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勇気づけてくれる私の本

私が休日にnoteを書く生活になりつつある中、今日は私がよく読む本について紹介します。この記事を読んだ人たちが自分の好きな本や思い出を振返るきっかけになれば嬉しいです。

はじめての出会い

今から8年前の高校在学中、寒さが厳しい頃にある一冊の本に出会ったのです。当時の私は、勉強、部活、アルバイトを同時平行している学生時代を過ごしていました。

高校生時代の図書室で

高校生の頃の私は、本を読むのは得意の方ではなく、自分の興味ある分野であれば小難しい本が読めた程度です。高校の図書室に行くと三国志の漫画や中学生の頃に好きになった山田悠介さんのホラー系小説をよく読んでいました。どちらかというと、本は好きなほうではなかったものの、図書室の雰囲気や図書室の人当たりの良い司書の先生と話しをすることが楽しみで図書室にほぼ毎日通っていました。

今回紹介する本と出会ったのは、高校の図書室です。
その日は何を思ったのか分かりませんが、いつもであれば通り過ぎてしまう本棚に立ち止まって本を探していたのです。
高校生の私は、将来に対する夢や希望に満ちあふれた社会がある想像はなく、これから本当に社会人として生きていけるのかという不安しかありませんでした。
ちなみに私の通っていた高校は、卒業と同時にほとんどの人が就職します。
私も卒業後は就職する予定だったひとりでした。

その本とは

じっくり探していた本棚の目に留まったのは、「自助論」という本でした。
「自分を助ける本?」と考えた私は、将来に対する不安が解消するのではと思い、早速、自助論を借りたのです。

急いで帰宅した私は、直ぐに読んでみました。自助論は270ページの本であり、文字も大きく2時間もあれば読み切ることができます。当時の私も2時間程度で読んだと思います。
しかし、高校生の私の心には将来に対する不安が解消されるような本ではありませんでした。昔の人はすごいなというぐらいの感想しか出てこなかったのです。
今思うと、非常にもったいないと思うぐらい短絡的な思想でした。

2回目の出会い

高校卒業後は、将来に不安を抱きながらも、社会の歯車として働くようになりました。会社に通うことで、収入や住居を失う不安は無くなりました。毎日が変化のない暮らし、特に何不自由なく、1年、2年、3年と日々が過ぎ去っていくのです。

社会人生活

本当に何も大きな刺激のない人生で良いのか、社会人4年目の私は悩みます。
勤めていた会社は、ぬるま湯に浸かっているような、自分にとって居心地の良い場所でした。人間関係も大して悪くもなく、一歩踏み出す勇気も成長の意欲も沸かずの心情でした。

ある日の休日、本屋に行きました。特に買いたい本もなく、良い本があればいいなというぐらいの軽い気持ちです。
周りの先輩方に「本を読むと物事の見方が変わり良いぞ。」とは薦められたものの、読書意欲が正直沸きませんでした。でも、自分のために言ってくれているのだから、何か一冊ぐらい本を読もうと思い、とりあえず本屋に足を運びました。
本屋で本を探していたところ、「自助論」に再び出会います。
高校生の頃に読んだものの、たいした感情を抱くことができずの本でした。しかし、もう一度読むことによって、今度は違った感想を持つのかもしれないと思い、購入します。

社会人としての感想

1857年にサミュエル・スマイルズによって書かれた「自助論」は、160年以上経過しても読まれている本です。
この本には、人間が生きていく上で必要となる基礎をこれまでの歴史上で活躍した人物を例にあげ、論じています。
1870年代の日本人も、この本を読んで奮い立たせたそうです。
1800年代は幕末から明治時代に渡る、激動の100年。
明治時代の日本は、鎖国から開国し、欧米諸国に肩を並べるようになった時代。私たちの先祖達がこの本を読んで、今の私たちの日本を作ってくれたのだと思うと感慨深いと思いました。少なからず、高校生の頃に感じた「すごい」の一言で完結する感想ではありませんでした。

いつの時代も、自分の意志によって人生を歩み、社会を豊かにしているのだろうと思っています。本に出てくる内容の古さから、この本に対する疑問を持つ人もいると思います。しかし、同じ人間がやってきたことを書いているのだから、多少なりとも参考になるところもあるはずです。

現在の社会は、明治時代の日本に近いと私は思っています。これまでのような常識は通用しない、不確定な未来が待ち構えています。技術が進み、スポットが当たることのなかったものが注目されています。社会で生きる人たちは、古い時代のような固定概念もなくなり、多様性に満ちあふれた世界になりつつあります。

だとすれば、自分は一体何をすれば良いのか。
どういう気持ちで日々を過ごせば良いのか。
今でさえ、明確な答えは見つかっていません。
しかし、悩んだり落ち込んだりした時には、この本を読んで励まされています。
昔の人ができて、これだけ発展した社会に生きているのだから、どんなことでも出来ると思いながら。

最後に

高校生の頃に出会った一冊は、今の私の心を支えてくれる一冊となりました。この本に載っている内容は、決して同じ状況ではないものの、共感できる箇所が多く、励まされているのだろうと思います。辛い時や鼓舞したい時など、同じ箇所を読んでもその日の感情によって解釈が違うのです。

友達や親友のように、本も同じだと思います。
この本が私の親友といっても過言ではないくらい、大切にしたい一冊です。

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