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ツァラトゥストラともののけ姫

孤独を愛し、自己充足している人は、人生で苦悩することが少ないでしょう。一方、依存的な人や他者の目を気にする人は、人生で苦悩することが多いでしょう。

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孤独は苦痛であり、寂しいと感じる人は、孤独の真の価値に気づいていないのです。

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ツァラトゥストラは孤独でしたが、彼には鷲と蛇が一緒にいました。もののけ姫のサンも人間とは関わっていませんでしたが、山犬と一緒にいました。荘子に登場する神人には飛竜が同伴していました。パートナーは人間でなくても良いのです。むしろ、人間でない方が良いとも言えます。
愚かな人間と一緒といるよりも、賢い動物と一緒にいる方がストレスなく心地よく過ごせます。

藐姑射(はこや)の山(神話上の山)に、神人が住んでいる。肌は氷や雪のように白く、体のしなやかさは乙女のようだ。穀物は一切食べず、ただ風を吸い露を飲み、雲気に乗り、飛竜を操って、世界の外に遊び出ていく。彼の霊妙なエネルギーが凝結すると、あらゆる物は傷病なく成長して、五穀も豊かに実るのだ。

『荘子』「逍遥遊篇」

「これはわたしの生き物たちだ」とツァラトゥストラは言い、心から喜んだ。「太陽のもとにおける最も誇り高い生き物と太陽のもとにおける最も賢い生き物」

『ツァラトゥストラ』「ツァラトゥストラの序説」

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他者との会話は必要ありません。会話で満たされることはありません。他者との会話に期待してはいけません。

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あなたの思考や行動、言葉を理解できる他者は存在しません。ですから、他者に理解を求めないでください。理解されないからと言ってがっかりしないでください。

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他者はあなたと見た目も似ていますし、会話も成立しますが、あなたとは種類の異なる存在です。彼らと意思疎通できているというのは錯覚です。哲学的ゾンビと会話しているようなものです。

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食べるものはある、着るものもある、住む場所もある。衣食住が揃っていれば、他に必要なものはありません。孤独を愛し、物欲ではなく、創造する欲求を育てるのです。芸術こそ人生です。物欲や人間関係に翻弄されてはいけません。シンプルに考えれば人生はあっという間に豊かになります。

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物欲や人間関係にエネルギーを費やすのではなく、創造活動に注ぐのです。物欲や人間関係という雑音をシャットアウトするのです。

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他者の生活と比較して、羨んだり優越感を持つことは愚かなことです。そのためにエネルギーを使うことは馬鹿げています。他者との比較ではなく、自分の使命に集中すべきです。あなたの使命は、美を追求することです。

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あなたの心が満たされる、あなただけの孤独の楽園、孤独の聖域をつくるのです。

わたしはわたしのまわりに輪をかいて、神聖な境界線にしよう。いよいよ高くわたしが山を登るにつれて、わたしと行を共にする者はいよいよ少なくなる。わたしはわたしの登るいよいよ神聖な山々で、一つの山脈をつくる。

『ツァラトゥストラ』「新旧の表」

わたしはわたしの思想のまわりに、またわたしのことばのまわりに垣根をめぐらそう。わたしの花園に豚と酔いどれが侵入してこないように。

『ツァラトゥストラ』「三つの悪」

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