。

内心ラッキー、でも気持ちには蓋しとこう。

そんな気持ちだった。


勉強会が終われば、やっぱり飲みに行くし
飲むと気持ちも大きくなる。


その日から、先輩と私の関係性は変わった。


仕事上は先輩と後輩
プライベートはお兄ちゃん+浮気相手


そんな感じだったろうか。


色んな初めてを経験したのも先輩と。

ドライブデートやお泊まり、旅行。
そして嘘。

純粋に好きな相手だったはずなのに
いつの間にかこんなに曖昧な関係になっている、
そして相手には彼女が居るのに、という背徳感と
だけど一緒に過ごしているのは私だという優越感。

あとは常々感じていた、結局2番手という劣等感。


2番目でも良いと思ったのは自分なのに。
矛盾してる感情。


ただ、私の中では、どれだけ汚い関係性になっても
絶対にしないと決めていたことがある。

それは、「好き」と伝えること。

きっと先輩の彼女に対するせめてもの償いのような気持ちだった。

どれだけ感情が昂っても抑えてきたし
それを言ってしまうと全てが終わる気がして仕方なかった。


ただ、好きだと言わなかったことが
後々自分を苦しめて
何年も何年も引きずってしまう要因の一つになると分かっていれば
あの時、言えていればどれだけ良かっただろうかと
未だに後悔してならない。


先輩との曖昧な関係は約半年続いた。

終わりを告げたのは私から。


本音は、終わらせたくなかったし
このままずっと一緒に居たかった。


後にも先にも
先輩みたいに気持ちや考え方
いろんな部分で分かり合えて、尊敬出来て
一緒に居て顔を合わせるだけで、話をするだけで
自分のモチベーションが高まって
どれだけしんどいことも乗り越えられると感じた相手は
他に居ないだろう。


じゃあなぜ終わりを告げたのか。


好きだからこそ気付く異変。

まずはそこだったと思う。

何となく女の勘が叫んでた。
私じゃない子にもそうしてるんだろうな感。

どうして気付いたんだろう?
こういう時の女は本当に野生並みの嗅覚が働いていると思った。

そして、幸せ以上に襲った虚無感。

どれだけ好きでも、どれだけ一緒に居ても
楽しく旅行しても、彼女に内緒で会っていたとしても

先輩の帰る場所は彼女と一緒に住んでいる家。

一緒に住んでいるということは
たった1泊や2泊、私と過ごしたって

結局、3日目には
彼女と同じ家で過ごして
彼女と同じ匂いの洗濯物を着て
彼女と同じ食器を使って同じごはんを食べて
彼女と同じベッドで寝て
彼女と同じ毎日を過ごす。

その事実にどうしても耐えられなくなったから。

覚悟は決めたはずなのに、やっぱりそれがすごく痛かった。


このふたつが原因で、好きだけど終わりを告げた。

単純に私の心が幸せより辛さを感じ始めたから。



私はもちろん、先輩も最後まで
好き、とは言わなかった。

一度、終わりを告げてしばらく経ってから
やっぱり諦められないと泣きながら先輩に話したことがある。

すると、

「あのとき(曖昧な関係だったとき)、好きって聞いたこと無かったからその気は無いのかと思ってた。
好きだったならそう言ってよ。」

「もう少し、早く出会いたかったし、一緒になれれば良かった。」

「すれ違うタイミングがいつも悪すぎるよね、俺ら。」

「こんなにいろいろ話せるし分かり合えるし楽しいのに、何でかね。」


こんな風に言われたことがある。

だからあのとき、好きという言葉を言わなかった自分を
とんでもなく責めたし、後悔したし
伝えればよかったと心底思った。

この言葉を伝えていれば、何か違う未来が待っていたのかもしれないと思うと
やりきれない気持ちになる。


そして、私も思う。

「もっと早く、先輩と出会いたかった。」

「ほんとに、いつも絶妙にタイミングが悪い。」

「先輩と出会ってしまったせいで、全部基準が先輩になってるのどうにかして。」



ここまで読んできてくれた人ならわかると思うけど
とんでもなく引きずったよ。

今は、割と落ち着いているけど。

……というか、このあとの展開によって
更に先輩への好き度と周りへの警戒と
人間不信が大爆発するのだけれど。

それも相まって何年も引きずってしまう結果となった。



今、先輩は結婚して一児のパパになっている。


え?
結婚相手は例の彼女かって?



違うよ。


私が、終わりを告げるときに
女の勘が働いたと言ったけど、
その女だよ。

ちなみに、その子は私の同期だし
この恋愛のことをいろいろと相談に乗ってくれてた子だよ。

やっぱり私が先輩の彼女に対してした行為は
こうやって自分に返ってくるもんなんだと学んだ。


別に先輩たち夫婦のことは、とやかく言うことは何も無い。
これが現実なだけだから。

先輩たちの今の幸せを崩してやろうとも思わないし
幸せになってくれて良い。

ただし、私の知らないところで勝手に幸せになって欲しい。


姿が見えなくて噂も聞かない状態なら
思い出さなくて済むから。




この経験を通していろいろ学び、感じることが出来たことは
私の財産になると思う。
(同時に足枷にもなるけど。)


だけど、本気で人を好きになってみて
私って意外と女々しかったのか、とか
めんどくさい女だな、とか
でも幸せなんだな、とか
いろいろ発見できた。

まあこの経験があるからこそ
いまは深く人と関わろうとしないし
カテゴリー別、というものを確立したし
いつでも未練なく恋が終われるような関わりしかしてないんだけれども。


軽くトラウマかな、人を本気で好きになることは。


だけど、誰かを本気で好きになることは美しいことだと思う。

自分でも知らない自分に出会うことも出来る。

凄いことなんだと思う。


確かにこれは人に誇れる恋愛でも無いし
むしろ反省すべき点ばかりだけれども
ありがたい経験です。

そして、恋は盲目というし、初恋は実らないと言うけれども
本当にそうなんだと思った。



この話をおおっぴらに書ける日が来るまでに成長出来ました。

どうかこの話が、笑って話せる日が来るようにと願った過去の想いは
ようやく成仏されそうです。

それと同時に、私の先輩へ対する気持ちも成仏されそうです。



交わらなかった道だけど
それで良かったんだと今は思えます。

ふたつの道がひとつの未来になればと思ったけど
それは叶わなかった。

それでも良い。
私にはこの先、幸せが待っているんだから。

今もそれなりに幸せだし。

この経験自体に後悔はありません。
大人にしてくれてありがとう。


そんな感じでしょうか。



みんながみんな、幸せになれる未来になっていますように。



#恋愛 #ブログ #日記 #エッセイ

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