竹富島で編集者の方とお会いして「自分にしか書けないもの」について考えた
「自分にしか書けない文章を書くには」
近ごろ頭の中を占めているテーマだ。
竹富島にライターがいるらしい!を目指す
少し前、ライターの仕事で行き詰まりを感じ、ライター師匠の中村洋太さんに今後のあり方を相談した。
中村さんはこのような記事を書いている。飛び込む力や勇気、なんでも面白がる人ながら、面白さだけではないあたたかさも文章から伝わってくる。
「竹富島って住んでいる人何人でしたっけ?」
「300人です」
「竹富島で暮らしているってことをもっと前面に出した方が良いですよ!」
今の状況を話しつつこのやりとりを経て、Twitterのプロフィールを変更した。自分の居住地を明かすのは、勇気がいる。記事では何度も竹富島のことを書いているけれど、それでもなんとなく落ち着かないのと、周りの人たちに知られるのが恥ずかしい気持ちがあった。Twitterのプロフィールを「八重山暮らし」とか「石垣島のとなり」とぼかしていた。石垣島はフェリーで15分で着く場所ながら、人口は数万人いる。うん。竹富島在住って珍しいよなあ。
どうせなら腹を括ろう!
プロフィール文やヘッダー画像を変更した。名前にもハッキリと「竹富島」と入れた。勢いで竹富島のアクティビティについてツイートしたら日頃のツイートよりも反響があった。島で見て聞いて感じたことを言葉にしよう、と決意を新たにした。
patoさんの講義を聞いて眠れなくなる
その日の夜、「ぶんしょう舎」のpatoさん回を視聴した。「ぶんしょう舎」はTwitterでフォロワーが10万人を超えるライター、5歳さん主催のオンライン講座で、毎回それぞれの分野で活躍するライターの方の講義を聞ける。
patoさんは記事がとにかくバズる。多くの人に読まれる。
こだわりと熱量がとてつもなくあり、画面越しにも伝わってきた。アーカイブが残るとはいえ、これはライブ感とともに吸収したい!!!!と感じ、メモを取り、Twitterで講義録的につぶやき、質問もしながら参加した。
テーマは「自分にしか書けない記事を書くには」。「経験したこと以上のことは書けない」など、多くの言葉が刺さった。熱意と行動力、文章へのこだわり。初期に書いた文章から今の文章への進化ぶりは王道の少年漫画のようだった。ご自身の過去の文章をいじり倒していたのだ。終わった後「すごいものを見た…」と、興奮からか眠れずにぼーっとしていた。
Twitterに DMが届く
すると、TwitterにDMが届いた。
初めまして。東京在住の〇〇と申します。土曜から妻と竹富島に行くので検索していたところ、片岡様の投稿に行きつきました。私も妻も本業は編集なのですが、いずれも副業でライターをしており、片岡様の投稿に親近感を持ちました。
「えっっっっっ!!!!」
一気に目が覚めた。Twitterは匿名だったが、本名のフェイスブックと、ペンネームで書かれたライターとしての記事を送ってくださった。
トラベルジャーナリストとして、東洋経済オンラインや文春オンラインで書かれていて、書籍も出している橋賀秀紀さんという方だった。
Twitterのプロフィールを変えたその日に、橋賀さんから連絡が来た。話として出来過ぎではないか?!と身震いしつつも、翌日、島にあるカフェ「ぱーらー願寿屋さん」でお会いすることになった。
飛び込んでみると新しい世界が広がる
土曜日の夕方、習い事帰りだったので子ども3人を連れてお会いした。初対面なのに、娘が「◯◯さんのとなりに座るー!」と懐くほど、物腰のやわらかなご夫婦だった。
緊張したものの、お互いに質問をしながら、インタビューしあうような形で会話がはじまった。子どもたちはアイスに夢中。「学校はどう?」と話しかけてくださり、徐々にリラックスできた。
編集のお仕事や、どういった経緯で今書いているメディアで書かれているのかなど、貴重な実体験をたくさん聞かせていただいた。本業での繋がりも大きいと話していた。
お話していた「ぱーらー願寿屋」さんは息子の同級生宅でもある。途中で子どもたちは「◯◯の家行ってきていい?」と席を立ち、いなくなってしまった。
「お子さんたち、自由ですね~」
「そうですね。家に気づいたら他の家の誰かがいることはありますが、お互いにあまり気にせず行き来できるのはありがたいです。」
「子どもを安心して放っておけるのは、本当に貴重ですよね」
お互いに相手や周囲への好奇心が強いからか、話が弾み楽しい時間だった。私がライターを始めてから、ライターの方とオフラインでお会いしたのはほぼ初めてだった。
・習い事で毎週石垣島へ船で渡ること
・子どもをほっぽっていられる地域性
・信号やスーパー、コンビニもない牧歌的な島
・それでも他の島とは異なる、唯一無二の竹富島が誇る景観
お話する中で、島外の方から見るとこういったことが珍しいんだなと気づくことができた。
また、ご夫婦ともに本業がありながらライターとして趣味や好きなことについての記事を書かれている。ライフスタイルに憧れの気持ちを抱いた。専門領域がお2人ともはっきりしていたので、得意分野についての話になった。
「こういう記事を書けます、という分野があるのは強いですよね。竹富島で暮らしながらライターをしている、というのはやはり目を引きました。少し前にTwitter検索していたときは見かけなかったので、最近プロフィール変えられましたか?」
「そうなんです。ちょうど、ライターの先輩にプロフィールを見てもらって。竹富島を出した方が良いとアドバイスをいただいたばかりだったんです。こうして声をかけていただき嬉しいです。」
「片岡さんは外から移住した方なので、外から来たからこその気づきや書けるものがあるはず!」
私はnoteを積極的に更新してはいるが、ライターとしての実績はまだ多くはない。焦りも感じていることを素直に話した。
「お子さんを育てながら、今からこれだけしっかり種まきしているのは素晴らしいですよ。お子さんが巣立ったらいくらでも時間ができると思いますよ。」
全ての子育てと両立しているライターに聞いてほしいと感じた言葉だった。
まさか、竹富島で編集者の方とお会いできるとは。発信して、行動したから起こった出来事。人との会話を通じて、見えなかった部分に気づくこともできた。初めての方といきなりお会いするのは、少し前ならしなかったかもしれない。中村さんを知ってから抵抗がなくなってきている。
「何か新しいことが起こるかも!!!」
繋がりや行動が、新しい出会いへまた繋がる。今の自分が見て、感じたことを大切にしながら、これからも文章を書いていきたい。
私が話を続けていた間、子どもは友達の家で石を積んでいた。一見無駄と思える子どもの行動が本当に好きだ。石を積んで盛り上がれる友達がいるって素晴らしい。自分の周りの何が面白いのか、改めて気づいた日となった。
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