おくすりを飲む理由

「うつ病です」と言われたけれどというnoteを書いた2ヶ月後。健康診断の結果、LDLコレステロール値がなんと185を記録した。

夏から上がり気味だったので「要注意」と言われていたのが、食事改善を続けてもなお下がらずむしろ上がり続けていた。かかりつけの内科にこの結果を知らせると「高っ!これはお薬飲みましょう」と即答された。

BMI 19の痩せ型。どんなに頑張っても体重が増えず、生まれてこのかたダイエットに悩んだことなど一度もなかった。それなのに今、私の血管には分解しきれていない悪い脂がたくさん流れている。
家族に訊いても遺伝的にはコレステロール値が高い傾向はなかった。しかもコレステロール値を下げる薬は、数値が下がり切った後でも飲み続けなければならない。

納得ができなかった。

なので夏からずっと投薬の可能性を話されてきて、したくないと抵抗してきた。うつ発症直後からウーバーイーツを使いまくって乱れた食生活を反省し、自炊を増やして納豆や豆乳をとって、野菜だけじゃなくて大豆やキノコ類を摂るようにした。

それでも上がり続けたLDLコレステロール値。

納得いかないので原因になりそうな物を探した。スマホの万歩計を調べると、以前は毎月約200,000歩だったのに対し、コロナ禍(2020年3月)以降ではどんなに多く歩いた月でも約110,000歩程度だった。
運動という運動はもともとしていなかったけど、外出しなくなったというだけで歩数の全体数がほぼ半減している。アプリがダウンしてきちんと計測できてなかった日も含めてこれだけの差だった。

運動量が減っていることが原因になりそうだ。かかりつけ内科を説得し、ウォーキングで歩数を取り戻すことでコレステロール値を下げられるか、3月まで観測してみることになった(急に大きな異変が起きることは考えにくいので投薬を急ぐ心配はないとのこと)。

それから晴れた日はウォーキングをするよう心がけた。しばらく続けると功を奏したのか体の調子はちょっとずつよくなってきた。

そんな私に、心療内科の先生は言い放った。

「無駄ですね」

運動くらいじゃ簡単には下がらないし、運動で調子が改善したとしても血液中のコレステロールの変化は体感では絶対にわからない、と。

私「薬をこれ以上増やすのは抵抗があるんです」

先生「僕はそんなにたくさんの処方箋は出していませんよ。LDLコレステロール値は薬に下げてもらったら楽ですよ」

私「昔はこんな毎日薬を飲む生活をしていなかったのに、今すでに処方箋を3種類も飲んでいる。これ以上増やして薬漬けになっていくのは嫌です」

先生「3種類は全然薬漬けじゃないですよ。お薬を飲む目的を考えてください。今のあなたは「薬をやめる」ことが目的になっている。それなら今日から処方箋を出しませんよ、そうすれば薬をやめることができますから。その後のことは僕はもう知りませんよ。お薬をやめられたのだから。
こういう考え方で上司になってしまうとまずいんですよ。必要で薬を飲んでる部下に「お前まだ飲んでるのか」と言って、それで薬をやめてまた具合を悪くしてしまう人も実際いるんです。
お薬は「あなたが健康に正常に生活できる」ことを目的に飲むんです。食べ物から栄養を摂るみたいに、栄養素のひとつをお薬で補うくらいに思っておけばいいのです

もう何も言えなかった。ぐうの音も出ない。

んなわけないじゃないか、万年BMI 19の痩せだぞ。なめんな。今でも納得できない。そんなモヤモヤとともに週が明けた。

この週末、ウォーキングをさぼった。歩きには出かけたけど歩数ぜんぜん頑張らなかった。

「治る」とは

薬は風邪をひいた時に風邪が治るまで飲むもので、飲み続ける物ではない、と思って生きてきた。「薬を飲む」ことをネガティブに捉える意識が、身近な人たちの存在によって確かに刷り込まれていた。

気管支喘息を大人になって発症してから、吸入薬とかアレルギーの薬は何年経っても処方されるし、かかりつけ内科も「続ける必要があります」と必ず言う。それを聞くたびに私が「お医者さんが点数を稼いで儲けるためだ」と思うのも事実だし、今でもその意識は自分の中に根強くある。親の影響だと思う。

でも。30年生きてきて確信しているのは「自分の弱点は治ることなく、大人になって具合を悪くするとその弱点の調子はさらに悪くなっていく」ということ。私の場合はそれが呼吸器だったり胃だったりメンタルだったりする。

きっとこれは私の体質とか個性の問題で、一生この体と付き合っていく以上、寛解したとしても完治することがない。一生このまま「治らない」ものなんだろう。

そうしたら、私の「治らない」部分を補正して健康で日常を送るためにはお薬が必要になってくる。やりたいことがたくさんあるからその為には健康でなきゃいけない。書きたい物はたくさんあるし本だっていっぱい読みたいし、仕事だってしっかり取り組みたい。

ウォーキングを心がけてから確かに調子はよくなってきた。事実だが、それは「健康状態がよくなった」ということで「LDLコレステロール値を下げられる」わけではない。

お薬に頼ってもいいのかもしれない。いろいろなことを切り離して丁寧に考える必要があるけど、とりあえずウォーキングは続けてみることにする。ぽっこりおなかを引っ込めたいのは確かだし。

20代以下の若者に告ぐ。30超えると体質変わるぞ、甘く見ないほうがいい。

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