difficile maturité - 名詞のうちに含まれている困難さを含有しているいわゆる「成熟」について
こちらの記事は おすすめ本 Advent Calendar 2020 の19日目の投稿になります。
文章を書くためにはなにかしら「問い」をたてないとなかなか書きづらい。そもそも文章を書いてこうやって投稿しようするモチベーションの下っかわにあるのは自分の中の葛藤(といえばかっこいいが、なんかもんにょりしたもの)を外に出して「まあ、この程度だったのか」と「なんとなく」腹落ちしたような気分になる。
だから文章に点数をつけて優劣を競い合うなんてことはナンセンスだとものすごくおもうんだけどこの話は置いておいて、今回紹介する本の話をしたいとおもっている。
とまあ、その前にだけど、本屋さんにいくことがとてもすきで、たぶん年間でKindleと紙の本をあわせて数十万円ぐらいはかってるとおもう(だいたい月で池袋にあるジュンク堂書店にいって4〜5万円ぐらいかっているので)。全部が全部すぐに読めるわけではないけど、最近の本ほど売り上げに左右されるというか売れない本ほど見かけた瞬間にかわないといけないと二度と会えないの法則が働いているのでなるべく見たときにかうようにしている。あと、その瞬間「あとで買おう」とおもった本ほど「なんのタイトルか思い出せなくなって絶対にかわなくなったけど、数年後にやっぱり必要だとおもってなんとか見つけたら絶版になっていて死ぬほど高かった」みたいなこともまあまああったりする。
逆に一度手元においた本は何回か期間を置いて読み返すと「そのときは理解したこと」がまるっきり逆だったり、すっかり忘れていたりすることが結構あったりする。読んだ本も読んでない本も読みたくなるまでそばにおいておくこと、すなわち積み続けることが大事かなとおもったりする。その逆で何回トライしても読めなかった本がある日突然読めたりとかいろいろ面白いこともあるので、やっぱり時期があるべくしてあるのかな、と。
来年新卒就職活動をしたり、これから人生をどうやって歩いて行ったらいいか悩んだりしている子から相談されることがある。それだけ頼りにされていることは嬉しいし、少しは自分のもっている経験や知識が彼女たちの前に進む力になればと思っている。
おおよそとして相談内容として帰結するのは「成熟とはなにか」という問いに帰結をしてしまう。
成熟とは困難なものです。それは成熟というのは外形的な指標によって考量することのできないものだからです。(P4)
成熟というのは直線的に向かうものではなくてあっちにいったりこっちにいったりしながら気がついたら成熟しているということである。折り合いのつかない二者をどうやって自分の中で折り合いをつけるようにかという、それなりの方程式を作ることだと思う。でも方程式は振り返ってしかわからない。
さらにいえば「折り合いのつかない二者」とかかわらないといけない状況に自分をどうやっておくのかということからスタートしていく。こうやってどんどんスタートを遡っていっていくといつのまにか「一度も現実になったことのない過去」を起点として自分が成立することに気がつくのである。それこそが自分の中で折り合いのつかない他者と常に暮らしていることを気がつかされるのである。
話が逸れた。
今回の文章を書くために本書を読み返していたところ、最後の文庫版あとがきにまるでこのことがすでに「過去」として記述してあったことが、本書を読むことの最大の理由ではないかと思います
できれば、この本を何年か間をあけて、ときどき取り出して、繰り返し読んでいただければと思います。(P421)
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