【米国株】失敗へのグラビティ
投資における失敗でよくあることは暴落に巻き込まれることではないと思います。
今までの投資経験を振り返ると、そんなことは稀です。ほとんどはテクニカル分析、ファンダメンタル分析など、相場の知見をもとに目の前の相場から導き出される適切な投資行動に従わずに損をする、儲け損なうといった失敗です。これではいくら投資の勉強をして知識を蓄えても意味がありません。
儲けたい、もっと速く、もっと沢山の儲けを得たいという欲が冷静な判断を歪めるのです。 そして、判断を歪めるもっともらしい理由をでっち上げるのです。規律を破った結果、失敗するのです。
この冷静な判断を自分の都合のいい結論に歪める誘惑は引力のようなもので、常に自分をそのような失敗へと引き寄せるように働いています。気が緩んだ瞬間に、同じようなダメな投資行動をとってしまうものなのです。
このような経験はないでしょうか?株価が調整局面に差し掛かり、少し下がってきた。この下げが一時的なもので、すぐに上昇に転じる可能性は高いことは諸々の条件を鑑みれば判断できる。しかし、調整がどこまで続くかはハッキリしない。
しかし、現金がたんまりあり、はやく株を買いたいという誘惑に駆られる。そこで、この株とこの株は相場が下がってもあんまり下がらないのではないか?なぜなら業績も良いし、チャートも他と比較して崩れていないから。むしろこれらの株は上昇するかもしれない。どうせ下がっても一時的なのだから少し買っておくのは賢いだろう。と判断を歪める。一度そのような考えが浮かんだら、どんどんそちらへ引き寄せられる。
こうして、ついつい株を買ってしまう。そして相場がずるっと下がった時にスパーンとヤられる。こうなるリスクを想定していたはずなのに、どうして早とちりして買ってしまったのだろうと自己嫌悪する。
これは失敗の一例ですが、他にも事例はあると思います。自分の儲けたいという欲のために、冷静な判断を自分の都合の良い結論に捻じ曲げて、ついつい別の投資行動をとってしまう。そして失敗する。
こうした自分の頭の中にある失敗への引力に流されてしまうと全く投資は上手くなりません。どれだけ投資の勉強をしても、その引力に負けてしまえば、他の素人と同じ失敗をしてしまうのです。
ゆえに工夫する必要があります。僕は、相場が開き株価が動き始めると、手元に置いたノートに色々自分が感じたことを書き込んでいきます。
24/4/10
〈テクニカル〉
売り抜け日 SP500 8日 ナスダック7日
VIX 16 +7.5%
IWM 50日下抜け
まだ高値から数%の下げ
→慎重に
〈ファンダメンタル〉
4/15日確定申告
長期金利 4.5超
CPI 3.5 上昇傾向
利下げ期待 後退中 まだ年内2回織り込み
→慎重に、特に4/15まで
金利の問題が収まるのはいつ?
〈気持ち〉
はやく買いたい。半導体や小型グロース株。
ずるっと下がっている株は今が底ではないか?
この株は下げ渋っている、買いか?
どうせ下がっても一時的、すぐに上がってくる。
〈まとめ〉
まだ申告まで3日ある。何が起きるかわからない。ドンドンお金を入れることはリスキー。申告が終わっても金利の問題は片付いていない。4/15になれば下げが終わるとなぜ決めつけている。いつ下げ終わるか分からないという判断が適切。今日は静観が吉。
まず、自分の頭の中をザッと紙に書き出します。そして、その書き出されたものを見て、自分がどう思ったかも書きます。すると、自分が我欲まみれであること、分析を無視する方向に突っ走ろうとしていたことが分かります。こうすることで自分を客観視することができ、無用な失敗を防ぐことができると思います。
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