神様と対話
ある日
お世話になっている人がお見舞いに来てくれた
その人は
うちの家が信じんしている宗教家の方だ
リョウコはもともと
ほとんど無関心で本心では信じんしない
現実主義
現金主義
でもそのお世話になっている人自体は
大好きで普通にお話ししていた人だ
その人が心配して
神様のお祓いをしてくれた
入院してすぐに
閉鎖病棟に来てくださった
リョウコに対して
何の戸惑いもなく
いつものお祈りをしてくれた
そうしたら
リョウコはとてもとてもおとなしかった
頭を少し下げて
じっとしていたんだ
「こころがとてもきれいだったから
受け入れてくれたよ
お祈りがす~っと入ったよ」
って言ってくれた
しばらくしたある日
リョウコが言った
あのあたりに
神様が来てた
と。
あのあたりってどこ?
あのあたり
と指さす方は
むき出しのトイレの電気だった
リョウコに
もう一度聞いた
「あの電機のところに神様がいたん?」
「うん、いたよ。」
ときっぱりと言った。
リョウコには見えていたみたいだ
おとなしかったリョウコ
神様が守ってくれているのかな
私に見えないだけで
リョウコにはみえている
神様
いつもお祈りしてなかったし
神様にお祈りしてるけど
全然いいことない
って神様の前でいつも愚痴ってたのに
神様はちゃんと来てくれたんだな
リョウコはいま
何も隠してない
かっこつけてない
嘘がない
身体も心もむき出しだ
そんなリョウコだから
神様は来たのかなって
思った
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