世界は幻想である──プラトン、デカルト、バークリーの幻想論

世界が幻想であると考えた哲学者は多くいます。その中でも特に有名な哲学者をいくつか挙げます。

1. プラトン（紀元前427年 - 紀元前347年）

プラトンは「イデア論」で知られ、私たちが感覚で知覚する現実は、実際の真実（イデア）の影に過ぎないと考えました。彼の「洞窟の比喩」では、人々は洞窟の壁に映る影しか知らず、それを現実だと誤解しているという描写があります。

2. デカルト（1596年 - 1650年）

ルネ・デカルトは、「我思う、ゆえに我あり」（Cogito, ergo sum）という有名な命題で知られていますが、彼は現実が夢や幻想に過ぎない可能性を真剣に考えました。彼はすべてを疑う「方法的懐疑」によって、確実な知識を追求しました。

3. インド哲学（アドヴァイタ・ヴェーダーンタ）

アドヴァイタ・ヴェーダーンタの思想家たちは、世界は「マーヤー」（幻想）であり、究極的な実在は「ブラフマン」（宇宙の根本的な実体）であると説きました。この思想はシャンカラ（8世紀）の教えに代表され、感覚で捉える現実は仮のものだとされています。

4. ジョージ・バークリー（1685年 - 1753年）

バークリーは、物質世界は実在せず、私たちの知覚によってのみ存在すると主張した「観念論」の哲学者です。彼は、「存在することは知覚されることである」（Esse est percipi）という考えを持ち、世界は私たちの心に現れる現象に過ぎないと考えました。

これらの哲学者たちは、それぞれ異なる観点から、世界が何らかの形で幻想であるという考えを展開しています。