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思わず『マズっ…!』思ったお茶を何度もおかわりしてしまいました

言葉には不味いモノを美味しくさせるほどのチカラがある。

そんなことを感じさせられた1日でした。

というのも、最近地元の女後輩から『あれ?太りました?』っと言われてから、なんとなく女子力が高まっているボクなわけですが、今日はフォーを食べにいったのです。

フォーって、あれですよ。
透明な麺にパクチーの香り効いてて、お酢をいれてツーンっとした匂いを楽しむヤツ。(楽しみ方あってんかな…?)

うん、これを食べに行った時に事件は起こったんです。

ボクのその時、カウンター席に座りながら注文した『チキンフォー』をスマホをいじりながら待っていたんですが、店員さんがにっこりしながら、透明なグラスに入ったお茶をボクの目の前にスッと置いたんですよね。

スッと・・・ね。
んで一見、何の変哲もないお茶をボクはスマホでLINE NEWSを見ながら完全に油断して、口の中に注ぎ込みました。

・・・。

は???

マズっ!!

え、、、なにこれ?

なんかよく分かんないけど、例えるならサラダ油っぽい風味のなかにぽわぉ~んと緑茶の味がする、なんだか未知の味・・・。(サラダ油の風味ってなんだろう?)

完全に麦茶の味を想定していたボクは、虚をつかれたかんじになりました。。

そして、思わず周りを見渡してしまったんですよね。

こんなワケのわからないお茶を皆、受け入れているのだろうか・・・?

よく分かんないけど、自分がおかしくなったのではないかと思い、女子力高いお店で今年で31歳になる男は壊れたオモチャのように首を左に振っては右に振り、完全に挙動不審になっていた。

しかし、周りのお客さんを見ても、この不思議なお茶にまったく違和感を感じていない様子。

それどころか、皆楽しそうにこのお茶を飲みながら談笑しているではないか…!

そうやって辺りを見渡していたところ、ボクは1枚の張り紙を見つけてしまいました。

この張り紙を見た瞬間、ボクは安心しました。

あ、、、そういう飲み物(健康にいい系)なんだ。

そうと分かれば、確かにこの不思議な味わいも納得できるような気がするし、健康にいいんだったらせっかくだし、いっぱい飲んでおこうかなっと思い、何度もおかわりをしました。

あんなに怪訝な顔をして飲んでいた不思議なフレーバーのお茶を何杯も飲んだのです。

さて、

この出来事で分かることは、あの不思議なお茶がそういう飲み物(健康にいい系)だという情報を知っていて飲むか、飲まないかでお茶の味(価値)は変わってしまうということです。

つまり、コピーライティングの用語で言うのであれば『ベネフィット』を伝えるかどうかで、商品の魅力はガラリと変わってしまうということ。

例えば、美肌効果があるお米があったとしましょう。(実際にあるかは知らないですが…)

そして、そのお米を食べる前に店員さんに、、

『このお米は市販のお米の3倍コラーゲンが含まれていて、モチモチした食感を楽しんでもらえると思いますよ!』

っと言われたら、お米ひと粒一粒を噛む時にコラーゲンを感じて、まるで肌が潤っていくかのような夢見心地で咀嚼できるのではないでしょうか?

逆に、このコラーゲン米についてなんの説明がなければ、食べているときの価値は激減するはず。

ベネフィット(利益)を伝えるか、伝えないかでエラい違いが生じてしまうんです。

つまり、このように商品自体をいじることなく、言葉を使って商品の価値が上げることが可能ということ。

それをプロとして仕事をしているのがコピーライターという人たちです。

『え?でもこのお米の例だと、商品の説明をしただけじゃん。コピーライターっていうのは、もっと秀逸なキャッチコピーを作る人だよね?』

というツッコミをいれたくなった人は、コピーライティングのことが全然分かっていません。

誰もが心を掴まされるようなキャッチコピーや秀逸な表現を考えるのがコピーライターのお仕事ではなく、『言葉を使ってモノとヒトとの関係を作ったり、言葉を使って商品の価値を上げる』ということが本質なので、ベネフィットを伝えることもまたコピーライティングのひとつです。

だからこそ、ボクはあの不思議なフレーバーのお茶のベネフィットを知った瞬間、おかわりをして、あの不思議な味わいも『あ~この味が肌をプルプルにする成分なんだろうな~』っとありがたい気持ちになって飲むことができたのです。

また、商品の価値を上げるのはベネフィットだけではありません。

『ストーリー』を作ってあげることも、また商品の価値を上げることにつながります。

例えば、ボクの飲んだお茶の価値をさらに上げたいとするのであれば、あの張り紙をこんな風にしたらどうでしょう?

もろもろ変化を加えましたが、『ストーリー』を構成する要素としてはここですね↓↓

当店では、独自のハス農場にて24時間温度を管理をした環境でハスを育て、1本1本丁寧に社員が手摘みで品質を管理したハスを使用したお茶だけが店頭に並びます。

どうでしょうか?

こんなかんじでお茶が店頭に出回るまでのストーリーを語ってあげることで、『あ~これが1本1本手摘みで丁寧に栽培されたハスの味なのかぁ』っと感じられて、商品の価値が上がるのではないでしょうか?

ちなみに、この『ストーリー』を使って商品の価値を上げることは、普通に飲食業界ではやられています。

道の駅とかに売っている無農薬野菜のパッケージに『これを栽培したのはこの人です!』というシールが貼ってあったり、だいぶ昔のテレビ番組ですが「どっちの料理SHOW」でもテレビスタッフが極上の食材を手に入れるまでのエピソードを語ることで、そのストーリー分の味わいまで食材にプラスされます。

そして、ストーリーを伝えるには言葉が必要。

言葉を使うことによって、商品の価値が上げることができるし、これがコピーライティングというモノなんですよね。

ということで、今回はボクが飲んだ不思議なフレーバーのお茶の話をベースにコピーのお話をお届けしました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

あ、気づいた人もいるとは思いますが、先ほどボクの書いた張り紙では最後に『ハス茶をお土産に販売』というクロスセル的な要素を追加しています。

『ストーリー』によって信頼残高が上がっていけば、こういった少しハードルの高めのオファーをしてもお客さんも不快にならないですし、『買って下さい!』という売り込み感をなくすために『お土産』という言葉に定義付けを変えているという技(?)も使ってみました。

多分、お店の人にこの文章が読まれることはないでしょうが、ボクだったらこうするかもっという案ですね。

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