〘お題de神話〙 我が生涯に一片の光あれ
「光あるところに影(陰)がある」
「どうした。いきなり」
「いや、こないだマンガ読んでてさ」
「マンガかよ」
「神話って大体最高神は太陽神とか光の神だったりすることが多いじゃん? 光と対なのは闇だと思うんだけど、対比的に出されるのって影(陰)が多い気がしてさ。そもそも闇を司る神はいるけど、陰の神ってあんま聞かないし」
「強いて言うなら伊邪那美命かしら。陰と言うよりは陰だけど」
「雑に分けると男神が陽神、女神が陰神って感じだもんな」
「ホントに雑w」
「それなのに日本の太陽神は女神だしな。……って言うか、光より陽との対比だよな」
「んで、マンガがどうしたって?」
「いや、内容は関係ないんだけどさ」
「関係ないのかよw」
「“かげ”って光ありき、だろ? 影(陰)は光があってこそ認識出来るって言うか」
「まあ、確かにな」
「そうすると、本当なら“光と影(陰)”じゃなくて“光と闇”が本家本元であって、“かげ”の場合は“光あるところに影(陰)は出来る”もしくは“光あるところで影(陰)は見える”が正しい言い方なんかなーと思って」
「……さっきから真剣な顔でそんなこと考えてたの?」
「だって不思議じゃないか? 闇は闇単体でもアリだし、何なら闇から全てが生まれたみたいな創世神話もあるけど、何でワリといつも“かげ”との組み合わせなんだろうって」
「「「……うーん……?」」」
「こないだのテーマの“戒め”じゃないけど、光があるところにも影(陰)、つまり見えない部分があるから気を付けろってのは、まあ理解出は来るんだけどさー」
「変なトコこだわるな」
「でも、まあ、確かに“戒め”と逆の方向から考えるなら“希望”的に見えるかもね」
「闇の中でこそ、微かな光さえも道標となる、ってことか」
「そうそう」
「そう考えると“太陽”ってよりは“光”だな。もちろん太陽の光も含まれるワケだが、闇夜の中を照らす月の方が近いイメージ」
「つまり、陰陽の考え方もそうなるってことなのかな。どちらも必要で、反対の属性で互いを補い合う、的な」
「影(陰)ももちろんだけど、闇はいつでも足下にあることを忘れず、導く光を見誤らず、ってね」
「うまい落とし具合だが、簡単に闇落ちするのが人の悲しい性……」
「大丈夫でしょ。私たちには太陽と月(※1)がついてるもの」
「顧問w」
「あ~真面目に話してたら帳内会で聞いたアレ(※2)聴きたくなったわw」
「それな!w」
✵
(※1)
部活顧問 太日向陽久──通称・太陽先生
副顧問 月夜野明里
(※2)帳内に住む男性のパロディ音声
(※ゴメンなさいウマハゲさんw)
✵
すみません、テーマが『光』じゃなくて『光と闇』になってしまいましたw
天照大御神だとベタだしなーと、久々にケルト神話の光神ルーでも絡めた話にしようかと思ったけどムリでしたw
お察しの通り(?)、これ、まんま私が不思議に思っていたことですw『かげ』は『闇』のニュアンスで使われているのであろうことは承知の上で突っ込みたかっただけ。←
皆さんが各種叙情的だったり溢れんばかりの物語を書かれている中、ホントごめんなさい。
光あれ~~~…………
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