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おい?俺が本当の文化祭ちゅーやつを教えてやるよ。

高校時代の三大イベントの1つ。

その名も

文化祭・・・


みなさん、文化祭と聞いてどんなことを思い浮かべますか?

文化祭の準備をしながらみんなで眺める夕陽。

いつもとは違う非日常感。

イケイケの先輩たちのバンド。それを見てキャーキャー騒ぐ女子たち。

すごいブレイクダンス。それをみて盛り上がる生徒たち。

他校の彼女や彼氏が遊びに来て、「おい、来るなって言っただろ?」だとか、「えっ、○○くん、来てくれたんだ・・・」ってぎこちなく言い、周囲の友達にヒューヒュー言われる感じ。

他校の生徒が自分の出店に来てくれて、なぜか気が合い、なんとなくいい感じになる・・・

出し物でみんなで劇。ヒロインが可愛すぎてみんなが見とれる・・・王子様役としてその子と手を繋ぎいい感じに・・・

そんなことを思い浮かべましたか?

浮かべた人、手上げて?正直に。


ばかぁぁぁぁぁぁぁあぁぁああああああああ!


もうバカ。嫌い。そんな甘酸っぱい感じの文化祭嫌い。

教えてやるよ。本当の文化祭を。


まず、一応俺は進学校に通っていた。といっても中途半端な進学校だ。めちゃめちゃ頭がいいわけではなく、ぼちぼちいいところって感じだ。そして、俺は文系ではなく、理系だった。

理系とは、それすなわち男が多い。そして、オタクも多い。でも俺はオタクは好きだから問題ない。でも、女の子がいないのは問題だった。一応何人かいたけど、正直、性格悪いし、態度悪いし、顔も悪い、ぶっちゃけオラウータンみたいな女性たちだったから、いないに等しい。だから今でも「高校時代、クラスが理系だったから女子がいなかった」って嘘を言っている。許してくれ。

そんなクラスで過ごしていた俺たちだったが、文化祭には期待を抱いていた。理系だって淡い夢を見たいんだ。

でも俺たちは恥ずかしがり屋だったから、劇なんてできない。文系のイケイケの生徒たちみたいに、バンドしようぜ!とかダンスしようぜ!とかできない。そもそも楽器できないし、踊れない。

じゃあ、何をしたか!?

お茶菓子屋さん。


これしかなかった。出店ではなく、クラスにみんなの机を並べて、お茶菓子屋さんをした。お茶菓子屋さんでも、きっと真心こめれば、他校の女子が来てくれる。そこで素敵な出会いがあるはずだと信じていた。俺は策略家だったから、あえて午後からの当番をした。なぜなら午後の方が人が多いと踏んだからだ。

だから午前中は文化祭を見てまわった。もちろん、他校の女子との出会いがないかをしっかりと気にしながら。

体育館では文系のイケイケグループのバンドが開催されていた。

へっっっったクソな歌が響き渡っていた。少女漫画とかでは文化祭でのバンドは盛り上がるはずだが、現実はシラ~っとしていた。俺ははじめて生き地獄を見た。

そして、文系のイケイケグループのダンス。

タコみたいなよく分からんくねくねした踊り。

正直、いまだによく分からない。これもシラ~っとしていた。俺は一日で2度の生き地獄を見ることとなってしまった。

最後は場違いなへたくそなソーラン節・・・もはやカオスだった。

そして、他校の女子生徒との出会いもないまま、というより他校の学生がほとんどおらず、来てるのは保護者ばかりの非日常の学校を見わたしながら、午後の時間になったので、お茶菓子屋さんのクラスへと戻った。

俺はここで出会いがあると信じていた。

きっと少しくらい青春チックな文化祭を経験できると信じてた。

神様はいる。きっと日頃の頑張りを見てくれている。

みんなで頑張ってお茶菓子屋さんの看板作ったもん。

買い出しにいったもん。ママチャリで。

お茶菓子屋さんをするまでの走馬灯がよみがえる。

きっとたくさんの人が来てくれる。

にぎわうはず。

出会いがあるはず。

俺は信じていた。

結果はどうだったか。


午前でお茶菓子全部売れて閉店してた。


これが、本当の文化祭だ。

これから青春を謳歌する若者たちよ。

これが現実だ。


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