見出し画像

『地政学』 世界情勢の本音を紐解く

米中の不気味な覇権争い、中国の海洋進出、EU離脱・・、日々各国の思惑が蠢いています。本日ご紹介する『サクッとわかるビジネス教養 地政学』では、地政学についてこのように書いてありました。

◆要約◆
✔ 地政学とは、「国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える」アプローチであり、地政学の最大のメリットは自国を優位な状況に置きながら、相手国をコントロールするための視点を得られること。
✔ 地理的な側面から国家のふるまいを検証する地政学を学べば、国の本音を見抜くことができる。
✔ 他国をコントロールするための重要な考え方の1つ目が「バランス・オブ・パワー」で、No.1の国が3位の国と同盟関係を結んで協力して、2位の国と対立することで抵抗できる国をなくす手法のこと。
✔ 大英帝国時代のイギリス、そして今のアメリカもこの対外戦略を取っている。
✔ 2つ目が「チョーク・ポイント」で、国家の運営において命綱となる海路において絶対に通る海上の関所を押さえること。
✔ ホルムズ海峡、パナマ運河、マラッカ海峡といった世界に10個ほどある陸に囲まれた海峡や補給の関係上必ず立ち寄る場所を押さえることで他国をコントロールする。

これらを押さえると、なぜシンガポールが発展したのか、なぜEUは小国のギリシャを切り捨てられなかったのか、なぜインド洋で中国とインドが対立しているのか解が浮かんできます。(本書ではイラスト付きででわかりやすく説明してくれています。)

ランドパワー(ユーラシア大陸内部の国々)」と「シ―パワー(国境の多くが海洋に面する国々)」に分類され、大きな力を持ったランドパワーの国がさらなるパワーを求めて海洋に進出すると自国のフィールドを守るシ―パワーの国と衝突する、ということを繰り返している。
ランドパワーとシ―パワーは両立できない」という歴史がある。(中略)国際情勢を読み解く際、関係する国がシ―パワーかランドパワーのどちらかを考えるのは大事な視点。

『日本では条約を守るのが当然。世界では地政学のメリットの優先が当たり前』、『地政学を知ると、軍事力と経済力というリアルなパワーのみで動く、世界の論理が見えてきます。そこに、イデオロギーや世論、カリスマなどは関係ありません』という言葉がとても刺さる一冊でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?