カレーを食べながらずっと、店長のボンゴレロッソを思い出していた。

3月9日。くもり。

かつて私のバイト先だったイタリアンレストランはアジア料理レストランに変貌を遂げていた。

ピザを焼く代わりに、ナンが焼けるようになっていた。

久しぶりに訪れた街で衝撃の発見。
こんなに変わるまで気付かずにいられた自分に少し悲しくもなる。

ほぼ看板が掛け変わっただけの外装が懐かしくてつい、店内に入ってしまった。

店内のレイアウトはほとんど同じで、
なぜかワインセラーとワイングラスも残っていて、
メニューが書ける壁の黒板の端にあるトマトのイラストもそのまま。
だけどアジアンテイストな装飾がしてあったりとか、
懐かしいのに若干違う。
イタリアンをやや残した店内に懐かしさがこみ上げる。私バイト先そんなに好きだったっけ。

カレーを食べながらずっと、
店長のボンゴレロッソを思い出していた。

コロナ禍の煽りの閉店だったのだろうか。
元気にしているだろうか。

いつの間にこんなに時間が経ってしまって、
きっともう店長が私を思い出すことなんてないだろうなぁ。
とても懐かしくなってしまった。

私は無事社会に出てなんとか生活できるようになりました。
あんなにたくさんグラスも割ったし迷惑もかけたけど。

さて、明日からも頑張ろうかな!

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