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フランスで籍を入れました!

お付き合いして2年9か月。
夏のプロバンスでプロポーズしていただき早6ヶ月。
先週、やっとフランスの市役所で籍を入れました。

日本の入籍日は、2人で役所に行って婚姻届を出して写真を撮って終わり。
だと思うのですが、、

(実際やったことないからわからないけど、入籍しました!みたいな写真見る限りはみんな私服でラフな感じ)

フランスでは入籍日を役所婚と呼び、市役所で式を挙げた後、ささやかなパーティーをします。

私は、サクッと上記のように説明されていたので、
「ま、サインすればいいんでしょ〜」
くらいに考えていました。。。。

プロポーズを無事終え、まず私たちを待っていたのが書類集め。
当然のことですが、国籍が違う二人が結婚するため、普通よりも集めなくてはいけない書類が増えます。

昨年、夏の時点で市役所に行ってどんな書類が必要か確認。
事前にインターネットで確認していたものの、こういうのって一応役人に聞いた方が無難では?

と、思った私が馬鹿でした。

まず籍を入れたいと伝えて一番はじめに役所の方に言われたこと。

役人「あなたの書類は、パリの日本大使館に行けば全て手に入るのでパリに行ってください。」

はい?

書類って、戸籍謄本とか住民票のことです。
そんな書類が、パリの日本大使館で受け取れるわけないでしょう。。。
(調べなくたってそんなことくらいわかるわ、、、、)

私「でも、日本大使館のホームページを見たら書類は日本で集めるようにと書いてありました。。。(小声」

役人「いやいやいや、そんなわけありませんから。フランスで全部発行できますので!それの方が全てフランス語になってるから翻訳しなくて済むでしょう?(バカなのあなた?風)パリの大使館で書類を集めてきてください。」

私「は、、、はい、、、、、」

帰りの車の中で私は夫にブチ切れました。

私「なんであんた何にも言わないのよ!そんな書類が大使館で受け取れるわけないでしょ!あんな風にバカにされて頭にくる!!!!」

夫「そんなに怒らないでよシェリー(フランス語でハニーの意味)、大使館に電話してみよう:)」

いつも思うのですが、この人はなんでこんなにおおらかで心が広く、穏やかでピュアなんでしょうか。。。。。(まぁそこに惚れたんだが、、)

そんなわけで帰宅後すぐパリの大使館に電話。
私「あ、あのーすみません、入籍の件でお尋ねしたいことがあるのですが、、、入籍をする市役所で私が必要な書類は全て、パリの日本大使館で発行できると聞いたのですが、本当でしょうか?」

大使館の方「はい?そんなことはありえません。(きっぱり)ホームページ見てませんか?そもそも、フランスの役員は適当なことばかり言うので絶対に信じないでください!我々のホームページに詳細はちゃんと記載されております!それをよく読んで、わからなければまた連絡ください!」

私「あぁ、すみません。ありがとうございました。。。。」

なんか、私が悪いみたいになってるじゃないか!!!!!!!

また夫にブチ切れる私。

私「あんたの国どうなってんのよ!役所の人が適当なこと言うなんてありえない!!!!!!!!!!」

そんなこんなでブチ切れながら始まった書類集めですが、なんとか2ヶ月日本に滞在し、その後、フランス、マルセイユの領事館に数回通い、無事全て受け取れました。
(マルセイユの領事館の方はいつ電話しても神対応で本当に神様のような人でした)

さて、複雑な私の書類さえ、全て集めてしまえば後は大丈夫なはず。。。。
と安易に考えた私が間違っていました。

役人との戦い (入籍予定日まで残り3週間)

書類を全て持って、市役所に行きました。
そこに待っていたのは夏と同じ役人。。。。

役人「日本側の書類は完璧に揃ってるわ(パリの大使館で全部揃うって言ったのはすっかり忘れている様子)。では、個々に住所証明書を提出してください。」

夫&私 「はい?」

夫 「それはパスポートではダメなのでしょうか?(フランスのパスポートには住所が記載されている)」

役人 「それではダメですよ。(またすごい嫌な感じ)公共料金の支払い証明書、固定電話の契約書、もしくは確定申書のどれかでなければダメです。銀行口座、パスポート、住民票などは受け付けません。」

住所証明なのに住民票受け付けないってどういうこと?
全く筋が通りませんが、そういう国なんです。

幸いにも私は個人事業主なので確定申告書がPDFであり、それを指定の翻訳家に訳して貰えばいいとのことでした。

しかし、問題は夫の方。
過去4年間インドネシア在住の夫には、住所を証明できるものがパスポートと住民票以外何もない。

バリ島の公共料金支払い法はプリペイド式で、住所が載っている領収書なんてものは存在しない。(そもそも手紙すら届かない国なのだから、、、)

役人を前に困り果てている私たちを見て、

役人「この書類がないと入籍はできないので、書類提出日の予約すらできませんからね。そんなに急がなくてはいけない入籍なんですか?」

夫&私 プッツーーーーーーーーーーン

集めた書類の有効期限は3ヶ月って言ったよね?
既に2ヶ月が経っているからなんとしても1月中に籍を入れなければ書類は全てチャラになるってことだよね?
更に入籍日には新郎、新婦共に証人が最低1人は必要で、私は日本とドイツからわざわざ役所婚のためだけにきてもらうんですよ????

なんとしても1月19日に入籍するために1月4日のアポを取らなくては、、、、、!

私がぶっちぎれモードになっているのを横目で見た夫がやわらか〜く役人に説明する。

夫「集めた書類が無効になってしまうし、遠方からその日のために来てくれる人がいるのでどうしてもその日じゃないとダメなんです。」

役人「あら。でも日本の書類は3か月ではなく6か月間有効よ?」

初めからそれいえよ。
しかもそういう問題じゃないんだよ。

市役所を後にしながらまたブチ切れる私。

住所証明=住民票じゃないっていうところが意味不明すぎる。
けど、意味不明なことを平気で言ってくるんです。
ここで折れたら向こうの思う壷。

私はその日のうちに指定翻訳家に連絡。
半泣きで電話している私に、関西弁で優しく
「必要なら仕方ないやんなぁ、明日までに翻訳したる!」
といっていってもらい、日本人の優しさと相手の気持ちになって考えられる心の広さに感激したのでした。

一方、夫は義両親に連絡。
下記のことを全てしました。
- 住民票
- 戸籍謄本
- 義父名義の固定電話に夫の名前で1本回線を追加した証明書
- 銀行口座の明細
- 義父名義の電気料金支払い口座に夫の名前を追加した契約書
- 夫実家に同居中という義父サイン入りの証明証
- 市民登録申請証
- IDカード

ボスキャラの登場

年明け、1月4日。
入籍日まで残り15日。
上記の書類を全て持って市役所へ。

市役所ではいつもとは違う奥の間へ通され、そこにはいわゆるボスキャラが待っていたのでした。

目も合わせなければ、ニコリともしない、ボスキャラ。
書類を取り上げられ、ぶつくさと文句を言われながら1件ずつ確認が始まりました。
ドキドキしながら、チラチラ目を合わせる私と夫。
何が書いてあるかわからない、こんな書類は見たことがない。など文句を言われながらも私の書類は全てクリア。
続いて夫の書類になると一言。

ボスキャラ「何でこんなに証明書があるの?」

夫「前回、パスポート、銀行口座などでは住所証明書にならないと言われたので、できる限り住所が証明できるものを集めてきました(手汗が伝わって来る)」

ボスキャラ「私が必要なのは、銀行口座の明細に載ってる住所だけよ」

夫&私 ?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!

あの、年末の戦いは何だったんでしょうか。
あれほど確認しても銀行口座では証明にならないと言われたのに。
本当に理解不能な国です。

何はともあれ、一番大変だった住所証明書がクリアできたのだから、余裕じゃないか〜と思っていた矢先、、、

ボスキャラ「それで、確認だけどあなたの証人2人はフランス語ができるの?」

私「1人目の必須証人はフランス語ができる日本人ですが、2人目の証人はフランス語ができません。その件に関しては去年8月に確認をして承諾を得ていますが、、、」

ボスキャラ「フランス語ができないのであれば、証人としては認めないわ。書類に名前も記載できません。フランス語が理解できないんじゃしょうがないでしょう」

と言い放たれたのでした。

いや、そんなの当初の時点でちゃんと確認しているし、、、、
でもここではを歯をむき出せば私の負け。

私「では、当日、専属の同時通訳をつけてはどうでしょうか?」

と言う私に、

ボスキャラ「何で、フランスで誰か探さないの?その方が楽でしょう?」

というのです。

いや、ちょっと待てよ。
理不尽ではないだろうか?
私のことをよく知っている旧友を読んで、通訳をつけて理解してもらいサインしてもらうのと、そこらへんの仲良くもない友達を証人のためだけに連れてきてサインしてもらうのでは、明らかに前者が正しい行為ではないだろうか、、、?

私の頭の中は疑問で溢れかえっていました。
じゃあもし、仮に私が一切フランス語ができなかったとしたら、結婚する資格がないということなのでしょうか?
フランス語ができなければ証人になれないなんて今の世の中では差別と同然のように思えました。

イライラが込み上げて爆発しそうな私を横目で見た夫は、

夫「もう頼める通訳者はいるんです、その人が公的に認められた通訳者だと言う証明書を持って来れば、2人目も証人として認めていただけるでしょうか?」

といったのでした。(イライライしなくてえらいなぁ)

答えは、

ボスキャラ「認められるかどうか、上に相談してみないとわからない」

でした。

とりあえず、市役所を退散し、(いつものごとく私はブチ切れ)例の親切な翻訳家様に連絡。
難なく引き受けてくださり、証明書も送ってくださったのでそれを後日役所に届けました。

そこでやっと全ての証人も認めてもらい、準備が整った私たちの役所婚。
すでに1月10日でした。

1月19日 晴れ

当日、父、義両親、証人4名が集まりました。
式では、婚姻に関するフランスの民法典が読み上げられました。
書類集めに必死すぎて、それまで全く実感のなかった「結婚」と言う大きなステップも、第三者を前に法的な話をされると一気に現実味が増して心臓がドキドキ。
緊張して震える私を横目に「大丈夫?」と何度も小声で尋ねてくれてウィンクしてくれる夫。
大好きな旧友2人を横目に本当に籍を入れるんだと思うといろんな感情が込み上げて目がうるうる。

信仰が特にない私にとって、教会であげる結婚式はどうも胡散臭い映画の世界のような気がして、しっくりこないと思っていました。

実際、役所婚で法的な言葉の元「はい」と答えることはとても勇気がいることでしたが現実性があって本当に結婚するんだという喜びと、緊張、不安が全部混ざって一つの感情になるという不思議な、そして素晴らしい体験でした。

無事、式が終わり、家で会食をし義姉妹から届いたビデオメッセージに感激し、私もついにフランスに嫁いだのか。と物思いにふけりながら眠りについたのでした。

無事入籍が終わった今、次に私を待ち構えているのは?
フランスに在住するのか?本当にヨーロッパに移住できるのか?
まだまだ先が見えない新婚生活が幕を開けたのでした。

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