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わすれんぼう将軍より電話です。

「〇年〇組の▲▲です。担任の〇〇先生いらっしゃいますか。」

こういった電話を何度かけただろうか。
自らかける場合もあれば、着信があり折り返す場合もある。
スマホを開き学校からの着信が残っていたとき
どきりとする。学校からの連絡で良かった報告などないのだ。
〇〇小学校からの着信、心臓に悪いのよ。


大体はやらかしてしまったときだ。
ケンカをした、とか
物を壊した(壊された)、とか
大事な書類が提出されていない、とか。

低学年の頃は特に多く、
わざとではなくとも物が壊れてしまったり
朝に頼んだはずのものが提出されていなかったり。

一番ドキっとしたのは長男が2年生のころ、鬼ごっこをしているときにコンクリートの段差で転び頭をぶつけたため、脳外科へ連れて行ってください、という連絡だ。
保護者がすぐに学校へ行けない場合は保健の先生が連れて行ってくれるのだが、わたしは仕事もしていないし、ちょうど近くにいたためすぐに迎えに行けた。もう、ほんまに心臓に悪い。
(ちなみに生え際が切れていたのでホチキスで留めてもらった。ひー。)

長男の友達で、教室の大きいセロハンテープが足の指に落ちてヒビが入った子や、頭を強く打ち救急車で運ばれた子もいるので
子を持つ親御さんは、学校からの連絡にさぞおびえていることでしょう。ありがたいのだけど、心持ち的にはね、こわいよね、あれ。心臓もたん。


地域によるのかは分からないけれど
このあたりの小学校は、一度学校を出たら中に入れないきまりとなっている。
忘れ物をしても生徒は取りに戻れない。
よっぽどのときだけ、親が連絡をしてから取りに行くのだ。
先日、次男が水筒を忘れてしまい取りに行った。
「〇年〇組の▲▲です。担任の〇〇先生いらっしゃいますか。」

わたしの基準としては、水筒、水着は必ず取りに行く。
上履きは取りに行かない。
エプロン、体操服は、あまり使っていないときだけ
金曜日は諦めて月曜日に持って帰ってきてもらう。


今日は帰ってくるなり次男が悲しそうな顔をしていた。
「いちばん大事なものわすれちゃった。。たかしくん(仮名)のれんらくちょう。。」

たかしくんは近所の子で、最近体調不良でずっとお休みしている。一番近くに住んでいる次男が先生から連絡帳を預かり、家のポストへ届けることになっている。それを教室に忘れてしまったようだ。

それは大変だと、急いで学校へ連絡する。
「〇年〇組の▲▲です。担任の〇〇先生いらっしゃいますか。」
言い慣れすぎてスラスラと出てくる言葉。



長男はわが家のわすれんぼう将軍である。
ポケーっとしている彼は穏やかでおっとりしていて、それがまた長所ではあるのだが
抜けているが故になにかと心配が多い。

先日、スイミングが終わり家に帰ると
スクールのリュックを開けて一言。
「。。全部ない。」
タオルも水着も帽子もゴーグルも、濡れたこれら全てが入ったビニール袋がない。リュックを覗くと、見事にからっぽ。嘘やろ。
そのリュックを背負って15分ほど自転車を走らせて帰っているというのに。背負った瞬間に気づくやろーーーー。
「なんか軽いなーとは思った」
軽いなー、じゃないんよ。

「お世話になっている▲▲です。忘れ物をしてしまったので取りに行きたいのですが、スクールは何時まで開いていますか?」

開いている時間に間に合いそうなので、子どもたちに夕食を食べさせている間わたしが取りに行くことにした。夜に長男一人では行かせられない。
「んもー!」とぷりぷりしていると、
「取りに行ってくれてありがとう!ごめんなさい!」うん。元気にそう言われるともう何も言えないわ。

スイミングは忘れ物の宝庫で
これまでにも何度も電話をしたことがある。
洗濯ネットに入れようとしたら水着が2枚あったり、
洗濯ネットから帽子が2枚出てきたり。(洗濯するまでわたしも気づかないという。親子。)
逆もあるので、人様の水着を洗濯させてもらったり、していただいたりと、顔の見えない交流ができている。




小学校へ電話をすると、時間帯によっては教頭先生が出てくれることが多い。
結婚後のわたしの名字はよくあるものに変わったのだが(100均で判子を見つけたときには感動した。旧姓はわりと珍しい名字なもので。)
教頭先生とも同じ名字だった。

「はい。〇〇小学校、▲▲(同じ名字)です。」
「お世話になっております。〇年〇組の▲▲(同じ名字)です。」

電話をかけて同じ名字だったときの「あ。」というコンマ何秒かの間がなんか面白かったりするのだが
今年度から教頭先生が異動されて変わったため、それがなくなってしまった。

少しさみしさを感じつつ。
わすれんぼう将軍のいるわが家は、また電話をかける。いつもいつも、大変お世話になっております。



犯人誰やーー

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