バレエ漫画原作10(1はこちら↓)

マサキ:主人公、新国立劇場バレエ団員、23歳、金髪、182cm
ジン:マサキの親友、23歳、173cm
ナナ:女子高生、20歳、168cm
モエト:新国立劇場バレエ団員、色白の美少年、21歳、171cm
カナデ:新国立劇場バレエ団員、おとなしい印象の少女、22歳、165cm
カズマ:新国立劇場バレエ団員、ガタイの良い男性、40歳、183cm
高槻:強面の50代男性、新国立劇場バレエ団幹部

「セリフ」【モノローグ】≪あぶく≫

00
@新国立劇場練習場
ナレーション
【2年後ーー】
練習をするマサキ
【俺は、先月ファーストアーティストに昇格した。】
隣で踊るモエト
マサキ
【モエトはさっさと俺を抜かして、ソリストに昇格。】
にやっと笑うモエト

01
マサキ
【背は伸びなかったが、ソロの役をバンバン踊っている。】
マサキ
「おーい、行くぞモエト。」
モエト
「うん。」
【そして今日はー】
===
@新国立劇場大ホール
エスパーダ※役を踊るカズマ
※闘牛士の踊り。準主役級。背の高い男性が踊る。

マサキ
【カズマさんがエスパーダ役をつとめた舞台・ドンキホーテの千秋楽。】
舞台後、楽屋裏で汗を拭くナオキが、誰かが来るのに気づく

02
微笑むカズマ
「マサキ、モエト、来てくれたのか。」
「ありがとう。」
花束を渡すマサキ
【2年前、一緒に入団試験に合格したカズマさんは、当時なんと38歳だった。】
マサキ
「おめでとうございます。」
【今や身長の高さやガタイの良さを活かし、主役級の役をバンバン踊っている。】
ナオキ
「マサキー、ちょっと良いか?」
カズマとマサキが端による。
カズマ
「俺ももう40だ。そろそろ引退を考える。」
「マサキー」

03
カズマ
「お前、早くエスパーダやれるようになれよ。」
少し悔しそうな表情のマサキ
「…でも、なかなかソリストに昇格できなくて…。」
カズマ
「同期だろ?俺ら。応援してるんだよ。」
「お前の武器はそのガタイの良さと…。」
「度胸。そして頭の良さだ。」
マサキ
「…」
カズマ
「賢くなきゃエスパーダの色気は出ねぇよ。」
「まあ、俺は意外とバカでも色気出ちゃったタイプね笑笑」
(ガハハハ)書き文字
マサキ
「…」
カズマ
「2年間の努力で、技術は十分だ。」
「あとは…表現力。」
「…お前、恋してるか?」
驚き赤面するマサキのギャグカット
===
@モエトとマサキが歩いて家へ帰っている
マサキ
「モエトさ…」

04
マサキ
「恋してる?」
ペットボトルのお茶を飲んでいたモエトが中身を吹き出す
「ぐぅえっ」
「なんだよ急に…」
マサキ
「お前表現力すげぇじゃん?」
「何を下敷きにしてんの?」
モエト
「俺は…」
「母さんへの愛と憎しみ。それが全てだな。」
マサキ
「ええ!?恋愛じゃねぇの?」
モエト
「…苦しみ、ヒリヒリする感じが大事だと思うんだよ。」
「心がかき乱されて、自分を保てない。そんな強い思い。」
「マサキは感じたことねぇの?」
マサキ
「…」
===
モエト
「じゃあまた明後日の練習でなー」
マサキ
「おーう」
【モエトとはー】

05
マサキ
【一年一緒に住んだあと、同居を解消した。】
===
回想:
@前の家、早朝
モエト
「なむーみょーうほーうれーんげーきょう」
マサキ
「うるせぇえー!」
【もちろん、これが理由の全てではない。】
神妙な顔で二人でご飯を食べるモエトとマサキ
マサキ
【俺等は友人であり、しかし、ライバルだった。】
【どんどん先に行くモエトを羨む俺の気持ち】
【群舞では役を与えてもらえず、俺の背の高さに嫉妬するモエト】
鍵をマサキに渡すモエト
「俺等は、まず『友達』だよな?」
照れ笑いするマサキ
「そうだな笑笑」
===
@現在の自宅7畳のワンルーム
電気をつけながら・マサキ
「たっだいまぁ」
ベッドに倒れる
「ふぅーーー」
ラーーーインッ
スマホが鳴る
マサキ
「ん…?」

06
LINE・ジン
「2ヶ月ぶりー!」
「会わね?」
マサキ
「おお〜!」
【人生初の一人暮らしは】
【ちょっと(かなり)寂しい…。】
===
@スタバ
ジン
「よお〜!久しぶり!!」
マサキ
「元気そうだな〜オイ」
ジン
「最近元気な漫画の担当しててな…」
マサキ
【ジンは就職浪人ののち、中堅の出版社に就職した。】
ジン
「マサキ氏は元気ねーじゃん?どうしたの?」
マサキ
「それがさ…」

07
===
ジン
「ふむふむなるほど…」
「色気がないのは、恋愛をしてないからじゃないかと…?」
マサキ
「そうなんだよ〜」
ジン
「マサキってさ」
「大学2年にちょっといい感じになった子がいるだけで」
「それ以外は0だよな?」
マサキ
「悪いか…?」
ジン
「つまり…」
「童◯?」
マサキ
「…悪いか…?」
ジン
「悪かない、悪かない。童◯であること自体はな。」
「俺は『お前が』ってとこに笑ってんだ。」
ムスッとするマサキ
ジン
「実はそんなお前にぴったりなものがあるんだよ…」
ニヤニヤするジン

08
ジン
「じゃーん!」
スマホの画面を持つ男女の漫画原稿を見せる。
マサキ
「何これ?」
ジン
「マッチングアプリだよ!💦」
「この漫画家さんもうご結婚されててさ、」
「作品のリアリティが足りないんだけど、ご自身で取材に行っていただく訳にもいかなくて…」
マサキ
「ジン…お前がやればいいじゃん。」
ジン
「ふっふっふ…」
マサキ
「ま、まさか…!」

09
ジン
「すまんな、俺、彼女できちまった。」
マサキ
「うおおおお、クソ〜、おめでと〜」
ジン
「社内恋愛なので、ご内密に♡」
===
@スタバの前で別れるジンとマサキ
ジン
「アプリの件、考えといてくれよな。」
マサキ
「気が乗ったらな…」
自転車に乗って去っていくジン
「じゃあな〜!」
マサキ
「あっ…!」
《最近ナナに会ったか?…って聞けば良かった。》
「まあ、またラインで聞けば良いか。」
【ナナとは、俺が入団してしばらくしてから、連絡が取れなくなった。】

10
===
@練習終わり自宅
マサキ
「マッチングアプリね〜」
とりあえずPairsをダウンロードしてみるマサキ
《月3000円もかかんのか…》
《いや、これで何人も会えるとしたらお得なのか…?》
「とりあえず登録してみるか。」
職業欄にダンサーと書き込む。
マサキ
「うわ、女の子の顔写真で選ぶとか、なんか罪悪感湧くな…」
《こんなときにも…》
《ナナが隠れてたりしねぇかな?って考えちゃうな…》
「って…」
「俺、ナナのこと好きなのか?」
ナナの顔を思い浮かべる…
マサキ
《心がかき乱されて、自分が保てないことはない。》
《でもちょっと…ヒリっとする…》
「ハハ、やめやめ。」
「とりあえず適当にいいね送っとこう…」
ナレーション
【数日後…】

11
===
@新国立劇場・練習場
マサキ
《だ、誰からもいいね返ってこないんだが…?》
カズマ
「お〜、マサキおつかれ〜」
マサキ
「お疲れ様っす…。」
「あの〜かくかくしかじかで…」
カズマ
「ふーーーむ」
「まあ、昔から『ダンサー』って職業はモテねぇからな!」
マサキ
「えええ?!」
カズマ
「金ねえのが明らかじゃねぇか!ガハハハ」
マサキ
「でもカズマさんはモテるじゃないですか…」
カズマ
「俺は、落としてから、バラしてんの。」
マサキ
「卑劣…!」
カズマ
「まあ、なんとかなる笑笑」
じとーっとした目でカズマを見るマサキ
ピコン!
スマホが鳴る
ニヤニヤするカズマ
「おや?話をすればすぐ?」
マサキ
「い、いいね返って来ました!」

12
===
@夜、電車の中
吊革に掴まるマサキ
「…泣きそうだ。」
周りを見渡すマサキ
≪やべ、声に出しちまった。≫
マサキ
≪マッチングした子とのご飯…≫
≪最初は良かったんだ…≫
===
回想:
@居酒屋
ギャル系の女性A・20代
「マサキさん、バレエダンサーなんですか?」
マサキ
「そうです。」
女性A
「ダンサーって書かれてたので、てっきりヒップホップ系かと…」
マサキ
「すんません…」
「ちなみにバレエって…」
女性A
「見たことも踊ったことも無いです。」
マサキ
「ダンス以外の話しましょう。」
女性A
「大学はどちらに?」
マサキ
「あーーーー、立教です。」
女性A
「え~~~!凄い!!」
「じゃ、じゃあ、きっと稼いでるんですね!」
マサキ
「あ、えと…」

13
マサキ
「今は、400万円いかないくらいで…」
めちゃくちゃしらけた顔になる女性A
「ふ~~~~ん。」
===
@現在・電車の中
マサキ
≪ふ~~~んってなんだよ!!!涙≫
スマホを見るマサキ
「あ!!」
≪あ、やべ、また声…≫
≪ブロックされてる…≫
「はあああ~~~~」
怪訝な顔でマサキを見る電車内の人たち
背後から声が
「あの、お兄さん?」

14
黒髪の女性Bだった。

イメージ・ちょっと地雷系

一瞬、ナナと見間違う。
マサキ
「ナナ!?」
女性B
「ナ、ナナ~~~?」
マサキ
「ごめんなさい、人違いでした。」
ふらふら~と後ろに倒れそうになる女性B
思わず腕を掴むマサキ
「うわ、大丈夫?」
≪酒くさ…!≫

15
女性B
「お兄さん、すごく寂しそうな顔してるね。」
マサキ
「え…?」
女性B
「うっ」
ゲロゲロゲロゲロ~
マサキ
≪ああ…≫
つづく
つづきはこちら↓



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