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詩┊ 『白昼夢のりんご』
せんせい、こども、はと、さよなら。
りんごのあかさをわすれてしまいたい。
わたしは生きようと云った
深夜2時半、やっと鉛に溺れていたからだを起こす
海はわたしを溶かしていたのにちくちくする何かが心の臓を貫いた
やさしくなるためにがまんします
あらそいをたやすためにすべてをゆるします
いたみもちもどごうもなきじゃくるこのこえも
わすれたい
りんごが青くてもいいのに
わたしは赤くなきゃいけないのだ
真っ青な真実と果実を
真っ赤なりんごは否定する
ふつうのりんごはここにないのね
わたしは毎日悪い夢に犯される
ドロドロして首を掻き毟りたくなるなるヒトの欠片が喚く
手にふれたナイフはわたしの胸を剥いていた
あぁ
やっとつかんだゆめでした
わすれていたゆめ
わすれたくない
ある色を再現しようと絵の具を無我夢中で掻き回す没頭と
夕日が地平線から溶け出すのをぼうと見る刹那
それに似た笑い方と涙の味
わたしは死んでしまいたいとないた
それから、わたしは生きようといった
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