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子どもに目標設定は必要? 五味太郎さんインタビューを読んで楽にできることを見つけたくなった

絵本作家の五味太郎さんのインタビューが、もんのすっっっっごくよかったので、子育て中の人や、幼いころ五味太郎さんの絵本を読んだ人や、「何か目標を持たなきゃならない」と思う人や、子どもに目標設定をさせなきゃと焦っちゃう人………などなどに見てほしいです。

「『幸せになりたい』」って言っている人は、幸せになれない気がする。だって幸せを、自分で否定しているから。健康になりたいと言っている人は、病気ってことでしょう。みんな目標を掲げて達成するということが好きだよね。でも、『幸せになろう』と目標に設定するのは違うんじゃないかな。

「幸せになりたい」とはあまり思わないのですが、「自分が幸せな状態はどんな状態なんだろうか」とはずっと思っていました。「健康になりたいと言っている人は病気」との言葉が、本当その通りだよな、と……。

幸せって、喜怒哀楽に満ちているってことだよね。充足していること。わざわざ自分の能力を超える設定をする必要はないし、他人と比較するものではない。他人からの評価でもない。それなのに、幸せに悩む。ずっと気になっているのは、初等教育なんだよね。初等教育のボタンの掛け違いで、最初はみんな、本当は幸せだったのに、だんだん幸せではなくなっていくということもあると思う

「喜怒哀楽に満ちているのが、幸せ」この言葉、机の前に書いて貼っておきたいくらいです。

初等教育の時に、人生には目標を設定することが大切だと教わる。よく、達成感っていうよね。夏休みの目標とか、学期ごとの達成目標とかを立ててがんばれって。他人と比較し、競うようになっていくと、よくない。競う気もなく、穏やかにぼーっとしていると、叱られてしまう。子どもは本来、ぼーっとしていていいんだよな。マイペースでいいのに、それじゃいけないって言われてしまう
 「やがて、競争して、勝たなければいけないということが、無意識に設定されてしまう。こういう教育をやっていたら絶対にだめだよ。親も、隣の子よりうちの子が劣っているとか、競う感じで、大人が決めた目標を達成することに向かっていくと、最初に生まれついた幸せがなくなっていく。幸せだったものを不幸せにしていく教育だよね」

言葉の全てがかっこいい。

私が以前参加した子育て講座で、「子どものありのままを受け止めることは、子どもが生まれながらに持っているものを奪わないため」といった内容を聞きました。「この講座は、消極的な子育ての考えなんです」とも。つまり、子育てにおいて、子に対して「何かを足そう」とするのではなくて、待つこと、受け止めることの大切さを伝えていました。この講座をしていた方も、やはり絵本の専門店を営んでいる方。

「子どもの頃から、もっといいところはないかって動いていた。いまの境遇に不満を持ち、不幸を嘆く人もいる。政府が悪い、社会が悪い、コロナが悪いなどと、頭で考えるのではなく、動いたらいいよ。あきらめないで逃げたらいい。例えば、自分の『楽』に向かって逃げたらいい」

冒頭の五味太郎さんインタビューより引用

絵本に長年関わる方のインタビューを読むと、子どもの本質に近いから、子どもが喜ぶんだなと感じます。70代、80代の人たちが、今まさに「21世紀型教育」と言われるような教育法を勧めていたりする。「売れるから」ではなくて、「好きだから」で作ってたりする。

私自身は絵本をあまり読まずに成長したので、絵本作家さんの名前を認識するようになったのは子どもが生まれてからでした。五味太郎さんの絵本にもたくさんお世話になりました。


五味太郎さんの絵本

1982年出版とは思えない、カラフルな色彩とデザインは、そのまま壁に飾りたいと思えます。あまり知らずに、ただただかわいいな〜と思い購入。1歳半〜2歳ころになると、「きんぎょは、どこ?」の言葉に子どもが指さしをするようになります。長男のとき、ニコニコ嬉しそうに金魚を指差しする姿が尊すぎて感激して、次男と長女のときはこの絵本を読んで指さしをする姿に成長を実感しました。1〜2さいの子は繰り返しが大好き。何度読んだかわかりません。そう思うと、絵本ってコスパ良すぎでは…?絵本にコスパという考えは無粋かもしれませんが、普通の本と違って一緒に時間を重ねていけるのが素晴らしいな〜と改めて感じます。

1977年に福音館書店の「かがくのとも」シリーズから刊行。タイトルからして、子どもは大好き!シンプルな作りですが、子どもたちがぐっと引き込まれて集中して絵を眺めているのがわかる絵本です。

もう一つ、五味太郎さんのインタビューを見つけました。

https://mi-te.kumon.ne.jp/contents/article/12-91/

「楽(らく)」と「楽しい」って一緒の漢字で表すよね。つまり、楽しくやるってことは、楽にやるってこと。おれにとっては、絵本をつくるのが一番楽なんだ。だから続けてる。楽な方に行けっていうのは、五味家の伝統でもあるんだけどさ。人生楽にいくことについて、一所懸命なんだよ。だからみんなもうちょっと真面目に、自分が何を好きなのか、自分っていうのがどんな人間なのかっていう自己発見に、もっと時間をかければいいのにって思ってるわけ。

ミーテ 絵本作家インタビュー「五味太郎」より


やっぱり、うっすら、こういう風に生きたいな、と思っていたそのものズバリをお話ししている。私も、昔から省エネだな〜と自分に対して思っていたのですが、そんな生き方を肯定してもらえたような気持ちです。これからも、自分が楽しく楽にできることを、一所懸命に探していきたいな。皆さんも一緒に探してみませんか?

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