差別化戦略とはなにか

差別化とは、「他とは違う、独自のユニークさが、顧客、消費者、または特定の相手に、価値だと認識されること」である。

まずはマーケティングの歴史の変遷を簡単に説明したい。

昔は、「作ったものを売る」という経営スタイルが主流だった。つまり、「いかに良いものを、いかに大量生産するか」という「製品・コンセプト」のもと、需要超過のマーケットで製品を供給する経営スタイルが主流だった。

しかし現代においては、企業の技術水準が高まった結果、「製品の品質が良い」というのはもはや当たり前、最低条件となっている。

そのため、作ったものを売るのではなく、
「売れるものを作る」、つまり、消費者にどのようなニーズがあるかを分析し、競合他社よりも優れた方法でそのニーズを充足する製品を作る「マーケティング・コンセプト」の考え方のもと、経営戦略が策定されている。

例えば、市販のシャンプーなどを見ても、このシャンプーは品質が良くて、このシャンプーの品質は悪い、などのように、はっきりと言い切ることは難しいだろう。それだけ、各社の技術力が高まっており、「機能的価値」での差別化は難しくなっている。(これをコモディディ化と呼ぶ)

では、顧客、消費者、または特定の相手に製品の機能的価値の「差」が少ないマーケットの中から
「自社ブランドを選んでもらう」ためには、何が必要なのだろうか。

それは、「情緒的価値」で差別化することである。

私の体験談を例にすると、私は美容クリニックで定期的に肌の治療をしており、
「ポテンツァ」というメニューをしてもらっている。

しかし恐らく、このポテンツァというメニューは、専用の機械さえあれば、どこの美容クリニックで施術してもらっても、効果に大差はないのだと思う。

しかし私は、今現在通っているクリニックで、これからもポテンツァというメニューをしていこうと考えている。

それはなぜか。私がその美容クリニックに抱く「ロイヤルティ」が高いためだ。
ロイヤルティとはつまり、消費者がそのブランドに抱く「好感度」、「愛着度」のこと。

つまり端的にいうと、私は今通っている美容クリニックのことが「好き」なのだ。

具体的には、そのクリニックの立地や、クリニック内の清潔感、スタッフの方々の対応、
そして何より、「そのクリニックに定期的に通っている」という事実が、自分にとってのステータスとなっている。(今回は割愛するが、このような価値を「自己実現的価値」と呼ぶ)

当該ブランドへの愛着度。これが、「情緒的価値」の正体である。

冒頭でも述べたが、差別化とは、「他とは違う独自のユニークさが、消費者に価値だと認知されること」である。

当然、製品自体の見た目や品質などの本質的品質を高め、「機能的価値」で差別化することも重要だ。そもそもそこが弱ければ、消費者に興味すら持たれない可能性があるからだ。

しかし、本当に製品差別化を図ろうと思うのであれば、顧客ロイヤルティを高め、「自社ブランドを好きになってもらうこと」が非常に大切である。これが、「情緒的価値」である。

顧客からのロイヤルティが高まると、
①価格競争をしなくて済む(高い利益率での価格設定が可能になる)
②継続購入を狙える(ブランドスイッチされにくくなる)
③自社ブランドへのロイヤルティが高い顧客が、勝手に良い口コミを回してくれる
④新規顧客を獲得しやすくなる

といったメリットがあり、このことからも、いかに「情緒的価値での差別化」が重要かが伺える。

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