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雨はアクティビティ #描写遊び

梅雨のある日。

私たちの暮らす竹富島では、梅雨でも雨が降らない日も多い。ゴールデンウィークが終わり、飛行機や宿泊の費用も控えめになり、実は観光で来るのに穴場の時期だと言われている。

そんな、ある晴れた梅雨の日。念のためにと傘を手に持ち、娘と2人で散歩に出かけた。ひと通り近所を歩き、郵便局で用事を済ませ、家へ向かう。

あと300メートルほどで家に着く。空が暗くなり、雲が厚くなり、空からぽつりぽつりと雨粒が落ちてくる。

「あ、雨…」

言いかけたとき、前に進めないほどの雨が降りそそいできた。あわてて1本の傘をさして娘と入るも、お互いの声が聞こえない。傘をビシバシ叩く音だけが聞こえ、次々足元にできていく小さな川。前に進もうとしても、あまりの雨の強さに動けない。「ぎゃー!進めない!歩けない!どうしよう!」と2人で力いっぱい叫んでいたら、お昼休憩で帰宅していた夫が迎えにきてくれた。

夫が来るまで5分ほどだったか。一歩も動いていないのに、私のオレンジ色のスカートがワントーン色濃くなって足にはりついていた。車に乗り込んだら、「すごかったね!わーってなってぎゃーってなって!!!」と娘と私が喋り出す。5歳児が2人、みたいになってしまったほど、スリルをたっぷり味わった、忘れられない雨の時間となった。


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