見出し画像

人生を変えた街

180度私の人生を変えた街がある。
17歳の時に初めて訪れたスペイン、バルセロナだ。

小学校の夏休み自由研究を通して知ったガウディの存在。
いつか、あの街に行ってみたい。とずっと夢見ていた街。
私の夢は簡単に叶った。

ベルギー留学中に、ホストママがヨーロッパでどこに行ってみたいか?と尋ねてきた時、私の答えは既に決まっていた。
「バルセロナ」
当時はほとんどフランス語を話せなかったはずなのに、それでも自分なりにバルセロナに抱く夢を語った。
ホストママはあっさりバルセロナ行きのチケットをクリスマスにプレゼントしてくれた。
留学機関の決まりで私が1人で海外へ行くことは禁止されていたのでホストファミリー全員でクリスマスをバルセロナ滞在にしてくれたのである。

私の心は躍っていた。

夢に見たバルセロナ

そこは本当に夢のような国であった。
12月なのにベルギーに比べ日差しが強く暖かかった。
3泊4日のバルセロナの旅ではガウディの建築物を全て見て回り、美味しいスペイン料理を食べて、芸術鑑賞をした。
私はバルセロナに恋をしていた。
この旅で、私はスペイン語を学ぼうと誓った。
この旅を通して、建築やインテリアデザインに興味を持った。

この3泊4日の旅が、その後10年の人生を大きく変えることとなった。

決めた目標を確実にクリアする

まず、ベルギー留学を終えた私は日本に帰国し高校を卒業した。
大学ではインテリアデザインを学ぶと決めていた。それはガウディの建築に魅了されていたからだった。

二十歳の時、もう一度バルセロナを訪れた。
その時は、友人を訪ねて1週間滞在した。
毎日スペイン人たちと飲んで歩き、夜中まで遊びまわり、日中はひたすらガウディの建築物を見て過ごした。

当時の日記がある。
前置きが長いので省略するが、最後の部分にこうあった。

-
という訳で、バルセロナのすてきな写真たちはゆうみの記憶の中に残っただけになりました。 
写真は結構ショックだな。500枚くらいあったのに・・・ 
それでもポジティブに考えれば、 
もう一日みかと一緒にバルセロナですてきな時間が過ごせたのも、 
電車に乗り遅れたせいだし、 
写真が消えたってことは、バルセロナがゆうみにもっといいカメラをもってもう一度来いって言ってるんだ。 
と信じる!
どんだけポジティブなんだろう自分。 
一人旅をし続けてると、人間強くなるもんです。 
-

そう、今でも覚えている。
なぜか撮った写真が、出発前に全て消えてしまったのである。
でもその時本当に思った。
私はこの街に絶対帰ってくるから大丈夫だと。

2011年には、スペイン語を勉強するべく、アルゼンチンへと飛び立った。
ちょっと勉強したら帰ろう。と思っていたはずが気がつけば2年滞在していた。
どんなに夜更かししても学校にはちゃんと通った。
サボったことなんてなかった。
ただただスペイン語が上手くなりたかった。
そうやって私は必死に勉強していた。

余談ではあるが、夫とはこのスペイン語学校でであった。
当時、ラテンに魅了されスペイン語を死ぬ気で勉強していた私の目に、フランス人の存在など止まることはなかったが、、、笑

こうして私は、17歳の時に心に決めた目標を確実にクリアしていった。

けれど私のバルセロナに対する熱はなぜか冷めていた。
バルセロナが理由でこれらの目標を掲げたことさえ忘れていた。

仕事が忙しかったり、恋愛が充実していたり、していなかったり、家庭問題に巻き込まれたり、、、生きることに忙しかった。
原点であった、バルセロナに恋をしたあの気持ちを忘れていた。

原点に引き戻される

時は過ぎ、なぜか、インドネシア、バリ島に住むことになり、今の夫と再会して、バリ島で同棲をはじめ早1年。
先日フランスで入籍して晴れて夫婦となった。

入籍祝いに、プチハネムーンにでもいってらっしゃいと、義両親がサプライズプレゼントをしてくれたのはバルセロナ行きのチケットだった。

夫とバリで再会した時くらい運命を感じた。
初恋の人に会いに行くような緊張があった。

心の準備もなく飛行機に夫と乗りこみたどり着いた憧れの街バルセロナ。

微笑みが止まらなかった。
心の底から幸せだと思った。
原点に引き戻された。

街を歩いてると自然とスペイン語が戻ってくる。
夫婦間の会話が少しずつスペイン語へと変わる。

こんなに恋をしていた大好きな街のことをすっかり忘れていた。

17歳の時にこの街に恋をしてから、心に決めた目標を一つずつクリアしてきた。
あてもなく、その先に何が待っているのかわからなかったけど、がむしゃらに掲げた目標をクリアしてきた。

その私にかえってきた最高のご褒美は、バルセロナ移住であった。


実は、バルセロナへ出発する前にプログラミングの勉強がしたいと夫が言った。
更に、そのコースがバルセロナで受けられるのでバルセロナ移住も候補にあると伝えられていた。しかしあまりピンときていなかったし、曖昧な返信しかしていなかった。

いざバルセロナに到着して、セミナールームを尋ねてみると、勉強するのは私ではないのに実感が湧いた。この街での暮らしが手に取るように想像できた。


実際、入籍後どこに住むかが夫婦間の中の大きな問題となっていた。
苦手なフランスには住みたくない私とフランス人の夫。
候補に上がるのはいつもフランス国内で、あまり賛成ではなかった。

しかし、バルセロナが全て解決してくれた。
私を呼び戻してくれた。
目標を掲げてがむしゃらにやってきたことにやっと成果が見出せた。

偶然なのか必然なのか、

運命というものは不思議なものである。

春から、私の人生を変えたバルセロナに新婚夫婦として住む。
文章に書いてみても夢のような話だ。
でもこういう小説みたいなロマンチックな展開が好きだったりする。
無難を選ぶより、ロマンチックを選んだほうが人生楽しいはず。

バルセロナに向けて今日も夢を膨らませながら準備をしている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?