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東京クリームソーダ巡り①:<阿佐ヶ谷>思いを手紙にしたためて。「喫茶 天文図舘」

吉祥寺、高円寺、西荻窪といった、個性的な街が並ぶ中央線沿い。行かれたことありますか?

私は埼玉住みなので、そう多く訪れたことはないのですが、雑貨屋や古着屋などが軒を連ね、何かしらの”お気に入り”が見つかる場所のような気がします。

そして、いつか行ってみたいと思う素敵カフェも、中央線沿いが多いのです。

今回は、中央線8番目の駅<阿佐ヶ谷>の喫茶店を巡りました。
お目当てはもちろん、クリームソーダです。

それでは、レッツレポ!

ノスタルジーがコンセプトの喫茶店 「喫茶 天文図館」


阿佐ヶ谷駅から徒歩1分。
ミステリアスな雰囲気を醸し出すお店が、ポツンと一軒ありました。

喫茶 天文図館」は、2020年8月に開店した喫茶店。

ノスタルジーな空間でお客様を癒すこと”をコンセプトに、店主の心の思いから生み出された空間が魅力です。

自分を見失ったとき、ひとやすみしながらゆっくり考えられる。
ちょっとだけ前向きになれる。

そっと寄り添ってくれるような場所です。

切なくも懐かしい、そして暖かい雰囲気の店内


ドアを開けるとそこには、「ノスタルジー」という言葉に相応しい雰囲気が漂っていました。
天井から吊るされたランタン、針が止まった時計、キャラメルの空箱や積み重なった本…扉を境に時空を飛び越え、別の時代に来てしまったのではないかと思うほど。

お店のページに書かれていた、ノスタルジーの定義は、
過去や故郷を思い出して切なくも暖かい気持ちになる”ことです。

店内を見渡しながら椅子に腰掛けると、
寂しいような、でも懐かしいような。そんな感覚に身体全体が包み込まれました。

「見知らぬ誰かに聞いてほしい」。思いが記された”秘密の手紙”


店内には一階と二階があります。一人で過ごすのにおすすめなのは、二階。
ここでは、自分に向けて、誰かに向けての手紙を書き記すことができます。

案内された書斎机の上には、便箋と茶封筒が置かれていました。
目の前の棚には、お店の訪れた方の手紙がびっしり。
なんと引き出しや本棚にも、手紙が隠されています。

メニューとともに置かれた便箋と封筒

よし、私も書こう!とペンを持ちましたが、
「何を書こうか…」と考え込んでしまい、全く手が動きません。

小・中学生の頃は、友達に向けてよく書いていた手紙。
大人になると書く機会が減ってしまって、ラインやメールで済ませてしまうことがほとんど。便箋に触れるのはいつぶりでしょうか。

ひとまず他の方がどのようなお手紙を書いているのか読んでみることに。
ちょっと罪な気もしますが、目の前にある封筒を手に取り開封しました。

……ここに訪れる方は、どんな方なのでしょうか。
私が思うに、自分を見つめ直したい人が席につき、
誰にも言えないけれど、見知らぬ誰かになら聞いてほしい」ような
心の奥にある気持ちを、手紙に記していくのではないかと。

手紙を読むと、そう感じます。

飾らない言葉で書かれた正直な気持ちに、心が動かされました。
泣くつもりなんてなかったのに、いつの間にか涙が出ていました。

そして、今もどこかで生きているその人を応援したくもなりました。

本の隙間に挟まれた数々の手紙

私は、ちょっと嬉しかったことを手紙に書き留め、他の手紙と一緒に隠しておくことに。
誰かが読んでくれていると嬉しいです。

空間に溶け込む、儚げクリームソーダ


手紙を書いたり読んだりするだけで、満足感たっぷり。
さらに、ここのラムネクリームソーダが美しいので見てください。

空色のシロップと、ソーダ水が二層に分かれています。
なんと目の前でソーダ水を注いでくれるサービス付き!

シュワシュワと弾ける音も、儚げに混ざり合うシロップも、ノスタルジー空間の一つとなって溶け込んでしまいそう。

この淡い色合いがお店の雰囲気にぴったりなんですよね……本当に、飲み終わるのが名残惜しくて仕方なかったです。

クリームソーダは2種類。ラムネとメロンがあります。
次はメロンを食べに行こうと思います!


ノスタルジーを体感しながら、自分の時間を過ごしてみては?


色々な手紙を読んでいて驚きました。お客さんの文才がありすぎる!

自身の悩みや葛藤が記された手紙も多くありましたが、乱雑に書かれた文章ではなく、必ず”オチ”が含まれているのです。
なので、短編小説を読んだ気持ちになるというか、別の人の人生を感じたというか……皆さんすごい。

もちろん私のように、ただ嬉しかったことを日記のように書く人もいるのでご安心を。
書くのが好きな人、読むのが好きな人にもおすすめしたい喫茶店です。
阿佐ヶ谷に行く際にはぜひ、訪れてみてください。

<お店情報>