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パスタの乱か革命か

 
 
 
思い込みとも偏見とも取られる雑さかも知れませんが、おおむね半世紀歳である私と同世代かそれ以上の方々の子ども時代、『パスタ』という言葉はあまり使われていなかったのではないかと思います。個人の感想です。

おそらくたぶんきっとメイビー、『スパゲティ』もしくは『ッ』のある『スパゲッティ』が主流ではなかったか、と。

単体で食べる『ナポリタン』や『ミートソース』以外は、ハンバーグなどの付け合せに盛られている具なしもしくは缶詰のマッシュルームが入ってる『ナポリタン a la ケチャップ』的なアレ。いえ、アレはアレで、一晩経って冷えて固まったアレも結構うまくて好きでございます。

さて、そんな私の脳内が『第一次パスタ革命』、またの名を『チキンチリトマトソースパスタの乱』の戦禍せんかに見舞われたのは忘れもしない平成元年のこと。

そんな私の目につくように、地元駅前にオープンしたパスタ専門店がことの始まりでございました。

そのお店はイタリアンではなく、あくまでパスタ専門店でした。『ラディッシュ』という名前で、店名にラディッシュのイラストが入っていたと記憶しています。

たまたま入ったこのお店で、私はそれまで好きだったスパゲッティではなくパスタと出会い、激しいパスタ前線へと身を投じたのでございました。

恋に身を焦がすように『チキンチリトマトソースパスタ』と『生クリームたっぷりアイスココア』にほぼ週二でアタックし、当時、新人JKのしくじりだった私のお金の使い道80パーセントはエンゲル係数と化しておりました。もちろん、残りはオタク活動でございます。

ちなみに、「チリトマトソースなのに何でエビじゃないのか?」という疑問にはお答えしようがありません。何故なら、後に私自身も不思議に思ったからでございます。
恐らく、当時の私は肉を欲していたのでしょう。←

そのお店には10年以上通いつめました。
いえ、もちろん注文するメニューは変化して行きましたし、さすがに短大時代は週一も通えなかったかと思いますが、当時交流のあった知人のほとんどが付き合わされていたかと存じます。

残念ながら、そのお店が閉店を迎えることで、私のめくるめくアバウト10年越えの乱は終わりを告げました。

その後、『五◯衛門』などにもちょくちょく行っておりましたが、そこまで激しい戦禍にはなり得ませんでした。

しかし、その数年後、新たな火種が飛んでまいりました。

雑誌で紹介されていたあるイタリアン・レストラン。

それが『第二次パスタ革命』、別名『海苔のりのクリームソースパスタの乱』の始まりでございます。

初めて食したそれに、私は再び心を奪われました。

仄かな磯の香りを含んだ海苔が濃厚なクリームソースの海をただよい、そこに塩味の効いたパスタがダイブ…………身を任せ、そうして両者はひとつになるのです。

私は再び戦乱の世に身を投じ、隔週ペースで土曜ランチに出陣する日々。
(夜もコース食べに行ってます)

土曜ランチが撤廃されるその日まで続いたのでございます。

そうこうしている間に世の中はK◯R◯NA禍となり、出陣は叶わなくなっておりましたが、令和6年水無月に入る頃、虫の知ら……風の便りが届きました。

10周年を迎えるという知らせでございました。
(責任者と店名が変わってからの10周年です)

記念パーティーに駆け付けたい気持ちは十二分にございましたが、きっと満員御礼であろうと、断腸の思いで諦めたのでございます。
(小さいお店なので)

ならば、渋谷の職安(死語)に行く折にでも、と思い、本日、ちっさいフラワーアレンジメントが暑さでやられないか心配しつつそこらをウロついて、10,000歩以上歩いてまいった次第でございます。


大っっっ変! 美味しゅうございますね。(by 岸朝子氏)

(私は量を7分目にしてもらっております。
 ちなみに、ランチは大盛り無料だそうです)


ちっっっさいマドレーヌも、大変かわゆうございました。

あまりに久しぶりで美味しすぎて言いたくなっただけでございます。

(たぶんK◯R◯NA禍含めて6年くらい行ってないかと思います。不義理!)
 
 
 
 


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